救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

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培養細胞からの細胞質タンパクおよび細胞膜タンパクの抽出

2007年06月12日 19時24分41秒 | 研究指針
培養細胞からの細胞質タンパクおよび細胞膜タンパクの抽出(内御堂 亮・松田直之)

【準 備】

1. 作業はすべて氷上で行うため,十分量の氷を用意する。
2. -80℃で凍結していた細胞を4℃冷蔵庫で解凍する。
3. プロテアーゼインヒビタカクテル(SIGMA)を室温で解凍する。(時間がかかるので,まず,解凍を優先する。一度,解凍したものは10µLずつPCR用サンプリングチューブに小分けし,-20℃で専用ボックス内に保存する。)
4. 遠心機の温度を4℃に設定しておく。(温度が下がるのに時間がかかる可能性があるので,まず,やっておくこと。)
5. 十分量のHEPSバッファー(pH 7.5)を氷の中で冷やす。
6. ダウンス型ホモゲナイザを超純水で洗い,氷上で冷やしておく。
7. 廃液用のバッド,および,洗いに使う超純水ボトルを用意する。
8. ホモゲナイズのために用いる氷入りビーカーを用意する。(ホモゲナイザーが入る背の高い300~500 mLレベルの大きさのビーカーを選ぶとよい。)
9. ホモゲナイズしたサンプルを回収するエッペンドルフチューブを,サンプル群数の2倍数用意し,最終的保存に用いるチューブにはテプラⓡで作成した保存用のラベルを張る。(テプラⓡ:3行記載推奨;サンプル内容,群の特徴,作成日)(例:HMVEC,Glu 200 mg/dL 24h,07/06/12)

【全タンパク抽出】
作業はすべて氷上4℃で行うことを厳守すること。

1. 解凍した細胞が入ったマイクロチューブにHEPSバッファを300 μL入れる。
2. 続けてプロテアーゼインヒビターカクテルを3 μL入れる。
3. マイクロチューブ内の細胞をピペッティングする。
4. ピペッティングした細胞をピペットで回収し,ダウンス型ホモゲナイザに入れる。
5. ダウンス型ホモゲナイザで,上下20回,細胞をホモゲナイズする。すりつぶす感覚で行う。
6. 泡がおさまるまで,氷上でしばらく待つ。
7. 泡がおさまったら内容物をピペットで回収し,用意していたマイクロチューブに入れる。
8. ホモゲナイザーを超純水で洗う。(壷は超純水で最低3回は洗い,棒は一度キムワイプで付着物をふき取ってから,超純水でよく洗う)
9. 新しいサンプルで,2~8の肯定を繰り返す。
10. ホモゲナイズされたサンプルを以下の条件で,遠心分離する。条件:4℃,600 g,10分間。松田研究グループは,チューブのヒンジを外側にするよう統一している。
11. 遠心の間に,上清を回収するためのマイクロチューブを氷上に用意する。
12. ヒンジの下の沈殿物を確認し,上清を回収し,全タンパクとする。沈殿物は核分画と未破砕細胞として,-80℃に保存する,あるいは,核タンパク回収系に持ち込む。

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