救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

HP「救急一直線〜Happy保存の法則〜」は,2002年に開始され,現在はブログとして継続されています。

基礎研究 DNA抽出法

2007年05月21日 12時50分30秒 | 研究指針
プロトコール
動物組織からのトータルDNA精製(スピンカラム・プロトコール)

DNeasy Tissue Kit (QIAGEN)を用いています。


実験を始める前の重要事項
・ すべての遠心操作はマイクロ遠心機を用いて室温(15~25℃)で行う。
・ ボルテックス操作は5~10秒のパルス・ボルテックスを行う。

実験を始める前の準備事項
・ Buffer ATLおよびBuffer Alは保存中に沈殿物を形成することがあるので,その場合は56℃に加熱して沈殿物を完全に溶かす。
・ Buffer AW1およびBuffer AW2は濃縮液となっているので,最初に使用する前に容器に記載されているように適切な量のエタノール(96~100%)を加えて,ワーキング溶液を調製する。
・ ステップ2で使用するサーモミキサーを前もって56℃に設定する。
・ 凍結サンプルを使用する場合は,サンプルを室温にする。DNAのサイズが短くなるのでサンプルの解凍・融解を繰り返してはいけない。

操作手順
1. 組織20 mg(肺,心房筋,心室筋,肝臓,脾臓,腎臓,脳,尾など)を細かくカットし,1.5 mlのマイクロ遠心チューブに入れる。180 µlのBuffer ATLを添加する。
2. Proteinase K を20 µlを添加後,ボルテックス操作をして混和し,組織が完全に溶解するまで56℃でインキュベートする(溶解は通常1~3時間で,げっ歯類の尾では6~8時間)。サンプルを効率的に溶解するためにサーモミキサー(松田科研購入)を使用すること。
3. 15秒間ボルテックス操作をする。200 µlのBuffer ALをサンプルに添加し,ボルテックス操作で十分にミックスする。200 µlのエタノール(96~100%)をサンプルに添加し,再びボルテックス操作で完全に均一な溶液になるように十分にミックスする。
4. ステップ3の混合液(形成した沈殿物を含む)を新しい2 mlコレクションチューブ(添付)中のDNeasy Miniスピンカラムに移す。6,000×g(松田遠心器であれば8000 rpm)以上で1分間遠心操作する。ろ液とコレクションチューブを捨てる。
5. DNeasy Miniスピンカラムを新しい2 mlコレクションチューブ(添付)に移し、500µlのBuffer AW1を添加し,6,000×g(8,000rpm)で1分間遠心分離する。ろ液およびコレクションチューブを捨てる。
6. DNeasy Miniスピンカラムを新しい2 mlコレクションチューブ(添付)に移し,500 µlのBuffer AW2を添加し,20,000×g(14,000rpm)で3分間遠心して,DNeasyメンブレンを完全に乾燥させる。ろ液とコレクションチューブを捨てる
7. DNeasy Miniスピンカラムを新しい1.5 mlあるいは2 mlマイクロチューブに移し,200 µlのBuffer AEをDNeasyメンブレン上に直接ピペットで添加する。室温で1分間インキュベートした後,6,000×g(8,000rpm)以上で1分間遠心分離し,溶出させる。DNA収量を最大にするためには,この溶出操作をもう一度繰り返し,約400µlのDNAサンプルを回収する。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする