東京ナイト

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「ヒバクシャ―ドキュメンタリー映画の現場から」

2011-04-05 22:30:02 | 
本は「ヒバクシャ―ドキュメンタリー映画の現場から」。



ドキュメンタリー映画監督、鎌仲ひとみさんの書いた本。
彼女はこれまで、「ヒバクシャ」、「六ヶ所村ラプソティー」、それに2010年の最新作「ミツバチの羽音と地球の回転」を撮っている。

「ミツバチの羽音と地球の回転」は去年の六月に観ていて、その時、映画の感想も日記に書いている。
東京ナイト日記

今回の地震で、東電、政府は「想定外」と信じられない発言をしていたけれど、実は、ずっとずっと「原発は危険だ」と言い続けていた人がいて、その発言を、ずっとずっとマスコミも東電も無視してきた。
映画の感想にも書いたけれど、硬直した日本のエネルギー政策が延々続いて来て、いよいよ取り返しのつかない事態を招いてしまった今、何が出来るのか。

まずは「知ることからはじめよう」ということなんだと思う。
今日もお客さんと原発の話で3時間以上も話し込んでしまったんだけれど、知れば知るほど、お寒い状況に恐ろしくなってくる。
福島の原発は、応急処置を何とかやっているだけで、抜本的な解決策はまだその目処すら立っていないみたい。
このまま延々、汚染水が漏れ続ければ、東北沿岸だけじゃなく、黒潮に乗って太平洋中に汚染が広がる可能性がある。
「直ちに健康への影響はない」のかもしれないけれど、10年後、例えばアラスカの沿岸で著しく小児ガンの発症数が増えた場合、僕たちは何と言えばよいのだろうか・・・。

で、「ヒバクシャ」。
この本は、アメリカが湾岸戦争の際、イラクで使用した劣化ウラン弾による影響で、イラクの小児ガンが飛躍的に増えている実態を追ったNHKの番組取材が元になっている。
全く報道はされていないこうした現状を踏まえつつ、日本でずっと広島の被爆者の健康診断を続けてきた老医師も取材。
彼と一緒に今度は、アメリカ本土の被爆の現状も取材している。
アメリカではある時期、核兵器を作るある工場の周辺で、「意図的に」放射能が漏れたことが有り、その結果、周辺の住民が被爆して、ガン患者が急増しているとのこと。

まあ、読めば読むほど、知れば知るほど、唖然としてしまうけれど、監督は実に冷静にその事実を追っている。
多分その視線の先には、日本の原発があったはず。
それがこんなに早く最悪の形で現実となってしまった。

繰り返すけれど、まずは「知ること」が大切だと思う。
鎌仲ひとみ監督の「ミツバチの羽音と地球の回転」が、緊急上映されるとのこと。
未見の方はぜひぜひご覧下さい。
きっと、「この映画をもっと早く観ていれば」という気になると思うし、まだ日本中に原発が有る以上、これから何をすべきなのかのヒントも有ると思います。

【速報!!】『ミツバチの羽音と地球の回転』渋谷で4/16~上映再開決定!!

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