8月5日に産能大学で開催された「第10回キャリア教育推進フォーラム」に参加しました。内容はアクティブラーニングについての研究会です。
そもそも「アクティブラーニング」とは何なのかということを私の視点でまとめてみます。歴史をさかのぼる形で示してみます。
中央審議会の教育課程企画と区別部会は、2015年8月に、学習指導要領の改訂、学習評価や各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性を『論点整理』としてまとめました。その中で次のように出てきます。
「課題の発見・解決に向けた主体的、協働的な学び(いはゆる「アクティブ・ラーニング」)」
「アクティブラーニング」という言葉はこれによって一気に大ブレイクしました。文科省のお墨付きを受けた授業形態になったのですから当然です。
しかし実はブレイクしていたのはもう少し前です。2014年ぐらいから「アクティブラーニング」という言葉はよく耳にするようになっていたと思います。おそらくこれは26年12月、中教審の「高校教育-大学教育-大学入学者選抜」の一体的改革についての『答申』と重なります。つまり、「大学入試が変わるぞ」という言葉と同時に「アクティブラーニング」は有名になったのです。
それではそれ以前はどうだったのでしょうか。
それ以前も授業改革の方向性は示されていました。本校で行っていた三宅なほみ先生の「協調学習」、あるいは「協同学習」「共同学習」などという言葉で問題解決型の生徒主体の授業改善運動はここ数年さかんになっていました。しかし、それらは入試改革がまだ発表されていなかったので、少なくとも高校ではあまり真剣に受け止められなかったのです。
また、問題解決型の授業改革は私が教員になってからずっと言われ続けてました。私個人としても様々な実践を行ってきましたが、そのような手法が突然一気に盛り上がるということは違和感があるのが正直な感想です。
いずれにしても、授業改革は昔からずっと言われ続け目立たない形で実践されていたのですが、大学入試が旧態依然としたものである限り、それは主流になるものではなかったのです。文科省は教育改革の重要性はずっと言い続けていました。それが「ゆとり教育」という形で提言されたわけです。しかし「ゆとり教育」は大失敗に終わりました。入試改革を示さないまま授業改革だけをしめしても無理に決まっていたのです。生徒主体の教育改革は、結局は失敗に終わるというトラウマも生まれてしまったのです。
こうした状況の中で小林昭文先生などが、学力をおとさない、つまり大学入試に対応する生徒主体の授業改革を実際に示し、広めようと地道に努力した結果、文科省の教育改革、とりわけ大学入試改革と時期的に重なり、このような大ブレークとなったのです。
以上を歴史順に整理しなおします。
①少なくとも30年以上前から生徒主体の問題解決型への授業改革の必要性は言われてきた。そして今「アクティブラーニング」と言っているような授業を実践している人もいた。
②教育の改革の方針として文科省は「ゆとり教育」を推進し、生徒が自ら学ぶ学習をさせようとしたが、文科省がそのやり方をうまく示せず、また大学入試改革は行わなかったので現場の教員はどうしたらよいかわからず、結局は学力低下をもたらし大失敗に終わる。
③しかしその後も授業改革の必要性は引き続き多くの人は感じていたので、協調学習、協同学習、協働学習など、さまざまなグループで授業改善運動が起こっていた。その中で「アクティブラーニング」のグループが一番受け入れられ、文科省の大学修士改革の発表と相まって今の大ブレイクした状況になった。
さて、では「アクティブラーニング」とは何なのでしょうか。次回に続きます
そもそも「アクティブラーニング」とは何なのかということを私の視点でまとめてみます。歴史をさかのぼる形で示してみます。
中央審議会の教育課程企画と区別部会は、2015年8月に、学習指導要領の改訂、学習評価や各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性を『論点整理』としてまとめました。その中で次のように出てきます。
「課題の発見・解決に向けた主体的、協働的な学び(いはゆる「アクティブ・ラーニング」)」
「アクティブラーニング」という言葉はこれによって一気に大ブレイクしました。文科省のお墨付きを受けた授業形態になったのですから当然です。
しかし実はブレイクしていたのはもう少し前です。2014年ぐらいから「アクティブラーニング」という言葉はよく耳にするようになっていたと思います。おそらくこれは26年12月、中教審の「高校教育-大学教育-大学入学者選抜」の一体的改革についての『答申』と重なります。つまり、「大学入試が変わるぞ」という言葉と同時に「アクティブラーニング」は有名になったのです。
それではそれ以前はどうだったのでしょうか。
それ以前も授業改革の方向性は示されていました。本校で行っていた三宅なほみ先生の「協調学習」、あるいは「協同学習」「共同学習」などという言葉で問題解決型の生徒主体の授業改善運動はここ数年さかんになっていました。しかし、それらは入試改革がまだ発表されていなかったので、少なくとも高校ではあまり真剣に受け止められなかったのです。
また、問題解決型の授業改革は私が教員になってからずっと言われ続けてました。私個人としても様々な実践を行ってきましたが、そのような手法が突然一気に盛り上がるということは違和感があるのが正直な感想です。
いずれにしても、授業改革は昔からずっと言われ続け目立たない形で実践されていたのですが、大学入試が旧態依然としたものである限り、それは主流になるものではなかったのです。文科省は教育改革の重要性はずっと言い続けていました。それが「ゆとり教育」という形で提言されたわけです。しかし「ゆとり教育」は大失敗に終わりました。入試改革を示さないまま授業改革だけをしめしても無理に決まっていたのです。生徒主体の教育改革は、結局は失敗に終わるというトラウマも生まれてしまったのです。
こうした状況の中で小林昭文先生などが、学力をおとさない、つまり大学入試に対応する生徒主体の授業改革を実際に示し、広めようと地道に努力した結果、文科省の教育改革、とりわけ大学入試改革と時期的に重なり、このような大ブレークとなったのです。
以上を歴史順に整理しなおします。
①少なくとも30年以上前から生徒主体の問題解決型への授業改革の必要性は言われてきた。そして今「アクティブラーニング」と言っているような授業を実践している人もいた。
②教育の改革の方針として文科省は「ゆとり教育」を推進し、生徒が自ら学ぶ学習をさせようとしたが、文科省がそのやり方をうまく示せず、また大学入試改革は行わなかったので現場の教員はどうしたらよいかわからず、結局は学力低下をもたらし大失敗に終わる。
③しかしその後も授業改革の必要性は引き続き多くの人は感じていたので、協調学習、協同学習、協働学習など、さまざまなグループで授業改善運動が起こっていた。その中で「アクティブラーニング」のグループが一番受け入れられ、文科省の大学修士改革の発表と相まって今の大ブレイクした状況になった。
さて、では「アクティブラーニング」とは何なのでしょうか。次回に続きます