とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

国語のセンター試験は決していい問題ではない

2019-11-29 06:37:26 | 国語
 大学入試改革で国語の記述式の導入は今の状況では私も反対である。この理由はこれまでもここで書いてきている。しかし共通一次以来のマーク式問題も国語力をゆがめているのも現実である。次のステージに行かなければならない。

 共通一次以前の国語の問題はひどいものが多かった。昔、国語の問題を批判するときに「『作者の考えを述べよ』なんて問題わかるはずない。」と言われた。現在そんな問題はありえない。しかし昔はあったのだ。教師の勝手な解釈を生徒に押しつけるような問題があった。あるいは重箱の隅を楊枝でほじくるような問題も多かった。共通一次以降も私立大学の問題などではひどい問題もあったが、徐々に減ってきた。だから共通一次やセンター試験は一定の役割を果たしてきた。

 しかし、センター試験の問題も近年難しすぎるものもたびたびある。平均点が110点を下回る時はたいていひどい。特に評論問題は文章自体が難解すぎて何を書いているのかわからない。さらに選択肢が紛らわしく、国語力と全く関係ない力を見ている試験になっている。もはや読解問題ではないのだ。

 記述式試験導入に反対する立場の人で、「センター試験はいい試験だ」と言っている人がいる。その方は本当にセンター試験を解いているのだろうか。センター試験がいい問題だとはとても思えない。2013年、2014年、2017年の問題をぜひ見てもらいたい。これらが的確に国語力を見るテストだと言えるのだろうか。

 もちろんだから新テストの記述式に賛成だと言っているのではない。多くの問題があり、来年度からの実施はやめるべきだ。しかし、だからと言って国語のセンター試験がいい試験だというのは愚かだ。冷静に議論することが大切なのだ。
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「桜を見る会」に反社

2019-11-26 19:52:35 | 政治
 菅官房長官が「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたとの指摘について「出席は把握していなかったが、結果的には入ったのだろう」と述べたという。
 
 私はそんなに大きな問題だとは思わない。大規模な会なのでそういうことだってありうる。しっかりと謝れば、それ以上責めるまでもないことなのではない。故意ではなく過失である。過失を必要以上に攻撃することを私は好まない。

 しかしマスコミは違うはずだ。反社との接触があった芸人を追い込むだけ追い込んだのだ。今回の「桜を見る会」を許すわけにはいくはずがない。

 さあマスコミvs.政府の場外乱闘が始まる。政府はどうマスコミに圧力をかけるのか、マスコミは圧力に忖度せずに政府を攻撃できるのか。そしてこのバカバカしさをさも自分はこの渦中にはいませんよとマスコミと野党を「バカ」呼ばわりしてスタンドプレーに走るのか。(もちろんこれは辛坊治郎という世の中で一番情けない奴である。)

 この問題が盛り上がるのはおもしろいからいいのだが、やはり政治はこれだけではない。大切なことは後回しにしない政治をぜひお願いしたい。

 ただし、安倍晋三氏が総理でいるかぎりまともな議論ができないという理屈は十分すぎるほど理解できる。だからこそそこで大人の対応ができることが政権を狙える野党だと私は思う。野党も成長してほしい。
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映画『ジョアンジルベルトを探して』を見ました。

2019-11-24 10:24:44 | 映画
 映画『ジョアンジルベルトを探して』を見ました。ジョアンジルベルトというのはご存じの方も多いと思いますが、ボサノヴァの創始者です。サンバのリズムに乗せてつぶやくように歌うあのボサノヴァは彼が生み出した音楽です。ここしばやくまったく活動していませんでした。その活動していなかった時代にジョアンジルベルトを探した旅をして、『ジョアンジルベルトを探して』という本を執筆した男がいました。その男は本が出版される直前に死んでしまいます。この映画は、その本を読んだ監督が、その男の足跡をたどりながらジョアンジルベルトを探す映画です。説明しにくい少し複雑な映画です。なお、ジョアンジルベルトは今年の7月に亡くなっています。

 ジョアンジルベルトはその名を知らない人でも、必ずどこかでその音楽は耳にしている人です。だからジョアンジルベルトはもっと華やかな人なのだと思っていました。しかしかなり印象の違う人でした。バスルームの中にこもって練習したり、あまり映像がのこっていなかったりと、かなりシャイな人物だったのではないかと感じられます。

 そのジョアンジルベルトを追う本の執筆者も、映画監督も不思議な旅を続けます。劇的なものはなく、袋小路に入り込んでいくような印象を受けます。広い世界の中の隠れ家を探すような旅です。そこにリアルを感じる映画でした。

 正直言って私にとって面白い映画ではありません。ジョアンジルベルトのドキュメンタリーを期待していたからです。しかし実はこの映画こそがジョアンジルベルトの実像に迫っていたのかもしれません。
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なぜ安倍政権は支持率が下がらないのか

2019-11-23 09:01:09 | 政治
 安倍政権ほど不誠実な政権はない。だから安倍嫌いが非常に多い。しかしに意外に支持率が下がらない。国民は支持しているのである。なぜこういうことになっているのだろうか。理由を思いつくまま上げていく。

①ほかに適当な人がいない
 世論調査でもこの理由が一番上にくる。国民の感情としてはほかの人よりは、長期政権のほうが安定感がありいいということなのだ。確かに野党はあまりに頼りないし、与党内でもパッとした人はいない。またコロコロ政策が変わるのは問題である。外交面を考えれば、同じ人が国の顔であるほうがいいように見える。安定感はやはり大切な要素である。

②景気がいい
 民主党政権のころよりも明らかに景気はいい。特に雇用状況が大幅に改善している。これは評価できる。しかし実は異常な金融緩和政策によるもので、未来にツケを残す政策である。安倍晋三氏はヘラヘラ笑っていられるが、次以降の政権は苦労することが必至なのだ。はたしてアベノミクスは本当に正しいのか。野党もマスコミも一番大きく取り上げなければならない。

③外交で活躍している
 外遊が多く、外国の要人と頻繁に会っている。これはイメージがいい。がんばっているようには見える。しかしロシアとの関係は完全にプーチンにやられっぱなしだし、トランプにも結局いいようにあしらわれているように見れる。中国とは全くうまくいっていない。北朝鮮問題はまったく前進しない。ほとんど外交上に成功してはいない。
頼みの綱は韓国だけだ。韓国に対する姿勢は評価する。これまではあまりに気を遣いすぎていた。しかし安倍政権の外交上評価できるのは実はそれだけしかないのだ。結局それは支持率を上げるための打ち出の小づちのように使っている。参院選前のホワイト国除外などは困ったときの韓国叩きのようにも思える。
全体的に見て外交上もプラスとは思えない。

④教育政策は最悪だ
 モリカケ問題からはじまり、今回の大学入試にいたるまで、教育行政はひどすぎる。民間業者との癒着は疑われて当然だ。

⑤政権維持のために何でもありだ。
 官僚に圧力をかけているのか、「忖度」によるあきれた事態が次々に起こっている。文書破棄や改ざんなどあってはならないことばかりが起きている。されには議論のすり替えで自分の過ちを認めようとしない。今回の「桜を見る会」においてあきらかなように、自分を応援する人を厚く持てなし、支持基盤を堅固にしている。これも政権維持の大きな要素である。政権があやしくなると、テレビに田崎史郎氏が出てきて、うまく言い訳をするのも変な話だ。田崎史郎氏は政治評論家というよりも民間政府広報である。

 もっとあるのだろうが、思いつくまま書いてみた。もちろん異論もあるだろう。安倍政権は功罪あるが、いずれにしてもしっかりと評価し、これからの政治のあり方を考えることが大切である。
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舞台『渦が森団地の眠れない子供たち』を見ました

2019-11-21 19:25:22 | 演劇
 蓬莱竜太作・演出の舞台『渦が森団地の眠れない子供たち』を宮城県多賀城市体育館で見ました。主演は藤原竜也と鈴木亮平。奥貫薫と木場勝巳が主要なキャストとして脇を固める。期待以上の素晴らしい舞台だった。

 藤原竜也と鈴木亮平が小学校4年生の役で登場する。鈴木亮平が渦が森団地に引っ越してくる。巨大な団地だ。そこに藤原竜也がいる。この2人、実は母親同士が姉妹なのだ(奥貫薫が2役)。しかしこの姉妹は仲が悪い。鈴木亮平には妹がいる。この妹は親が連れ子同士の再婚だったために血のつながりがない。藤原竜也は鈴木亮平をいじめの対象とする。血のつながりのある2人はいがみ合い、血のつながりのない兄と妹は支えあって生きている。その子供たちに悲しい事件が起こってしまう。

 子供も大人もみんな必死に生きている。しかし誰も器用になんか生きられない。必死に生きるからこそのつらさや悲しさが生まれる。そんな人生のドラマが描かれる。

 死の影が背景にあり、死をにおわせながら生きることを描いていく舞台である。人生の奥底に誘われる好舞台だった。
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