アウトプットとインプット（キャリア教育推進フォーラム２）

　8月5日に産能大学で開催された「第10回キャリア教育推進フォーラム」の福岡県の和田美千代先生の講演の中で「アウトプットとインプット」について述べられていました。アクティブ・ラーニングというよりも教育にとって大切な概念だと考えます。

　従来の講義型は「インプット（自分の中に取り入れ）されて学ぶ」活動でした。それに対してアクティブラーニング型は「アウトプット（自分から発信）して学ぶ」活動です。もちろん実際の授業はインプットもアウトプットもあるわけですから一概には言えないのですが、大雑把に言えば上記のように言えると思います。

　和田先生が講義の中で示唆していただいたのは、最初にアウトプット予告をすることの意義でした。例えばこの授業を最後に「きょう学んだことをもとにして自分の週末の学習計画を作成してください。」などと言うようなアウトプットすることを予告しておきます。するとそれを目標に授業を受けることになるので「インテイク（自分事にする、当事者になる）」することになります。すると自然に活動しながらインプットすることにつながることになります。

　アウトプット予告の有効性は自分の経験からも明らかです。目標を明確にした場合のほうが自分でも努力しますし、時間を有効に使うようになります。そして最後に実際にアウトプットすることによって活動内容を整理し定着させることにつながります。

　このことは実際の授業の中では、「目標の提示」と「振り返り」の重要性を示しています。目標を提示はアウトプット予告となっていれば自然に生徒は活動しはじめます。振り返りはその目標が達成された形でのアウトプットになります。もちろん目標に届かなかった場合もあるかもしれませんが、その場合でも目標のどこまで到達したかを考えることによって自分を見つめなおすことになり、これはメタ認知能力の育成にもなります。生徒が自分をプロデュースする力を育てることになります。

　アウトプット予告を今後意識的にすることの重要性を学びました。