とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

源氏物語を読む㉖「常夏」

2025-02-09 10:53:57 | 源氏物語
「源氏物語を読む」シリーズの26回目、「常夏」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

この帖の主役は近江の君です。盛夏の六条院で、釣殿で涼んでいた源氏は夕霧を訪ねてきた内大臣家の子息たちに、内大臣が最近新しく迎えた近江の君のことを尋ねます。内大臣は娘の玉鬘を探していたのですが、娘は見つからず、近江の君が見つかりました。

玉鬘は今、源氏に世話になっており、内大臣はその子を源氏の隠し子かなんかだと考えているように伺われます。作者は玉鬘と近江の君を比べることで、源氏と内大臣の格差を表現しているように感じられます。

玉鬘は、いつになったら実父に会えるのか思い悩ますが、そんな思いとはまったく関係なく、悩んでいる玉鬘を見て、源氏はますます玉鬘に魅かれて行きます。ホントにとんでもない奴です。

玉鬘十帖はこんな感じて源氏も含めて喜劇的に描かれているような気もします。

内大臣はあまりに姫君らしくない近江の君をどうしたらいいのか思案します。そこで長女弘徽殿女御の元で行儀見習いをさせることにするのですが、どうも間の抜けたような対応しかできません。女御へ贈った文も和歌も支離滅裂な出来で、女房たちの笑いものになってしまいます。

本筋とは関係ない小話のような章段です。やっぱりスピンオフの気分が満ちているように感じます。
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源氏物語を読む㉕「蛍」

2025-02-06 16:41:58 | 源氏物語
「源氏物語を読む」シリーズの25回目、「蛍」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

五月雨の頃、光源氏の弟である兵部卿宮から玉鬘に文が届きます。兵部卿宮ってだれだったっけと思ってしまいますが、桐壺帝の子にそういう人がいたわけですね。全然記憶にありませんでした。源氏はそれに返事を書かせます。喜び勇んで六条院にやってきた兵部卿宮の前は六条院にやってきます。源氏は几帳の内に蛍を放ちます。その光で玉鬘の姿を浮かび上がらせるのです。この演出がすごい。ほのかな光に浮き上がる玉鬘に兵部卿宮は心を奪われます。兵部卿宮は想いを和歌で訴えます。玉鬘はいまいち乗り気になれません。

5月5日の節句、源氏は夏の町で騎射と宴を催し、その晩は花散里のところに泊まります。もはやふたりには男女の関係はありません。とは言え、それで満足なのです。枯れた夫婦の姿が描かれます。

やがて長雨の季節に入り、玉鬘は物語に熱中します。源氏は物語について語り、やっぱり玉鬘に言い寄るのです。ここまで来ると、源氏は喜劇なのではないかと思えてしまいます。

その頃玉鬘の実の父、内大臣も、夢占でかつて夕顔との間にもうけた娘が他人の養女になっているだろうと告げられその行方を捜しています。内大臣とは、最初のころに頭中将として登場していた源氏の友人であり、ライバルであった人です。頭中将は葵の上の兄であり、源氏にとっての義理の兄でもあります。

源氏は頭中将の妻であった夕顔と関係を持ち、頭中将と夕顔の子どもの玉鬘に言い寄っていくわけですから、やっぱり異常です。
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源氏物語を読む㉔「胡蝶」

2025-02-01 07:39:32 | 源氏物語
「源氏物語を読む」シリーズの24回目、「胡蝶」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

晩春。源氏は六条院の春の町で船楽を催しました。秋の町からも秋好中宮方の女房たちを招きます。夜も引き続いて管弦や舞が行われます。源氏の弟の兵部卿宮は玉鬘にご執心で、源氏にぜひにも姫君をと熱心に頼みます。

夏になり、玉鬘の下へ兵部卿宮、髭黒右大将、柏木らから次々と求婚の文が寄せられます。ここからが流石に源氏。本人がそれに興奮したのか、玉鬘への思慕を押さえがたくなってしまいます。ある夕暮れにとうとう想いを打ち明け、添い寝してしまうのです。これはさすがにひどい。玉鬘は困惑してしまいます。

実際に肉体関係まで及んだのかはここを読んでいる限りはわかりません。後の展開から正解は得ることができるようなのですが、それにしてもこの男、やりすぎです。

さて、ここから玉鬘は誰と結ばれるのかという、恋愛ドラマが始まります。
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源氏物語を読む㉓「初音」

2025-01-29 07:57:27 | 源氏物語
「源氏物語を読む」シリーズの23回目、「初音」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

この章段は、人物の整理をしているように感じます。六条院の現状紹介と、いよいよ中年を迎えた源氏と、かつて愛した女性も少し年を取り始め、容貌や物腰に変化が表れてきていることが描かれます。

光源氏36歳の新春。源氏は正月なので、六条院の各屋敷を巡ります。春の町で紫の上と新年を祝います。その後、花散里の所にあいさつにいきます。そこで玉鬘にも会います。夜は明石の姫君の所に行きます。紫の上は気分を害します。翌日は末摘花や空蝉を訪問します。空蝉は忘れたころの登場で、ちょっとびっくりです。

とりたてて何かが起こる章ではないのですが、さまざまな人物関係が整理されて、これから何かが起こりそうだという気がしてきます。

源氏物語は紫上系と玉鬘系の2系列があるとの学説があり、今日ではそれは認められている状況です。紫上系は本編であり、玉鬘系はそのスピンオフのようなストーリーで、おそらく後から付け加えられたものと考えられます。

以下の巻が玉鬘系に含まれるとされています。
2帚木、3空蝉、4夕顔、6末摘花、15蓬生、16関屋
玉鬘十帖(22玉鬘、23初音、24胡蝶、25蛍、26常夏、27篝火、28野分、29行幸、30藤袴、31真木柱)

玉鬘系は、光源氏との関係が限られたものであり『源氏物語』全体のストーリーと絡みません。また描かれている光源氏の恋愛の対象となる主要な女性が紫上系で描かれている「上の品の女」より身分の低い「中の品の女」です。

このことを理解していると『源氏物語』は整理しやすいようです。

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源氏物語を読む㉒「玉鬘」

2025-01-26 16:22:03 | 源氏物語
「源氏物語を読む」シリーズの22回目、「玉鬘」です。自分の備忘録として書き残しておきます。2年以上間が空いてしまいました。情けない。なんとか頑張って続けて行きたいです。

亡くなった夕顔の娘が見つかります。名前は玉鬘です。母の死後、幼いころに乳母一家に伴われて筑紫へ下国し、20歳になっています。乳母はすでに死んでいます。その美しさのために肥後の豪族大夫監に強引に求婚されます。乳母の長男の豊後介は、玉鬘を船で京に連れて逃げます。そこでかつて夕顔の侍女であり、今は源氏に仕える右近に再会します。源氏が夕顔の娘をさがしていたので、右近は源氏の所に来るように言います。

六条院では玉鬘は親代わりとして花散里に面倒を見させます。花散里は柔和で温かい性格で、玉鬘と初めて出会ったときからお互いに親しみを感じ、すぐに打ち解けます。花散里の優しさと包容力は、玉鬘にとって大きな支えとなり、彼女の新しい生活において欠かせない存在となります。

夕顔と源氏は関係を持ったのですが、実はそれ以前に夕顔は当時の頭中将と関係を持っており、玉鬘は頭中将と夕顔の子です。ですから源氏とはなんの血のつながりもありません。このあたりが波乱の要素になってくるのです。

六条院にたくさんの女性をかこっている源氏にとってはちょっと渋滞気味のような気もします。そこで視点を変えて玉鬘を中心に物語を進めていったのかもしれません。
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