「源氏物語を読む」シリーズの21回目、「乙女」です。自分の備忘録として書き残しておきます。
源氏と葵の上の息子夕霧が、元服を迎えました。しかし源氏は夕霧を敢えて優遇しません。六位にとどめて大学に入れます。厳しい教育パパになっています。
同じ年、源氏の養女斎宮女御が冷泉帝の中宮になります。源氏は太政大臣に、右大将(頭中将)は内大臣になります。
内大臣は、娘の雲居の雁を東宮妃にと期待をかけるのですが、彼女は共に育った幼馴染の従兄弟・夕霧と密かに恋仲になっていました。(このあたりのことは言葉を濁しながら書いているという感じで、読んでいてもよくわかりません。)これに内大臣は激怒します。夕霧と雲居の雁のふたりはもとのようには一緒に過ごすことはできなくなります。
ここから夕霧の優柔不断の性格が出てきます。いろんな人を次から次へと好きになるのですが、うまくことが運びません。父親のスーパーマンぶりに対して、息子は現実の壁にぶつかり苦労しています。なんでこんなに差をつけるのでしょうか。物語の展開が読めなくなってきます。
この光源氏から夕霧への変化は、「物語」から「小説」への流れがあるのかもしれません。
その後、夕霧は進士の試験に合格、五位の侍従となります。
源氏は六条に四町を占める広大な邸(六条院)を完成させます。東南の邸を春の町にして紫の上が住み、西南の邸を秋の町としてを中宮の里邸とします。北西の冬の町に明石の御方、北東の夏の町に花散里が住みます。わがままな源氏が自分の都合のいいようなお屋敷を作り上げてしまいました。こんなことが許されていいのだろうかなどと現代の私なんかは思ってしまいます。