映画『パリタクシー』を見ました。波乱の人生を送った女性が、年老いて死を覚悟して高齢者施設に移る。その時に乗ったタクシー運転手との数時間の出来事を映画です。私の好きなタイプの映画でした。
老女の波乱の人生がおもしろい。もちろんおもしろいと言ってはいけないような悲惨な出来事だらけなのですが、しかし人生の流転に引きつけられます。男の股間を焼いてしまうのは、ジョン・アービングを感じておもしろかった。老女の悲しくも思い出深い人生が心を動かします。
一方ではキックボードの乗った男ににぶつけられたり、タクシーの運転手があやうく信号無視でキップをきられそうになったり、狭い道で駐車して大渋滞になりながら余裕を見せたり、小さなストレスが次々と襲い掛かる中で仕事をしている姿に、リアリティを覚えます。
最初、90分という短い映画なので深刻な芸術系の映画なのかなと思っていましたが、波乱万丈で、感動的な映画でした。
ただし最後の101万ユーロはいけません。結局は金で解決されてしまったような感じがしてちょっと覚めてしまいました。