とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

劇評『才原警部の終わらない明日』(福田雄一作・演出)

2016-08-29 09:17:10 | 演劇
 WOWOWで観劇しました。堤真一主演。他に小池栄子、勝地涼、清水富美加、鈴木浩介、池谷のぶえ、上地春奈、志賀廣太郎、など芸達者な役者がたくさん出演しています。
ばかばかしくて楽しい芝居です。しかし正直言って9000円のチケットを買うほどの芝居ではないと私には思えます。

 ばかばかしい内容の芝居を否定しているわけではありません。30年くらい前小劇場ブームだったとき、ばかばかしくて笑える芝居がたくさんあり、劇場はとても盛り上がっていました。あれがあったからこそ、日本に演劇が広まったのだと思います。その後しかめっ面芝居だらけになってしまって、演劇にパワーがなくなりました。演劇が一般に広まらなくなったような気がします。だからばかばかしくておもしろい芝居は必要ですし、私は大好きです。

 しかしこの芝居は薄っぺらすぎるような気がするのです。脚本がまるで学生演劇です。役者さんが芸達者な人たちですのでなんとかもっているように感じられます。

 この状況に私は危機感を感じてしまいます。演劇の人材が全然育っていないのです。小劇場ブーム以降の若い人が全然演劇に向かなくなってしまったのです。脚本家も演出家もまったく育っていないのです。

 そういう意味では、この演劇もたくさんの人を劇場に運ばせてくれ、さらに笑いによって演劇の敷居を低くしてくれるので、意欲的な作品だともいえます。しかしだったらチケット代は5000円以内にしてください。まあ私はWOWOWで見たので偉そうなことはいえませんが。
コメント
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