とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『偏差値好きな教育”後進国“ニッポン』(増田ユリヤ・池上彰著)

2017-12-30 17:44:23 | 読書
 今日の日本の教育を、他国の先進的な取り組みを紹介する形で振り返る本です。アクティブラーニングブームなどが巻き起こり、センター試験が大きく変化しようとしていて、日本の教育も大きく変わりつつある中、参考になることがたくさんあります。

 外国のいじめの問題が紹介されています。そしていじめをなくす努力としてどういうことがおこなわれているか、考えさせられます。フィンランドの原子力発電の教育も参考になります。日本でももっと取り組んでいくべきことだと思います。

 とは言え、諸外国はさまざまな人種がいる中で築き上げてきたという経緯の中で教育改革がなされ、答えのない答えを求める教育が育ってきたのです。それに対して、日本はほとんど人種的な対立がないという状況です。だから前提になっていることが違いすぎるのです。江戸時代に寺子屋がはじまるなど、日本は日本で教育はそれなりに伝統があり、いい面がたくさんあります。外国の紹介はいいのですが、日本の伝統をおろそかにしたのでは改革は失敗するのはあきらかです。

 日本にはこれから他の人種が流入してくるのは必然です。これからが本当に日本の教育力がためされるのだと思います。日本のいい伝統は残して生かしつつ、凝り固まって見えなくなっていたことを外国に学ぶ、そんな真の教育改革を目指してほしいと思います。
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書評『カラマーゾフの兄弟4』

2017-12-29 06:46:49 | 読書
 今年の目標の一つが『カラマーゾフの兄弟』を読破することでした。そして今日なんとか読み終えました。「3」を読み終えたのが8月15日。そこで余裕があったので、「4」を読み始めるのが遅くなり、結局今年のぎりぎりになってしまいました。でも目標達成です。とはいいながら、読み飛ばしてしまって細かいところがよくわからないままのところが多くあります。

 第10編「少年たち」がよくわかりませんでした。この章には何の意味があったのか。

 第11章「兄イワン」は精神を病んでいくイワンの物語です。スメルジャコフのイワンに対する告白と自殺は迫力があります。スメルジャコフという人物はなんだったのか、そしてイワンの存在の意義は。心理小説であり、現代ではサスペンススリラーと名付けられるようなおもしろさがありました。

 第12章「誤審」はすばらしい裁判小説です。裁判に凝縮されたロシアが描かれています。何を描こうとしたのかすぐにはわからないが、ひとつの家族を描きながら、社会全体を描くスケールの大きな小説でした。

 しかし一度だけでは何がなんだかわからないというのも事実です。できるだけ近い将来にもう一度読んでみたい小説です。
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「あがく」こと(『先に生まれただけの僕』より)

2017-12-28 08:23:13 | TV
 今期のドラマ、『先に生まれただけの僕』の最終回で鳴海校長先生が生徒に言ったセリフを紹介します。とても示唆的ないいセリフです。

 みんなに未来を見通す力はありません。そもそも君たちが何かをするまで、未来なんて存在しない。だから君たちができることは「あがく」ことだけです。

 不思議なもので、あがいて進んでいくと見えてくる景色があります。やってみないとわからないことが山ほどある。いや、やってみないとわからないことしかないと言い切ってもいいかもしれません。だからなんでもやってみよう。冒険してみよう。冒険しても文句を言う人はいません。うらやましがる人は山ほどいるかもしれませんがね。


 最近の学校教育は「あがく」ことをあまりさせなくなっているのではないかと感じています。教師がすべてを用意して、生徒はそのレールに乗るだけのような気がするのです。これでは生徒は未来に対応することはできても、未来を作り出していくことはできません。世の中は現状を守る方向にしかすすまず、それは長い目で見れば、大いなる破滅にすすんでいくだけになります。

 もっと、あがいてみよう。もう若くはない私に一番響くセリフでした。
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「陸王」は期待以上だった

2017-12-26 06:43:06 | TV
 「陸王」の最終回を見ました。感動的で気持ちがすっきりとするすばらしい結末でした。「半沢直樹」や「下町ロケット」など池井戸潤さん原作のこのシリーズの中でも、「陸王」は秀逸のドラマであったと思います。

 小さな企業はいつも危機の中で生きています。今はちょっとでも気を抜けばすぐに倒産の危機がある。一方では下請けとしての理不尽な要求をのまなければならないときもある。そんな中で「こはぜ屋」は意地と努力と人情で苦境を乗り越えていきました。様々な苦難を乗り越える過程で、人間のすばらしさを感じさせてくれます。

 このドラマはすばらしい役者を揃えました。役所広司さんや寺尾聰さんはさすがと思わせるベテランの演技でした。若手の山崎賢人さんや竹内涼真さんも前向きな強さをしっかりと演じていました。芸達者な役者さんたちの中に、役者が本職ではない阿川佐和子さんや松岡修造さんが加わっていたが、ふたりとも役者が本職と言ってもいいくらい味のあるすばらしい演技でした。また、市川右團次さんがテレビ界でのブレイクまがいなしの好演でした。

 「陸王」は期待していたドラマでしたが、期待以上のものでした。
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フィギュアスケートは選手寿命が短すぎる

2017-12-25 07:08:33 | スポーツ
 テレビで フィギュアスケートの「全日本選手権」を見ながら考えていた。女子選手はほとんどが10代、男子も20代前半までである。さすがに選手寿命が短すぎる。

 なぜ選手寿命が短いのか。これは現在のフィギュアスケートが、ジャンプによって評価が最重要になっているからだ。女子選手の場合、ジャンプ力をつけようとすれば筋肉がついてしまい、体重が増える。体重が増えればさらにジャンプするために筋力をつけなければならず悪循環に陥ってしまう。減量しながら筋力をつけるのは厳しい。だから体が大人になる前に現役引退ということになってしまう。これは本当にいいことなのか。

 フィギュアスケートの未来のためにはあらたな種目を考えてもいいのではないか。今の競技はそれはそれでよいとして、ジャンプ力の必要がない芸術性と技術だけを採点基準とする種目があってもいい。そうすれば選手寿命が伸び、もっと世界的に人気がでるスポーツになるように感じられる。

 昔フィギュアスケートの最初の日に「規定」という技術だけの日があり、それが得点の一部になっていた。技術の正確性をしっかりと見ていた時代があったのだ。時代に合わせて柔軟に変化する勇気のある競技である。新たな展開があってもいいと私は考える。

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