とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『論文の教室』(戸田山和久著)

2016-08-23 08:23:38 | 読書
 地味な本ですが、大学生に売れてロングセラーになっている本です。日本では論理的な文章を書く教育がなされていません。ですから勉強になります。しかし、本当はこういう内容を学校教育の中で教えることではないのかと思います。

 日本では小学校で作文教育を行う伝統はあるのですが、中学校、高校で小論文を書く指導はしっかりとはなされていません。国語の授業で読解の授業はなされています。しかし論文を書く指導はほとんどなされないのです。この一番大きな原因は国語教師が論文を書く教育を受けてこず、論文を書く指導の方法がわからないからです。高校まで論文を書く指導を受けてこなかった大学生がいきなりレポートを書け、卒論を書けと言われるので、この本が売れるのです。高校の国語教師としては情けなく恥ずかしい気持ちになります。

 日本語の文章は書き手指向でした。書き手の自己満足で終わってしまうことが多いのです。しかし、それでは文章の意味をなしません。これからは読み手指向の文章指導をしなければなりません。この本に書かれているように、パラグラフライティングの書き方をを国語教育の中に位置づける必要があると思います。
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