とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「世界をつくり替えるために」

2022-05-25 07:44:00 | 国語
 東京書籍の『精選現代文B』の冒頭に小林康夫氏の「世界をつくり替えるために」という教材がある。来年から新課程になるため教科書が変わり、東京書籍の『精選論理国語』からは外れているようであるが、やさしめの『新編論理国語』には残っている。小林康夫氏は東京大学の先生をしていた哲学者で、東大の教養学部の教科書『知の技法』を作った人である。この「世界を作り替えるために」という教材も、高校生になぜ学ぶのかを考えさせる教材となっている。この教材を「クリティカル」に読んでみたい。(といいながら、まだ私は「クリティカル」の意味が本当はどういう意味なのかがよくわかっていない。)

 この教材のあらすじは次の通りだ。

(第一段落)
・みなさんは自分と世界の間に宿命的なズレを感じることがあるはずだ。

(第二段落)
・人間は他の動物とは違い、ものごとを対象化し、他の動物にとっては「当たり前」であることにも、違和感を覚え宿命的なズレを感じる。
・だから人間は世界を学び、世界を自分に合うように作り替えなければならない。
・学ぶことには二段階ある。自然を学ぶことが第一段階であり、自然を学んだ人間がつくりだしたものを学ぶことが第二段階だ。この第二段階のために学校がある。

(第三段落)
・学ぶことの第一歩は、好き嫌いの感覚を停止して、考えること。もう一つのポイントは、全体を見ること、それと同時にその中の特異点ををつかみ、全体をもう一度作り直すこと。

(第四段落)
・世界と自分の間に感じられるズレの中に未来の「種」がつまっている。考え抜き、心の中に「種」を宿しておくことが今は大切だ。

 (つづく)

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山形県の政治停滞

2022-05-24 21:03:28 | 山形新幹線
 夏の参院選山形選挙区が揺れている。自民党は、当初与党への接近を強めている国民民主党の現職、舟山康江氏を支援し独自候補擁立を見送る構えだった。しかしここに来て一転して公認候補を擁立する方針を固めた。これは山形県の特殊な事情が大きく影響している。
 
 現在の山形県知事は吉村美恵子氏である。吉村美恵子氏は野党系の候補であった。この知事は亡くなった元山形市長の親戚であり、吉村一族は山形では有名な政治一族である。吉村美恵子氏はその中でも柔らかいイメージの人であり、敵をつくらなそうな人だった。だからこそ当選した。

 当初は害のない人という印象だった吉村美恵子知事だが、ここに来てさまざまなことで自民党と軋轢を生むようになってきた。この知事のせいなのか、それとも一族のせいなのか、それとも自民党のせいなのか、ここでは触れないでおく。

 ただし、私の印象としては吉村一族は「山形県の自民党」である。今は権力を持ちすぎている。野党というイメージはもうない。最近の吉村知事は聞く耳を失っているに感じられる。吉村知事の政治は自分勝手な印象が強くなってきた。保守的な山形県民は吉村一族にすりよるようになる。自民党はそれに反発し、吉村知事は自民党を遠ざける政策をとる。現在自民党は吉村美恵子氏に対して明らかに対立姿勢を明確にしている。舟山康江氏は吉村知事と共闘している。だから自民党は舟山氏を支援するわけにはいかないのだ。

 実は私の知っている情報でも、きな臭いものまで含めて本当に大丈夫なのかと思われるものがある。どうも山形県政はうまくいっていないように見える。

 山形県は今、大変な経済的な危機にあるように思われる。県都、山形市ですら中心商店街がシャッター通りとなりつつある。もはや政治の停滞はゆるされない。山形県の政治がよくなることを期待する。
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4630万の男にだって人権がある

2022-05-20 12:18:55 | TV
 山口県阿武町が誤って振り込んだ新型コロナ対策の臨時特別給付金4630万円をだまし取ったとして23歳の男が逮捕された。その容疑者についてTBSが容疑者の小学校のアルバムを紹介した。「もしもタイムマシンがあったなら」という質問に「ロト6のばんごうをみらいにみにいく」と書いていたという。さらに今日の朝のテレビ朝日の番組でもこの話題が紹介され、これを根拠にこの容疑者はお金に執着するとまで言っていた。この報道は何なのだ。小学校時代に書いたことを根拠に、その人の人間性を決めつけるなんてありえないことだ。いい加減にいい加減にしてほしい。

 百歩譲って、この容疑者が極悪な犯罪者ならばまだありうる報道かもしれない。しかしそもそもは町のミスが発端だったわけだし、警察の聴取も受け、さらに反省し返却するとも言っているのだ。ここまでこの容疑者を追い詰めるような報道をする必要があるまい。犯罪者だって人権がある。この報道はあきらかに人権問題である。

 視聴率がとれる話題であるために、この話題で何とか引っ張ろうとするテレビ局の姿勢にはうんざりさせられる。もっと大切なニュースがたくさんある。地味だけど報道すべき問題がたくさんある。こういう報道姿勢が政治をゆがめ、教育をゆがめていくのだ。

 こんな情けない状態だから、今やテレビなんか誰も見ようとしない。ゆがんだ悪循環を断ち切る努力をすることから再出発してほしい。
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新国立劇場で『ロビー・ヒーロー』を見ました。

2022-05-16 12:35:40 | 劇評
 映画『マンチェスタ・バイ・ザ・シー』の脚本で知られるケネス・ロナーガンの戯曲作品『ロビー・ヒーロー』を見ました。「うそ」はどこまで許されるのか。そもそも「うそ」とは何か。「うそ」を生み出す「空気」とは何か。そして人間の弱さと強さを考えさせられる映画でした。アメリカでもやっぱり「忖度」ってあるということがわかります。

【作】ケネス・ロナーガン
【翻訳】浦辺千鶴
【演出】桑原裕子
【出演】中村 蒼、岡本 玲、板橋駿谷、瑞木健太郎

【あらすじ】
ニューヨークのマンションのロビーに警備員のジェフが働いている。真面目で向上心のある上司ウィリアムは、弟が殺人罪に問われて心配していた。見回りに来た有能な警察官ビルと相棒の女性新人見習いのドーン。ふたりは男女の関係に発展しそうである。ビルはとあるマンションの部屋に用があると言ってエレベーターを上る。ロビーで待っているドーンに、ジェフはビルの訪問先は女性だと口を滑らしてしまう。動揺したドーンは、勤務時間中の行動を上に報告するとビルに噛みつくが、本採用させないぞと逆に圧をかけられてしまう。
翌日。弟のアリバイを偽証したウィリアムに対して、自分が何をすべきか悩むジェフ。ドーンは本当のことを話すのがあなたの責任だと説得する。しかしウィリアムはそれに対して反論する。

 この作品ではニューヨークの警察が戯画化されています。女性は差別され、男性職員の性的な対象となっています。実際にはそこまでひどいことがないのだとは思いますが、現実の社会ではまだまだそういう「空気」は残っていても不思議はない。そして単なる警備員は警察官から差別されます。警備員は底辺で生きる人間だという「空気」が現実にはあるのです。今日でも黒人差別が消えないアメリカの現実がそこにはあります。

 差別が歴然とある社会の中では自分は自分で守らなければなりません。警備員の上司の弟に凶悪犯の容疑がかけられます。弟が本当に犯罪を犯したのかははっきりしません。また底辺社会の住民を弁護士が本気で弁護しません。そこで警備員の上司は、犯行が行われた時間、弟は自分と一緒にいたと証言してしまいます。弟のために嘘をついてしまうのです。確かに嘘はいけません。しかし差別が明確な社会の中で、これはしょうがないことなのではないか。それが嘘をついた理由です。

 いびつな社会では嘘が横行します。真実が見えない社会の中で我々は生きています。それを思い知らされる劇でした。

 あまり期待していなかったのですが、とてもおもしろい演劇でした。
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「日銀は政府の子会社だからいくら国債を借り換えてもかまわない。」?

2022-05-15 06:30:30 | 政治
 安倍晋三氏が「日銀は政府の子会社だ」と発言したという。だから「60年の満期が来たら毎回借り換えていい。」とまで言ったという。本当だろうか。私には国がサラ金に頼ってもいいと言っているような無責任極まりない発言のように思われる。

 この発言、藤井聡氏などの経済学者の主張のようである。それを安倍氏は根拠にしている。だからそれなりに自信をもって安倍氏は言ったのだろう。しかし、そんなに簡単に借金を増やしていいはずがないというのが、「常識」である。この理論にはどこかに無理があるはずだ。

 論理の間違いがどこにあるのかを見極めればいい。安倍氏の発言の中で、「日本の国債は今でも信認されている。」の部分がどうもあやしい。今はまだ信頼されているかもしれない。しかし円安が進んでいるし、これ以上借金が増えていけば一気に信頼は失われる。今は大丈夫でも、将来まで日本が信じられているかなんてわからない。そうなれば日本が破綻する。

 安倍氏の発言に対してきちんと経済学者が集まって議論してほしい。この理論が本当に正しいのか、それとも危険性があるのかを明確にすることが大切である。あいまいにしないでほしい。そしてアベノミクスの総括をしっかりとやってほしい。
コメント (1)
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