とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

源氏物語を読む⑯「関屋」

2022-12-02 08:37:30 | どう思いますか
 「源氏物語を読む」シリーズの16回目。「関屋」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

 「関屋」は「蓬生」と同じようにスピンオフのような作品です。出てくる女性は「空蝉」。非常に短い巻です。

・「空蝉」
 「空蝉」は伊予介の後妻です。伊予介との年齢差があり、息子や娘とほとんど同じ年代だったようです。「空蝉」は光源氏の愛を一度は受け入れたのですが、それ以降は受け入れなかった女性です。「受け入れなかった」というよりも「受け入れたかったがそれができなかった」と言うべきなのかもしれません。夫を裏切れなかったのです。当然と言えば当然です。

・逢坂関
 源氏が明石から帰京した翌年、夫である常陸介(元伊予介)が任期を終えて、空蝉と共に戻ってきました。石山寺へ参詣途中の源氏は逢坂関で、空蝉の一行に巡り会います。逢坂関は出会いと別れの象徴の場所です。偶然に久しぶりに出会う二人は、またこの場で別れるのですが、しかしこの出会いがなければ次の再会もなかったことでしょう。地名が「物語」を作る要素になっています。

・紫式部がモデル?
 まもなく常陸介が亡くなります。一人残された空蝉は腹違いの息子である河内守に言い寄られます。それが嫌で出家してしまいます。空蝉は紫式部をモデルにしているという説もあります。確かにそういう面はあったのだと感じます。
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映画『アフター・ヤン』を見ました。

2022-11-28 07:54:21 | 映画評
 コゴナダ監督作品、映画『アフター・ヤン』を見ました。ロボットを描くことで、人間とは何かを考えさせる、詩的な映画でした。

 舞台となっているのは、近未来というにはもう少し遠い未来です。人間と見分けがつかないようなロボットがいる世界です。そんなロボットのヤンが突然動かなくなってしまいます。

 「家族」はヤンが再び動き出すこをを願い、修理(治療?)できないか奔走します。しかしそれがむずかしいことがわかってきます。するとヤンが見ていたものが情報として残っていたことがわかります。ヤンは自分の「意志」で動いていたとしか思えない「記憶」を残していました。いったいこれはなんだったのでしょう。

 ヤンは人種としてのこだわりを持ち、クローンに対するやさしさを持ち、家族を大切にします。人間としてのつながりを一番に考えるロボットだったのかもしれません。

 ヤンの「死」を受け入れるにしたがって、人間としての暖かさを感じる。そんな不思議な魅力のある映画でした。
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源氏物語を読む⑮「蓬生」

2022-11-27 13:34:45 | 源氏物語
 「源氏物語を読む」シリーズの15回目。「蓬生」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

・追加情報の巻
「澪標」は源氏物語の第一部のまとめであり、第二部の始まりという位置を占めています。そのころのことを描いてはいるのですが、後から付け足したような巻がこの「蓬生」です。登場する女性はあの末摘花。「末摘花」の巻もスピンオフのような巻でしたが、この巻もその流れで存在しています。つまり後から付け足したようなお話なのです。

・不思議な女性、末摘花
 末摘花は美しいわけでもないし、華やかさもない。古風でおとなしだけの女性です。人並ではないとまで「語り手に」言われてしまいます。なぜか源氏からは通われていたのですが、その理由もよくわからない。源氏が須磨に去ったころから、周りの女房達もみんな、逃げるように去っていき、家は荒れ放題。それでもかたくなに源氏を待っています。けなげと言えばけなげなのですが、なぜこの女性が「源氏物語」の
中で、わりと大きな位置をしめるのかが本当にわかりません。むかしの少女マンガのような設定が当時も受けていたのでしょうか。

・「語り手」も特殊
 この巻は「語り手」も特殊に思えます。末摘花を馬鹿にするような語り方をしているようにしか思えません。

・まだまだ「末摘花」の物語は続く
 この後、源氏によって末摘花は二条院の東の院に移ることになります。まだまだ末摘花の物語は続きます。不思議な女性です。
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不正が当たり前になっている世界では、まともな人間が自分を保てない

2022-11-25 16:48:49 | 社会
 関西の大手企業社員である28歳の男性が、企業が採用のためインターネット上で実施している「適性診断テスト」に、謝礼を受け取って替え玉受験していたとして逮捕された。この事件にはさまざまな論点があるのはわかる。しかし一番大きな問題は、この事件について、こういう犯罪行為も当たり前のように行われていた、というようなことを言う人が見られることである。不正があるのは知っているが、それを悪いことだと思っていないという人がかなりの数いるということだ。

 こういう感覚は、相次いで辞任した大臣たちにも共通するものだ。悪いことは悪いがみんなやってることなんだからしょうがない。そんな気持ちで不正を行っていた。いざ、表沙汰になってしまうと、誰も守ってくれなく、袋叩きに会う。

 オリンピックの不正問題も同じだ。この程度の不正は日本では当たり前だし、どこの国だって誘致に莫大な裏金があるんだからしょうがない、という感覚なのだ。

 これだけ不正が当たり前になっている世界では、正しいことをする人間は愚かに見える。ここまで乱れた社会では、まともな人間が自分を保てなくなる。
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源氏物語を読む⑭「澪標」

2022-11-22 08:10:09 | どう思いますか
 「源氏物語を読む」シリーズの14回目。「澪標」です。自分の備忘録として書き残しておきます。またまた中断してしまいました。我ながら本当に情けない。とは言え、今後も続く自信ありません。頑張らなければいけません。

・まとめの巻
 「須磨」「明石」と続いた激動の展開が終わり、京に戻ってきた源氏が権力を握り、さまざまな問題が解決していく様子、あるいは自然と解決してしまう様子が描かれます。しかし一方では新たな展開の「種」をまき散らします。

・権力を得る源氏
 朱雀帝は東宮が元服を迎えたのを期に、位を退き冷泉帝へ譲位しました。この東宮というのは実は源氏と藤壺の息子です。つまり源氏は天皇の親になりました。表向きは亡き桐壺院の子息なので、帝の親としての権力を得るわけではありませんが、源氏は桐壺院に代わる親代わりとして力を得ることになります。源氏は見事に復権します。物語の展開が見事です。

・明石の姫君との関係
 明石の姫君との関係は簡単にはうまくいきません。明石の姫君は源氏の愛情を信じきれなく、悩み苦しみながら生活を続けます。源氏はそれに気が付き何とかうまくいくようにします。しかしそう簡単には事は運びません。このあたりの気の使い方は女性ならではの視点が生かされています。明石の姫君の今後とその娘の今後が今後の展開の「種」になりそうです。


・六条御息所の死
 六条御息所の死も大きな物語の終わりを印象付けます。とは言え斎宮がこれからどうなるのかが気になります。これも「種」になりそうです。

・少し落ち着いてきた源氏。
 この巻では源氏自身が落ち着いてきたと言っています。大人としての分別も垣間見えます。しかし源氏の落ち着きを信じていいのでしょうか。ある意味ではこれも「種」です。

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