NEC(日本電気)特別顧問の広崎膨太郎さんがお話しされた、若手博士人財に期待する人物像論を拝聴しました。広崎さんは、NECの知的資産事業本部をつくられた方で、昨年6月まで代表取締役副社長などを歴任された方です。
1月13日午後に、東北大学は川内キャンパスにある萩ホールで「高度イノベーション博士人財育成シンポジウム」を開催しました(ここでは「人材」はすべて「人財」と表記します)。このシンポジウムは、これからは日本でも研究開発や新事業起こしのプロジェクトリーダーなどを博士号を持つ人材が務め、イノベーション創出を図るという仕組みをつくりたいということを訴えるものです。自分が目指す目標を自ら設定し、その成果を厳しく自己評価するなどの能力を学んだ博士課程の学生を、“近未来のプロジェクトリーダー”に据えることで、イノベーション創出を図るという構図です。
同シンポジウムの基調講演では、広崎さんが「C&C技術がこれから進むべき道と若手博士人財の役割」をお話になりました。
NECは日本の中では、研究開発に力点を置いている企業の一つだと思います。そのNECでは、2010年4月に東京工業大学大学院で博士課程を修了した遠藤信博さんが代表取締役・執行役員社長に就任しました。日本では、いわゆる論文ドクターではなく、学生として博士課程で研究のやり方などを学んだ方が社長になるケースはまだ少ないのが現状です。NECは、問題を解決するやり方を博士課程で身につけた方をトップに据えました。その理由は「イノベーション推進のリーダー役に博士課程修了者を据えるという態勢改革に着手した結果」と、広崎さんは説明します。
NECは2017年に実現する「グループビジョン2017」を策定し、長期の研究で実現するビジョン・基本方針を3点、社員全員に示しました。NECは今後こんな社会を築きたいと宣言した訳です。
一つ目は「シンバイオシス(symbiosis)」というキーワードが示すもので、「人間とさまざまな生物が共に生きる共生を実現する」という意味のようです。地球上では、人を含むさまざまな生物やIT(情報技術)、社会などが、さまざまな関係を持ちながら、互いに絶滅せずに調和を保って共存することを示しているようです。
二つ目は、ディペンダブル(dependable)というキーワードです。複雑化した社会インフラを停止させないことが必要条件になります。「自立的自己修復的な動作を示し」、安心・安全に暮らせる技術です。三つ目は、エコロジー(ecology)です。地球規模でのエコシステムを築き、高度に制御していくことになります。この三つは、NECが2017年までに実用化したいと考えているものです。「NECにとってこれから何をするかという“what”を示したもの」といいます。
広崎さんは、複雑化し深まっていく情報社会をこれから築くには、その研究開発や事業化を牽引するリーダー役には「第一には、世の中の現象を可視化する能力と、第二には大量の情報をきめ細かく処理できる能力が必要だ」と説明されました。これからのリーダー役を務める博士人材は、世の中を良くするための課題に対して、社会課題を観察し、クライアント(顧客)が求めているものを分析するなど、「世の中の動きや経営、事業、技術、知的財産などを読んで理解できる複眼思考を持つようにしてほしい」と、説明されます。グローバルな視点を持ち、経営視点の論理思考や構想力を身につけた人材がリーダー役に適しているからといいます。博士課程ではこうしたことを身につけやすいと考えています。
持続可能な社会の実現に向けては「博士課程を修了した人財が、イノベーションの推進役を果たすには、知の想像力、価値の想像力、実践・知行合一(ちこうごういつ)の三つを兼ね備えてほしい」と、広崎さんは力説します。これからのグローバル競争では、優れた若手人財がイノベーション創成の担い手を果たすことが重要になると説きます。
最近の企業は「即戦略になる新人がほしい」といっているようです。日本がイノベーション創成能力を高めるにも、現在、大学院の博士課程で学んでいる学生の方々に、日々研鑽(けんさん)に励んでいただきたいと思います。かなり厳しいことをお願いしていることは、重々承知していますが。
1月13日午後に、東北大学は川内キャンパスにある萩ホールで「高度イノベーション博士人財育成シンポジウム」を開催しました(ここでは「人材」はすべて「人財」と表記します)。このシンポジウムは、これからは日本でも研究開発や新事業起こしのプロジェクトリーダーなどを博士号を持つ人材が務め、イノベーション創出を図るという仕組みをつくりたいということを訴えるものです。自分が目指す目標を自ら設定し、その成果を厳しく自己評価するなどの能力を学んだ博士課程の学生を、“近未来のプロジェクトリーダー”に据えることで、イノベーション創出を図るという構図です。
同シンポジウムの基調講演では、広崎さんが「C&C技術がこれから進むべき道と若手博士人財の役割」をお話になりました。
NECは日本の中では、研究開発に力点を置いている企業の一つだと思います。そのNECでは、2010年4月に東京工業大学大学院で博士課程を修了した遠藤信博さんが代表取締役・執行役員社長に就任しました。日本では、いわゆる論文ドクターではなく、学生として博士課程で研究のやり方などを学んだ方が社長になるケースはまだ少ないのが現状です。NECは、問題を解決するやり方を博士課程で身につけた方をトップに据えました。その理由は「イノベーション推進のリーダー役に博士課程修了者を据えるという態勢改革に着手した結果」と、広崎さんは説明します。
NECは2017年に実現する「グループビジョン2017」を策定し、長期の研究で実現するビジョン・基本方針を3点、社員全員に示しました。NECは今後こんな社会を築きたいと宣言した訳です。
一つ目は「シンバイオシス(symbiosis)」というキーワードが示すもので、「人間とさまざまな生物が共に生きる共生を実現する」という意味のようです。地球上では、人を含むさまざまな生物やIT(情報技術)、社会などが、さまざまな関係を持ちながら、互いに絶滅せずに調和を保って共存することを示しているようです。
二つ目は、ディペンダブル(dependable)というキーワードです。複雑化した社会インフラを停止させないことが必要条件になります。「自立的自己修復的な動作を示し」、安心・安全に暮らせる技術です。三つ目は、エコロジー(ecology)です。地球規模でのエコシステムを築き、高度に制御していくことになります。この三つは、NECが2017年までに実用化したいと考えているものです。「NECにとってこれから何をするかという“what”を示したもの」といいます。
広崎さんは、複雑化し深まっていく情報社会をこれから築くには、その研究開発や事業化を牽引するリーダー役には「第一には、世の中の現象を可視化する能力と、第二には大量の情報をきめ細かく処理できる能力が必要だ」と説明されました。これからのリーダー役を務める博士人材は、世の中を良くするための課題に対して、社会課題を観察し、クライアント(顧客)が求めているものを分析するなど、「世の中の動きや経営、事業、技術、知的財産などを読んで理解できる複眼思考を持つようにしてほしい」と、説明されます。グローバルな視点を持ち、経営視点の論理思考や構想力を身につけた人材がリーダー役に適しているからといいます。博士課程ではこうしたことを身につけやすいと考えています。
持続可能な社会の実現に向けては「博士課程を修了した人財が、イノベーションの推進役を果たすには、知の想像力、価値の想像力、実践・知行合一(ちこうごういつ)の三つを兼ね備えてほしい」と、広崎さんは力説します。これからのグローバル競争では、優れた若手人財がイノベーション創成の担い手を果たすことが重要になると説きます。
最近の企業は「即戦略になる新人がほしい」といっているようです。日本がイノベーション創成能力を高めるにも、現在、大学院の博士課程で学んでいる学生の方々に、日々研鑽(けんさん)に励んでいただきたいと思います。かなり厳しいことをお願いしていることは、重々承知していますが。
欧州の企業や大学とミーティングをすると、博士号を持っていない人に対して、露骨に同等の仲間扱いをしない人もいます。
日本とは博士の資格が異なります。博士号は大学教員になるだけのパスポートではありません。