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ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

人気ミシテリー作家の伊坂幸太郎さんの最新刊「フーガはユーガ」を読み終えました

2018年12月11日 | 
 人気ミシテリー作家の伊坂幸太郎さんの最新刊の単行本「フーガはユーガ」を読み終えました。

 この単行本「フーガはユーガ」は、2018年11月10日に実業之日本社が発行しました。



 この単行本「フーガはユーガ」の価格は1400円+消費税です。

 この単行本「フーガはユーガ」というタイトルは、常磐風我(フーガ)と優我(ユーガ)という双子の男子に時々、起こる不思議な現象を軸に物語が進みむことを暗示しています。

 風我が兄で、優我が弟です。そして、この双子は誕生日の日のある時間に、お互いに瞬間移動し、2人が入れ替わるという不思議な現象に戸惑います。この誕生日の日のある時間に、お互いに瞬間移動する現象が物語を盛り上げます。

 この双子の兄弟を母親は仙台市のアパートの一室で出産したようです。そして、この母親の夫である父親は、この自分の子供2人を意味もなく痛めつける最低の男です。さらに、母親の方も父親が自分の子供を理不尽にいじめることを止めさせないダメな女です。

 小学校時代は、この双子は別々のクラスに配属になります。このため、この双子は誕生日の日のある時間には、風我が国語の授業中で漢字の読み書きのテスト中に、急に瞬間移動が起こり、弟の優我が受けていた数学の授業のクラスに移動します。周囲の生徒達は何となく少し違和感を感じます。

 この双子の兄弟はよく似ているうえに、家が貧しく、似たような洋服を着ているために、周囲の同級生や教師は、この双子の兄弟の入れ替わりに気がつきません。

 この奇妙なお互いに瞬間移動できる双子の内の優雅は、仙台市内で育ちます。そして、物語の冒頭部分で、、高杉(たかすぎ)という制作プロダクションのフリーディレクターという名刺を見せる男とファミリーレストランで話をします。

 この高杉という男は怪しい人物です。なんと、仙台市のアーケード街にあるファーストフード店の二階のトイレに盗撮カメラを仕掛け、その盗撮した映像を優雅に見せます。

 その理由は、優雅と思われる若い男が、このトイレの男女兼用の個室に入り、便座にただ座ります。ある瞬間に、その便座に単に座っていた男の顔に絆創膏が付きます。

 実は、ある程度の年齢の青年になった双子の2人は、お互いに瞬間移動し、場所が入れ替わるという現象が自分たちの誕生日のある時間に起こることに気がつきます。

 このため、双子の2人は似たような服装を着て、そのお互いに瞬間移動する時間には、トイレなどの個室に入り、入れ替わったことが周囲の人に気がつかれないように工夫します。この絆創膏は風雅の顔に付いていたものです。

 ところが、この高杉という男がトイレの盗撮動画から、この双子の2人に何か奇妙なことが起こっていると気がつきます。いや疑います。

 今回のこの単行本の「フーガはユーガ」の物語はややいい加減な流れです。ここに実際には不満を感じました。伊坂幸太郎さんの小説は奇妙なことが起こり、ある時はつじつまが合いませんが、その内に種明かしがあります。今回はこの種明かしがあまりありません。

 仙台市内の中学校を卒業した兄の風我と弟の優我は、別々の道を歩みます。弟の優我は公立高校に進学し、兄の風我は働き始めます。風我はリサイクルショップで働き始めます。

 ここから話はやや複雑になり、物語の流れが飛ぶ気がします。ここが今回は面白いと感じさせない部分です。

 伊坂幸太郎さんが書く奇妙な流れの小説は、何となくそれぞれのピースがはまると、ストーリーの違和感が消えるのですが、今回は違和感が残る感じが強いのです。

日本経済新聞紙の見出し「社長ら9取締役辞任へ 革新投資機構 民間出身の全員」を拝読しました

2018年12月11日 | 日記
 2018年12月10日に発行された日本経済新聞紙の夕刊一面の見出し「社長ら9取締役辞任へ 革新投資機構 民間出身の全員」を拝読しました。

 ここ数日間、経済産業省などが2018年9月に設立した産業革新投資機構(JIC)という官製VC(ベンチャーキャピタル)あるいは官民ファンド企業の運営方針を巡って、その出資金を出した経済産業省と、産業革新投資機構の経営陣とが運営方針で対立し、産業革新投資機構の田中正明社長や社外取締役の坂根正広氏(コマツ相談役)など9人が12月10日に辞任し、この産業革新投資機構は事実上、休止状態に追い込まれる可能性が高くなったと報じています。

 表面上は、出資元である経済産業省という“官”の考え方と、ベンチャーキャピタルという米国生まれの事業会社を産み出す“民間”の考え方の違いが露呈した問題です。しかし、日本社会のこれからのあり方を占う考え方を模索するいい素材になっています。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見出し「革新投資機構、田中社長ら9取締役辞任を発表」と報じています。



 この12月10日月曜日は新聞紙の朝刊の休刊日だったために、事実上のニュースは日本経済新聞 電子版の方が速報となり、紙媒体である日本経済新聞紙の夕刊の紙面といくらかずれています。

 今回の2018年9月に設立した産業革新投資機構は、事実上、船出した途端に経営方針を巡って、出資金を出した経済産業省と実際に投資業務を担当する産業革新投資機構の取締役との考え方の違いが露呈し、事実上、同社は休止状態という異常な状態になりました。

 日本の社会には有力な(成功した)ベンチャーキャピタルがほとんどないために、起業したベンチャー企業に投資する機能があまりないという問題を解消する目的で、2009年7月に前身の産業革新機構(INJC)を設立し、活発に投資活動をしてきました。

 これからの日本社会に重要な役目を果たしそうな斬新な事業を始めるベンチャー企業に、産業革新機構は積極的に投資しました。ただし、創業間もないベンチャー企業がある規模の事業を起こすには、やはり10年以上はかかりまます。

 このため、大企業の中で事業内容は先進的だが、事業利益を上げられない先進的な事業を切り出して、新会社を設立したジャパンディスプレイ(東京都港区)やルネサスエレクトロニクス(東京都江東区)などにも投資し、大手企業の傾いた事業分野を切り出した再生事業に力点を置き過ぎるという批判の声も上がりました。

 ジャパンディスプレイはソニー、東芝、日立製作所の中小型液晶ディスプレイ事業を統合した会社で、当初は液晶ディスプレイ事業の事業戦略などが難航しました。また、ルネサスエレクトロニクスも三菱電機、日立製作所、NECのマイコンなどの半導体事業を合体させた再生企業でした。大企業病の事業を救済しているという批判がある程度、噴出しました。

 こうした経緯を踏まえて、これからの日本に必要な新規事業の立ち上げに貢献するベンチャー企業の育成に力点を置くという狙いで、産業革新機構が産業革新投資機構に衣替えしました。

 金融界のプロの視点で迅速に投資判断し、未来の中核企業に成長する見込みのあるベンチャー企業に「リスクマネー」を供給する役割を担うはずでした。

 ここ数日間の一連の新聞などの報道を読む限りでは、産業革新投資機構は米国並みの「リスクマネー」を供給する役割が担えるファンドマネジャーを高給で雇い、優れた人材によって使命を果たそうとしたようです。

 その象徴が、産業革新投資機構の社長の報酬の1億円だったようです。始まりが官製投資ファンドでありながら、事実上は米国の民間の官製投資ファンド事業を担うという基本設計の違いが、親元の経済産業省とその支配下の産業革新投資機構の事業運営方針の違いを産み出し、両者の思惑が破綻したようです。

 一番いい解決法は、米国のように純粋な民間企業ベースで「リスクマネー」を供給するベンチャーキャピタルを設立することです。親方日の丸はあまりうまく行ったことがありません。

 以上は、ここ数日の速報ニュースから感じた感想です。実態はまだあまりよく見えてきません。しかし、日本の社会の中の官と民の役割を考えるいい素材になります。この問題解決が日本の未来を切り開きます。