可視光で使える光触媒は優れた抗菌・抗ウイルス効果を持っていると発表されました。経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京大学は「循環社会構築型光触媒産業創成」プロジェクトの成果発表として、可視光で使える酸化チタン系の光触媒の実用化にメドをつけたことを報告しました。
このプロジェクトは平成19年度から平成24年9月30日まで(2007年度から2012年度)実施されました。開発目標は、可視光応答型の酸化チタン系光触媒の光触媒感度を従来値の10倍まで向上させ、実用化することでした。現在、消臭効果や抗菌性をうたう酸化チタン系光触媒は、蛍光灯などに含まれている紫外線に反応するものです。
東大先端科学技術研究センターと昭和タイタニウム(富山市)などの企業9社は、可視光で光触媒効果を発揮する銅系化合物を添加した酸化チタン材料を開発し、共同開発相手の企業各社は事業化を図る活動を始めたると発表しました。

今回の発表のポイントは、開発した銅化合物を添加した酸化チタン材料が優れた抗菌・抗ウイルス効果を持っていることを「病院や空港などの現場で実証試験し、その優れた効果を確認したこと」と、プロジェクトリーダーを務めた先端研の橋本和仁教授は説明します。

開発成果である酸化チタン系光触媒は、銅系化合物添加の酸化チタンと鉄系化合物添加の酸化チタンの2種類です(このほかに、酸化タングステン系も開発のめどをつけています)。

銅系化合物添加の酸化チタンを塗布した試験部位に、大腸菌を載せて、照度800lxの光を照射すると、2時間後には大腸菌が10の4乗以下(1万分の1以下)に減少する抗菌効果を示したそうです(不活性化したそうです)。その仕組みは「酸化チタン系光触媒が大腸菌の中身を有機物として分解したため」と説明します。このため、菌の種類には関係なく、光触媒効果を発揮すると推定しています。現在、抗菌効果は「感染症などが問題になるグラム陽性細菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌=MRSAなど)などの9種類で確認済み」と説明します。
今回開発した酸化チタン系光触媒は優れた抗ウイルス効果も示します。「酸化チタン系光触媒系で、本格的な抗ウイルス効果が確認できたのは初めて」とのことです。例えば、RNA(リボ核酸)ウイルスであるQβファージに対して、照度800lxの可視光を照射すると、1時間後には10の7乗以下まで減少したそうです(不活性化したそうです)。
プロジェクトに参加した企業各社は、今回開発した酸化チタン系光触媒を実際に病院や空港などの現場に適用し、その抗菌効果や消臭効果を確認しました。病院では横浜市立大学附属病院と北里病院の2個所に協力してもらったそうです。同病院の多目的トイレや男子トイレの壁面に、開発した酸化チタン系光触媒を塗布するなどの実証試験では「洗面台の周辺では約96%の抗菌効果や防臭効果を確認できた」と、担当したTOTOは説明します。

空港では新千歳空港に協力を依頼し「新千歳空港の運搬用の個人向けカートなどに適用し、抗菌効果を確認できた」と、パナソニックは説明します。
今回開発した酸化チタン系光触媒は酸化チタン粒子の表面にだけ、銅系化合物(あるいは鉄系化合物)をナノレベルで付着させてつくります。「このつくり方に技術ノウハウがある」と、酸化チタン系光触媒粉末の生産を担当する昭和タイタニウムは説明します。
酸化チタン系光触媒粉末の生産を担当する昭和タイタニウムは「可視光による抗菌・抗ウイルス効果、消臭効果を必要とする市場が順調に立ち上がれば、量産プラントの設置を検討する」と説明します。
日本の大学が基本原理を見い出し、TOTOなどの企業が製品化を進めてきた酸化チタン系光触媒の使用法をますます広げる開発成果の発表でした。独自技術によって、新市場をつくることで日本企業の実力を示してもらいたいものです。
このプロジェクトは平成19年度から平成24年9月30日まで(2007年度から2012年度)実施されました。開発目標は、可視光応答型の酸化チタン系光触媒の光触媒感度を従来値の10倍まで向上させ、実用化することでした。現在、消臭効果や抗菌性をうたう酸化チタン系光触媒は、蛍光灯などに含まれている紫外線に反応するものです。
東大先端科学技術研究センターと昭和タイタニウム(富山市)などの企業9社は、可視光で光触媒効果を発揮する銅系化合物を添加した酸化チタン材料を開発し、共同開発相手の企業各社は事業化を図る活動を始めたると発表しました。

今回の発表のポイントは、開発した銅化合物を添加した酸化チタン材料が優れた抗菌・抗ウイルス効果を持っていることを「病院や空港などの現場で実証試験し、その優れた効果を確認したこと」と、プロジェクトリーダーを務めた先端研の橋本和仁教授は説明します。

開発成果である酸化チタン系光触媒は、銅系化合物添加の酸化チタンと鉄系化合物添加の酸化チタンの2種類です(このほかに、酸化タングステン系も開発のめどをつけています)。

銅系化合物添加の酸化チタンを塗布した試験部位に、大腸菌を載せて、照度800lxの光を照射すると、2時間後には大腸菌が10の4乗以下(1万分の1以下)に減少する抗菌効果を示したそうです(不活性化したそうです)。その仕組みは「酸化チタン系光触媒が大腸菌の中身を有機物として分解したため」と説明します。このため、菌の種類には関係なく、光触媒効果を発揮すると推定しています。現在、抗菌効果は「感染症などが問題になるグラム陽性細菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌=MRSAなど)などの9種類で確認済み」と説明します。
今回開発した酸化チタン系光触媒は優れた抗ウイルス効果も示します。「酸化チタン系光触媒系で、本格的な抗ウイルス効果が確認できたのは初めて」とのことです。例えば、RNA(リボ核酸)ウイルスであるQβファージに対して、照度800lxの可視光を照射すると、1時間後には10の7乗以下まで減少したそうです(不活性化したそうです)。
プロジェクトに参加した企業各社は、今回開発した酸化チタン系光触媒を実際に病院や空港などの現場に適用し、その抗菌効果や消臭効果を確認しました。病院では横浜市立大学附属病院と北里病院の2個所に協力してもらったそうです。同病院の多目的トイレや男子トイレの壁面に、開発した酸化チタン系光触媒を塗布するなどの実証試験では「洗面台の周辺では約96%の抗菌効果や防臭効果を確認できた」と、担当したTOTOは説明します。

空港では新千歳空港に協力を依頼し「新千歳空港の運搬用の個人向けカートなどに適用し、抗菌効果を確認できた」と、パナソニックは説明します。
今回開発した酸化チタン系光触媒は酸化チタン粒子の表面にだけ、銅系化合物(あるいは鉄系化合物)をナノレベルで付着させてつくります。「このつくり方に技術ノウハウがある」と、酸化チタン系光触媒粉末の生産を担当する昭和タイタニウムは説明します。
酸化チタン系光触媒粉末の生産を担当する昭和タイタニウムは「可視光による抗菌・抗ウイルス効果、消臭効果を必要とする市場が順調に立ち上がれば、量産プラントの設置を検討する」と説明します。
日本の大学が基本原理を見い出し、TOTOなどの企業が製品化を進めてきた酸化チタン系光触媒の使用法をますます広げる開発成果の発表でした。独自技術によって、新市場をつくることで日本企業の実力を示してもらいたいものです。