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ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

2013年11月23日から始まった「東京モーターショー2013」のまだ続きです

2013年11月25日 | イノベーション
 2013年11月23日土曜日から始まった「第43回東京モーターショー2013」の話のまだ続きです。

 本田技研工業(ホンダ)の展示ブースの今回の統一テーマは「枠にはまるな。」だそうです。戦後の製造業ベンチャー企業としての創業時の精神を再度、従業員に再注入し、大企業病を克服する構えのようです。この精神が感じられるかどうかは、ホンダの展示ブースで判断してみてください。

 その目玉展示の一つは、いずれ発売されるとみられている「NSX CONCEPT」です。V型直噴6気筒エンジンをミッドシップレイアウトで配置しています。



 高効率・高出力なハイブリッド・システム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling - All Wheel Drive)」を搭載しています。左右の前輪は左右それぞれを別の電気モーターで駆動する電動の4輪駆動システムになっています。

 この「NSX CONCEPT」は米国のホンダの研究所で開発されているそうです。

 12月20日に発売が予定されている新型車「ヴェゼル」が展示されました。



 プラットフォームは「フィット」と共通で、センタータンク(燃料タンク)レイアウトも踏襲しています。ホイールベースはフィットよりも長くしています。エンジンは、フィットに採用している排気量1.5リットルの直列4気筒の直噴ガソリンエンジンと、1モータ・ハイブリッド・システムの「i-DCD」を組み合わせたものです。

 電動一輪車「U3-X」の最新モデル「UNI-CUB β」の走行性能を展示していました。2足歩行ロボット「ASIMO」の制御技術を応用し、360度全方位に移動できることをみせていました。





 今回の「UNI-CUB β」は小型・軽量化され、後ろに姿勢を安定させるために、小さな後輪を装備しています。この後輪1輪はモーター駆動で動きます。説明員の方によると「ペリコプターの後ろの小さなプロペラと同様の仕組みによって、全体を安定させる動きの役割を果たしている」そうです。ホンダは、この電動一輪車の事業化に本気で取り組んでいます。

 大会社になったホンダの大企業病を克服し、挑戦的な開発姿勢を吹き込んでいる代表取締役社長の伊東孝紳さんは、ホンダの展示ブースでの“話”の後に、かなり汗をかいていました。



 大会社の社長職はやはり疲れるようです。 

2013年11月23日から始まった「東京モーターショー2013」の話の続きです

2013年11月24日 | イノベーション
 2013年11月23日土曜日から始まった「第43回東京モーターショー2013」の話の続きです。

 日産自動車は電気自動車(EV)のコンセプト「ブレイドグライダー」を出展しました。 3人乗り・4輪のオープンカーの電気自動車です。



 オープンカー前部の“トレッド幅”が1000ミリメートルとかなり短く、後ろの幅が1890ミリメートルあります。このために、上から見るとほぼ三角翼の形状になっています。このほぼ三角翼の構造のために、前方中央に運転席が一つ置かれ、後ろに二つの席を配置した、合計3人乗りの電気自動車です。

 このほぼ三角翼形状にすることによって、高速走行中に下側に押しつけるダウンフォースが大きくなり、空気抵抗が小さくなるそうです。 後輪は、中に配置されたインホイール・モーターで駆動します。

 新しい電気自動車の使い方として提案されている、超小型電気自動車「ニューモビリティー・コンセプト」はカーシェアリング用の車両です。





 この超小型電気自動車は、横浜市などでカーシェアリング用のレンターカーとして既に利用されています。新しい電気自動車の利用法が日本に定着するのか注目されています。

 三菱自動車の展示ブースは、東京モーターショーの伝統を感じさせる展示です。どこを見ればいいのか分かりやすい雰囲気です。

 「Concept XR-PHEV」は、FF(前部エンジン・前輪駆動)車ベースの次期プラグイン・ハイブリッド・システムを搭載しています。出力が大きい120キロワットのモーターを前部だけに配置しています。



 コンセプトカー「Concept AR」は6人乗りのミニバンです。排気量1.1リットルまで小型化しているガソリンエンジンを搭載しています。



 「2.0Lエンジン並みを実現」したと説明する、開発中のエンジンは3気筒直噴ターボのロングストロークで、無段変速機と組み合わせています。最大出力は100キロワットです。

 三菱自動車の展示ブースは、三菱自動車が近々どんな自動車を開発し、市場に出すのかが分かりやすい展示内容です。


2013年11月23日から「第43回東京モーターショー2013」が始まりました

2013年11月23日 | イノベーション
 2013年11月23日土曜日から「第43回東京モーターショー2013」が東京都江東区の国際展示場(通称 東京ビッグサイト)で始まりました。

 一般公開日は、2013年11月23日から12月1日までです(11月20日から21日は報道陣向けのプレスデー、22日は特別招待日でした)。

 トヨタ自動車の展示ブースでは、2015年に市販する計画といわれている燃料電池車(FCV)のコンセプトモデル「TOYOTA FCV CONCEPT」が出展されています。



 セダンタイプの乗用車で、4人乗りです。

 この燃料電池スタックは、単位体積当たりの出力密度を高めるなどして小型化した結果、セダンタイプの車両に搭載できるようになったそうです。

 今回の燃料電池スタックは出力密度を3キロワット/リットルと、以前のSUVタイプの燃料電池「トヨタFCHV-adv」に搭載した燃料電池スタックに比べて、2倍以上に性能を高めています。白金系触媒を塗布する技術を工夫し、出力密度の向上を実現したそうです。 小型化しながらも、燃料電池スタック出力は100キロワット以上を達成しています。

 燃料電池スタックの“燃料”となる高圧水素タンクを2本とし、2次電池も床下部分に配置して、車両の低重心化を実現し、操縦安定性などの走行性能を高めたそうです。水素ガスを満充填にした場合の実用航続距離は500キロメートルです(水素ステーションがあちこちにないので重要なことです)。

 トヨタと同様に、2015年に燃料電池車を市販する計画とみられている本田技研工業(ホンダ)は、今回は出展しませんでした(ほぼ同時期に開催されている北米のモーターショーには展示しました)。

 トヨタはかなり実験的な自動車の新感覚モビリティー「FV2」を展示しました。この「FV2」には、運転用のステアリングホイールが無く、運転者(一人乗り)の体重移動によって感覚的に操縦・運転する不思議な乗り物です。前後に体重移動したり、左右に体重をかけると反応するモビリティーです。

 「FV2」の展示ブースで、新感覚モビリティーを表現する“説明員”(?)の女性担当者です。





 フロントガラスに仮想現実(AR)を表示したり、車体のカラーや外装ディスプレィーの表示を自由に変化させます。

 このFV2は、運転者の運転中の感情などを、音声や画像などを利用して認識するそうです。これによって、運転車の感情を読み取り、その運転履歴などを蓄積することで、目的地や運転者のユーザーをアシストする情報をフロントウインドウに各種情報を表示するそうです。

 新感覚モビリティー「FV2」は、視覚的に絵になるために、テレビ局の報道クルーが次々と乗り方を表現しています。





 トヨタ自動車のハイブリッド自動車のテレビコマーシャルをまねて、ドラえもんの“どこでもドア”が設置されています。トヨタ自動車の代表取締役社長の豊田章男さんを見つけた報道陣が、どこでもドアの前でポーズを取らせています。



 ピンク色の部分が“どこでもドア”です。

 大会社の社長も、我が儘な報道陣にはかなわない感じです。

日本経済新聞紙夕刊の見出し「トップ研究者に年俸制」を拝読しました

2013年11月10日 | イノベーション
 2013年11月9日発行の日本経済新聞紙の夕刊の一面トップに、見出し「トップ研究者に年俸制 理研など成果重視」という記事が載っています。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見出し「政府、トップ研究者に年俸制、理研など新法人移行で」という記事が掲載されています。



 安倍晋三内閣が委託した「新たな研究開発法人制度創設に関する有識者会議」は、11月12日の会合で、日本の理化学研究所や産業技術総合研究所などの日本のトップクラスの研究開発機関を新しい法人体系に移行させ、そこに所属する研究者の処遇や評価方法を見直す制度の体系をまとめ、提案すると伝えています。

 世界のトップクラスの研究機関のように、そこで働く研究者や管理者の働く意欲を高めるために、研究開発成果を反映しやすい“成果に応じた”年俸制を導入し、研究の期間や内容に合わせて予算の配分や機器の調達を弾力化することを目指すそうです。

 現在、理化学研究所や産業技術総合研究所などの日本を代表する研究機関は独立行政法人になっています。こうした通称“研究開発独法”と呼ばれる独立行政法人は、2008年に超党派の議員立法で成立した研究開発力強化法に基づく37法人に指定され、「“研究開発独法”で働く研究者や管理職の給与水準を“公務員並み”に抑制してきた」と、伝えます。

 欧米、特に米国の主要大学の教授の平均年収は1500万から2000万円とされるのに対して、日本では研究開発がトップクラスの“研究”大学でも、平均で900万円前後に留まるとの調査結果があると解説します。日本経済新聞紙は、この“調査結果”の出所を明らかにしていません。

 日本のトップクラスの大学(国立大学法人)の平均年収と同様に、理化学研究所や産業技術総合研究所などの独立行政法人の平均年俸は公務員並みに抑制され、日本のトップ大学と同程度と“何となく”伝えています。

 “研究開発独法”で働く研究者や管理職の給与水準を、その研究開発成果に応じた年俸制を導入し、やる気を高め、世界の技術革新・イノベーションをけん引していく環境を整えるという趣旨だそうです。

 現在、別に進められている「独立行政法人改革」の分科会の結論も踏まえて、「安倍内閣は来年1月に開催される通常国会に独法通則法改正案や新法の提出を目指す」と解説しています。

 2004年4月に国立大学が国立大学法人に移行した直後にも、欧米のトップクラスの教授や研究者を、日本の大学に呼ぶ(招聘する)ためには、その年俸を国立大学法人が決められるという“案”も、大学内部では議論されました。しかし、すぐにつぶされたようです。

 米国のトップクラスの大学では、優れた教授や管理職に移籍してもらうために、彼らの年俸を上げてスカウトしています。米国のメジャーリーグのスター選手を呼ぶシステムに似ています。この結果、米国のトップクラスの大学ではその原資をつくるために、学費を値上げし、学生から不満が出ています。米国の市場原理による考え方です。

 正確ではありませんが、米国の大学では、その一部の才気あふれる教授は、自分の研究成果を利用するベンチャー企業を創業し、そのベンチャー企業がIPO(新株上場)した時に、創業者の一人として利益を得るやり方を採っている方もいます。

 米国の市場原理に基づく考え方を導入しないで、政府からの上からの“改革案”によって、日本にあるトップクラスの研究開発機関が活性化するかどうか、見守りたいです。

日本企業「電気機器」での特許資産規模ランキングでは、パナソニックが第一位です

2013年10月26日 | イノベーション
 2013年10月26日発行の日本経済新聞紙朝刊の中面の企業面に掲載された見出し「特許資産規模ランキング パナソニックが首位」という記事が目に留まりました。

 昨日10月25日編の弊ブログでは、米国のトムソン・ロイター社(Thomson Reuters)は、2013年10月23日に技術革新に取り組む優れた企業100社を選出する「GLOBAL INNOVATORS TOP100」2013年版を発表し、パナソニックが3年度連続で選ばれたことをご紹介しました。このことが、頭の片隅に残っていたようで、特許資産規模ランキングの記事に目が留まったようです。

 記事で紹介された「特許資産規模ランキング」とは、特許などの知的資産の分析会社であるパテント・リザルト(東京都台東区)が自社の特許分析ソフトウエアを用いて、日本の各産業分野ごとに日本企業の“特許の価値”を分析したランキングです。

 パテント・リザルトは2009年から毎年度ごとに、日本企業の「特許資産規模ランキング」を公表しています。自社の特許分析ソフトウエアの成果を示すためのようです。今年は、10月10日に「電気機器」、10月11日に「化学」、10月15日に「機械・造船」、10月16日に「鉄鋼・非鉄金属・金属製品」、10月17日に「情報通信」と次々と発表しています。

 10月26日発行の日本経済新聞紙朝刊の記事は、パテント・リザルトが10月10日に発表した「電機機器」編を基に書かれています。



 この「電気機器」分野では、第一位がパナソニック、第二位が東芝、第三位が三菱電機とランキングされています。

 2012年4月1日から2013年3月末までの1年間に特許庁に登録された特許を対象に、個別特許の“注目度”を得点化するという「パテントスコア」という手法を用いた評価を基に、各企業ごとに総合得点を集計したそうです。パテント・リザルトは「このランキングにより、件数比較だけでは見られない、特許総合力の評価が可能になる」と説明しています。

 今回の「電気機器」編では、上位4社は前年度と同じ結果となり、富士通、日立製作所が前年度より1ランク、NEC(日本電気)が2ランクそれぞれ上昇しているとのことです。

 第一位となったパナソニックでの注目度の高い特許は「車両に搭載されたカメラで運転者の顔画像を取得し、運転者の状態を検出する運転者監視装置」技術や「非接触型ICカードの通信を良好にする通信装置」技術などがあったと解説します。

 このことを素直に読み取ると、企業再建中のパナソニックは新製品開発に適した優れた研究開発成果を基にした特許を持っており、製品化に成功し、事業化に成功すれば、事業収益を確保できる可能性(潜在能力)を持っていると読めます。この特許を基にした新製品が事業化に成功することを祈るだけです。