状況やその子の性質性格も様々ですから、
「しつけ=教え学ぶ」方法も、
多様であるのが自然。
「好ましくない行為」をしたら、「いつも」、
叱りつけたり、罰を与えたり、部屋に送ったり、タイムアウトするというのは、
変化し続ける状況やその子の状態を思うとき、
確かに「的外れ」ですよね。
「遊び心やユーモアを用いて創造的に向き合う」という対応
米国でベストセラーとなったしつけ本『No Drama Discipline』by Daniel J. Siegel & Tina Payne Bryson が紹介する
こうした「多様な対応の仕方」の中に、
「遊び心やユーモアを用いて創造的に向き合う」というのがあります。
例えば著書にある例:
「カーシートに今すぐ座りなさい!!!」
も、時には、
「お願いだから、あのカーシートに座らないでね。
だって、あなたの想像のお友達ジミー・ジマリーノが
もうちゃっかり座っちゃってるもの」
と言ってみる。
一気に、子どものムードもシフトし、
くすくす笑いながら、車に向かうかもしれません。
とはいえ、とてもとてもそんな気分になれないことってありますよね。
日々の生活をまわしていくだけでいっぱいっぱい。
頭の中も、「するべきこと」や「気がかり」でいっぱいいっぱい。
そんなギリギリのときに、「カーシートいや!」なんてもう、
「ジミー・ジマリーノですって?ふざけないでよ」となります。
私自身も、しょっちゅう、そんな状態になるわけですが。
「でもね」と、著書のシーゲル氏とブライソン氏は言います。
「以下のオプション1と2を比べてみてください」と。
以下『No-Drama Discipline Workbook』よりーーーーーーー
オプション1:子どもの行為にどう対応するかについて、クリエイティブである。その時費やしたいと感じる以上の努力が必要になるけれど、遊び心や可笑しさは、ムードをシフトさせ、「ドラマ」を早く終わらせることできます。そして、関わる皆が、楽しむという結果になる。
オプション2:「しつけ」なければという場面が生み出した、パワーの奪い合いなどのバトルを続ける。パワーの奪い合いで子どもに「勝つ」までぶつかり続ける。このオプションは、たいていより時間やエネルギーを必要とし、しばしば「繋がり」を損ない、感情を傷つけることにもなります。
ーーーー引用終わりーーー
確かに、
「そういうわがまま言うなら今夜のデザートなし!」とか、
「もう二度とあなた連れて買い物来ないから!」とか、
あげく、がつん!と叱りつけ、羽交い絞めにして無理やりカーシートにのせるなら、
確かに、「時間やエネルギーも必要とし、繋がりを損ない、感情を傷つける」
ことになるのかもしれません。
(← とはいえもしそうなっても、後の対応によっては、修復も断然可能ですし、
「繋がり」も「雨降って地固まる」となる可能性も十分あると、
私自身の体験から思います。)
振り返っても、
「今、そんなこと言ってられないし、やってられもしない」と頑なに思うときこそ、
実は、「遊び心やユーモアを用いて創造的に対応する」というのが、
効果的だったりするんですよね。
ふ~と深呼吸して、クリエイティブにユーモアもって向き合ってみる、
すると、親子でほぐれて、
また違った角度から物事を眺められたり、
問題に対しても、解決へ向けての新しいアイデアが出てきたりするようになります。
ユーモアは子どもだけでなく赤ちゃんでさえ「学び」を促進するという研究紹介
「ユーモアや笑いが、子どもの学びを促進する」についての研究は、
こちらの記事’How laughing leads to learning’にも紹介されているように、多くあるようです。
確かに笑うことで、気持ちもリラックスしぎゅっと固まった身体もほぐれ、
相手との繋がりも強まり、学ぼうという気持ちも高まるのって、
分かりますよね。
こうして子どもを笑わせることで認知力などの学び率が高まる、
ということは分かっているわけですが、
心理学者Rana Esseily 氏率いる研究チームによると、
まずは、18ヶ月の赤ちゃんを2つのグループに分けたそうです。
そして、届かない距離にある玩具を道具を用いてとり:
1のグループには、玩具を手に取った後、普通に遊んでみせ、
2のグループには、玩具を手に取った途端、ふざけて落としてみせます。
すると、2のグループの半数の赤ちゃんが、「笑った」と。
(ああ、あの赤ちゃんの声出して笑う様子を想い、
思わず微笑んでしまいます。)
そして、実験者の仕草を笑わった赤ちゃんの方が、
大人の示す動作を自分自身で繰り返すことにより成功するなど、
「より学んだ」とのこと。
Esseily 氏曰く、
「ポジティブな感情やユーモアを通して実験者とよりよく結びつくことが、
脳のドーパミンレベルを上昇させ、学びを促進するのではないか」
とのこと。
ティーンから赤ちゃんまで、
「対応の仕方のひとつ」として、
「遊び心やユーモアを創造的に用いる」というの、
思い出していきたいですね。
特にティーンとの接し方も、
生活の端々にユーモアや遊び心を挟むことの大きさを日々実感してます。
それではみなさん、楽しい週末を!