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「創造力」と「批判的思考力」が土台となる「問題解決力」って21世紀になぜ不可欠?どうやって育む?

2017年03月23日 | 21世紀型子育て

国立政策研究所が提案する「21世紀型能力」の中核とされる「思考力」。

その「思考力」のひとつに「問題解決力」があげられています。

 

知識も技術も環境もめまぐるしく変化する21世紀には、

これまで想像したこともないような「問題」も次から次へと起こりうるといわれています。

 

例えば、20年前の親なんて、

子どもがスマートフォンとどう付き合っていくかなんて「問題」、

考える必要もなかったですよね。

まさか、手の平から世界と繋がれるなんて!

 

これから20年後なんてどうなってるんでしょうか。

「子どもがホログラムのお友達としか遊ばない」とか、

「現実とバーチャルの違いがよく分らないみたいです」とか、

そんな悩みも出てくるんでしょうか。

想像は止まりません。

 

こうして「問題」の内容もどんどん変わりますから、

そしてどうやらそのスピードも加速してきているようですから、

ますます、「この問題にはこれ!」、

というような「一つの方式」を暗記して向き合っても太刀打ちできないですよね。

 

そうした「一つのやり方」を記憶して当てはめるんじゃなくて、

多様なやり方を駆使できる「問題解決力」を培ってやりたいです。

 

 

 

では、「問題解決力」ってどうやって育めるんでしょう?


 リサーチしてくる中で分かったのは「以下の2つが必要不可欠ですよ」ということ:

・創造力をつける

・批判的思考力(クリティカルシンキング)をつける

です。

 

これは、確かに、ですよね。

 

「一つのやり方しかないんです」より、

「あれもどうかなこれもどうかな」と創造的にアイデアを出す力

そして、与えられたやり方や情報を鵜呑みにするのでなくて、

「これってどうなんだろう?」「自分の思ってることってどうなんだろう?」

客観的論理的に考えられる力

 

確かに「これらふたつ」があったら、

問題を前に、にっちもさっちもいかなくなりボキっと折れることもないでしょうし、

創造的に生み出したいくつもの解決策を吟味することもできます。

「さあ問題よ、どんとこい」、

ともなれるのかもしれません。

 

 

 

ちなみに、「21世紀型能力」にも、

その土台となる米国発の「21世紀型スキル」にも

この「創造力」「批判的思考力」は要としてあげられています。

 

創造力と批判思考力については、

こちらにも、書いてきてます。

21世紀型能力:http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/7d2921eac03ee163afb3f470a0baa4ce

 

 

 

以下は、2つの研究紹介です。

こんな遊びが「問題解決力」を促進しますよという2つの研究紹介

 

1.多様な用い方のできる玩具が「問題解決力」を促進

プレスクーラーを2つのグループに分けます

・パズルなど「用い方が一つ」のみの玩具を渡す

・積み木など「用い方が多様」な玩具を渡す

しばらく遊んでもらった後、問題解決力をはかったところ、後者の「多様な用い方のできる玩具を渡されたグループ」の方が、より高い問題解決力を発揮したとのこと。

(Pepler DJ and Ross HS. 1981. The effects of play on convergent and divergent problem solving. Child Development 52(4): 1202-1210.)

 

2.ごっこ遊びが「問題解決力」を促進

ごっこ遊びをするようトレーニングを受けた子は「問題解決力」が高くなった、

また、多様な解決法のある問題を解くトレーニングを受けた子は、

よりごっこ遊びをするようになった、とのこと。

(Wyver SR and Spence SH. 1999. Play and divergent problem solving: Evidence supporting a reciprocal relationship. Early Education and Development, 10(4): 419 - 44.)

 

 「遊び」ってホント、

「創造力」も「批判的思考力」も「問題解決力」も培う機会の宝庫ですね。

 

 


お友達間の「問題解決力」をアップするサポート

また上の研究で、「多様な解決法のある問題を解くトレーニング」とありますが、

こちら米国では、子供たちがお友達間の問題を自ら解決できるようなサポートが整っている学校もあります。

 

以前、少しまとめたものです:

カエルの選択

・子供達自身で葛藤解決、「ミディエーター」という係りがあるのっていい


こういうサポートは、

大家族で、兄弟姉妹も多く、コミュニティーも密で、

子どもたちが毎日集団でわいわいと遊びまくっていたのような時代には、

自然に身に着けられ、必要なかったのでしょうね。

 

でも一昔前に比べ、圧倒的に他者と密に触れ合う機会の少ない現代の子には、

こうした「人間関係の問題解決方法」を参考に自ら試す中で、

他者とのコミュニケーションの仕方を体感として身に着けていくことも大切になるのかもしれません。

時代は変化し続けてますから、子供の問題も、問題解決の方法も、変わってきますね。 

 

 

 

「問題解決力」について引き続き、

考え、リサーチし、試みと続けていきますね。

それではみなさん、楽しい週末を!


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