マイコー雑記

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問題行動溢れる生徒たちが生き生きと自主的にまとまり始める!M先生の姿勢に学ぶ「子育ちサポート」の秘訣3つ

2017年07月29日 | 思慮あるしつけ(discipline)

放課後スクールでアートサイエンスと算数のクラスを担当していた時のことです。

こちらにも書きましたが、

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

生徒達が育つ環境も、

日中の学校で過ごす様子も、

かなりチャンレジングでしたから、

先生方も、日々、頭を抱えること続きでした。

教室内で激しい殴り合いの喧嘩が起こった後、

「もう無理です」と任期途中で辞めていかれる先生もいました。

 

そんな中、

時々手伝いや先生方の指導にこられていたM先生という方がいました。

50代の女性のベテラン先生で、日中の学校でも生徒の間で大人気の先生です。

 

M先生が生徒達に接し始めると、

明らかに、生徒達の様子が変わり始めます。

一人一人の表情が、よりリラックスして生き生きとしたものとなるのです。

 

M先生の姿勢は、もちろん教室内でもですが、

家庭の子育てでも、とても参考になります。

 

 

 

M先生の傍で過ごし気づいたことをまとめてみますね:

 

ひとつには、昨日こちらに書いた、

子どもに接する日々に覚えておきたい「基本中の基本」、こつこつ実践することで確実に変化が生まれますよ

1. いい時やできている時を、こまめに認める

とにかく、生徒対のいい時やできている時を見出すのが、それは見事でした。

好ましくない生徒の言動をたしなめたりとしたすぐ後でも、

できていれば決して当たり前と通り過ぎず、

「あら、静かにワークに取り組んでるわね!I love that!」と認め、

溢れる笑顔で喜びます。

 

この切り替えの見事さ。

どんな「問題児」であろうと、

「この子は”いつも”~する」といった「思い込み」にはまりこむことなく、

アップテンポにするすると「今起こっていること」にフォーカスしていきます。

 

その子に対する「思い込み」をどんどんぬけていくというのは、

大きいです。子どもは、「大人の頭の中」などこえて、

今この瞬間も成長し続けています。

 



2. 普段、生徒と共に体験し感情を共有している

とにかく、エネルギッシュで感情表現に溢れていました。

生徒と一緒になって喜び、はしゃぎ、ふざけて笑い転げます。

 

そして「しなさい!」と

上から目線で言い放つことがないのに、

生徒達は、M先生のことを見上げ、言うことをききます。

 

生徒と普段、感情を共有し、気持ちを通わせている、

生徒が、「自分達の気持ちを分かってくれる」と感じていることが大きいのでしょうね。

 


3. 言葉を意識的に用いている

そして、最後が、

「用いる言葉が違う」ということです。

どんな言葉を用いるかを、とても意識されています。

 

例えば、

こちらは心理学者ジェーン・ネイルソン氏の「ポジティブしつけ」のワークショップの様子ですが、

生徒の側に立つとき、かけられる言葉によって、

どんな気持ちになり、どんな行動をしたいと思うかが

分かりやすく表されています。

 

 

休憩時間で校庭に出る前にジャケットを着るのを忘れないのよ!

→休憩時間に校庭出たとき暖かくあるためには何を着たらいい?

 

もし時間内にこのワークが終わらなかったら休憩時間も教室で終わるまでしなさい!

→休憩時間が始まるまでにこのワークを終えるにはどうしたらいいかな?

 

教室を出る前にプリントをしまって、本を棚に入れて、きれいにしなさい!

→教室を出る前に周りをきれいにするためには今どうしたらいい?

 

なぜサリーみたいに静かにできないの!

→誰が静かにできるかな?先生に見せてください。

 

ぐずぐず文句を言うのを止めなさい!

→どうやって話したら、先生にあなたの言っていることが理解できるだろう?

 

誰が始めたの!

→2人でどうやってこの問題を解決できる?

 

あなたは私語のために今まさに赤いカードを渡されたんですよ!

→他の子達が静かにしている時に邪魔しないために同意したことは何だっただろう?

 

 

「前者の言葉がけ」で子どもが感じるのは、

怒り、反抗心、全然協力したくない。

 

それでも「後者の言葉がけ」では、

リスペクトされている、自分が手綱を握っている、協力したいと気持ちがわきあがる。

 

ワークショップでは、そんな話し合いがされています。

 

 

指示や命令するより、

その子自身で何ができるかを考え、動けるよう導いていくんですね。

 

M先生は、用いる言葉のひとつひとつに、

こうしたことを意識してらっしゃいました。

 

 

命令口調、上から目線に言い放つのみでは、

反発心も溢れます。

また、言われて従うだけならば、思考停止状態、

命令や指示がなければ動かない動けないともなり得ます。

「質問」を活用し、その子の頭と心が動いているかを見ていきたいです。

子供を1人の人として扱う「リスペクト」を基本に据えて。

 

 

「子育てに正解なし」は正解ですが、

それ以前に、知っておくと良い「基本」というのも確かにある、そう思います。

私自身、学び、実践&失敗してきたこと、そして今も学び続けていること、

まとめていけたらなあと思っています。

 

 

こちら土曜日朝、これからぞろぞろとアニマルシェルターです。

←周辺、10件以上回ってますよ。

みなさん、よい週末を!