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『It Mama』連載:挑戦する子に育てる!知っておくべき3つのこと【21世紀型子育て】 & 他にも知っておきたい5つのこと

2017年04月05日 | 21世紀型子育て

2016年の『ユア子育てスタジオ』での元旦の挨拶で、

こんなことを書いたのを思い出します:

 

”子供たちが成長するにつれ、

あれもこれも身に着けてほしいと思っていたこともよりシンプルになり、

その中でも「これ」と思うのが、

「成長型マインドセット」です。

 

「成長型マインドセット」とは、

「1つ願いが叶うとしたら何を願う?」と聞かれ、

「願いを叶えられる力を身に着けること」と答えるようなものかもしれません。”

 

 

 

「成長型マインドセット」とは?

「成長型マインドセット」と「固定型マインドセット」とは、

30年以上伸びる子と伸び悩む子についての研究を続ける心理学者のキャロル・ドウェック氏が

提唱したコンセプトです。

 

「成長型マインドセット」とは、能力は鍛えるほど発達していくととらえる心の持ち方。

「固定型マインドセット」とは、能力は生まれつき固定されたものととらえる心の持ち方。

 

多くの研究が、

「成長型マインドセット」を持つ子ほど、

伸びていくと示しています。

 

そりゃそうですよね。

 

能力は使えば使うほど伸びると信じる「成長型マインドセット」を持つ子にとって、

目の前の問題とは、能力を鍛える「チャンス」でしかありません。

 

「よーし、やってみるね!」と取り組み続けるうちに、

「自分には能力がないからどうせできない」とか、

「もしできなかったら自分には能力がないということになっちゃう」と恐れる子に比べたら、

長い目で見て、伸び方が違ってきますよね。

 

 

 

 

『It Mama』さんの記事には、

「成長型マインドセット」を培う方法を3つ紹介してあります。

普段子供たちに接しながら、少し気に掛けるだけでも、

随分と違ってくると感じてますよ。

 

特に敏感な子たちには、こうした言葉や姿勢のひとつひとつって、

影響しやすいですよね。

それは、良い方向にも如実に影響を受けやすいということ、そう覚えておきたいです。

 

 


『It Mama』さんの記事に載せた他にも知っておきたい5つのこと

記事に載せた以外にも、

アラスカ時代の小学校での試みや覚えておきたいことなどを紹介しますね。

 

1.頭の中で話す言葉、口にする言葉を変えてみよう
 
教室には、こんなポスターが貼ってあり、皆で話し合っていましたよ。
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「固定型マインドセット」を促進する言葉

もうだめだ
私/僕はあの子みたい良くなれない
これは簡単、これは難しい、
算数ができない/サイエンスができない/読むことができない
私/僕はこれがすごくできるんだ
 

 
「成長型マインドセット」を促進する言葉
他のやり方を試してみよう
私/僕もきっとよくなる
この調子でいってみよう
この前学んだ方法を使ってみよう
これはちょっと時間と努力が必要だな
間違いは脳を成長させてくれる
やり続けてみよう
何が足りないんだろう

 

他の子と比較し、できるできないを決めつけるよりも、

「どうしたらできるかな?」「頑張ればできるようになっていく」

といった言葉を使うんですね。


「私はこれがすごくできるんだ」より、

「他のやり方試してみよう」「この調子でいってみよう」、

というのも、なるほどですよね。

 

 


 
2、「脳は使えば使うほど鍛えられる」というメッセージが込められた情報に触れる

これは、記事にも載せた「能力は使うほど鍛えられると教える」ための方法のひとつです。

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日本語でもこういった本があるかちょっと分らないんですが、

こうした脳の部位の名前や機能など脳の仕組みが分かり易く説明されながら、

「使うほどどんどん発達するんですよー」といったメッセージのある情報に触れさせたいです。


次男がまだキンダーのころ、

難しい問題に向かうと「ふー、脳が喜んでる」と言っていたのを思い出します。


またこれも英語なんですが、『Brainology』という、

より年齢の上の子向けの「脳の仕組みを説明しながらこうしたメッセージが込められたカリキュラム」も、

ドウェック氏によって開発されています。 

 

こうした本やカリキュラムがなくても、

脳の仕組みについて書かれた情報などみながら、

話をしてやるといいですよね。

 

 

 

 


3.失敗は成功への糧と教える

小学校でも

「失敗は素晴らしいこと、どうして?」という質問へ生徒一人一人が答えを出し、

皆で書いてまとめるということをしていました。


失敗するから、違う方法を試せる。
失敗して何度か試すと、もっとよく分かるようになる。
失敗しても何とかなるんだと思えるようになる。
 
などなど生徒からアイデアが出ていました。
 
親子で話し合うのもいいですね。 



また、教室の前にはこんなポスターが貼ってありました。
 
「Miss. Take = mistake(テイク先生)」
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出席を取るのを忘れる、生徒の名前を間違える、家に弁当を忘れる、アートの教室でなく保険の教室に間違えて生徒を連れて行く、スペルを間違える、などなど間違えてばかりの先生だそう。
 
先生でも間違えるのよ、と失敗をほぐすためのジョーク。

 

失敗の緊張をほぐし、次への糧へと励ましたいです。

失敗を恐れて足を踏み出さなければ、成長もないですよね。

 

 

 
4.体現こそ、最も有効な教授法のひとつ

脳神経科学では、いくつになっても、脳が変化すると分かっているらしいですし、

是非、大人も「成長型マインドセット」を体現してやりたいですよね。

 

なるべく、頭の中の会話や、発している言葉にも気づき、

「成長型マインドセット」を促進する言葉を使うようにしてみる。

「私は料理が下手だし、掃除もだめだめ」→「ちょっと努力と時間がかかるけど、改善はできるものよね」

「子育て下手だわあ」→ 「他にもやり方試してみよう。間違えながらもそれなりに誠実に子供に向き合ううちにコツもわかってくるよね」

 

ちなみに、「テイク先生」的なことなら、

私自身もかなり普段の生活で体現できる自信ありです。

これだけ失敗しても、それなりに楽しくいきていけるもんなんだなあと、ゆるめてやりたいですね。 

 

 

 

5.周りとではなく、自分の過去と比べる

「成長型マインドセット」を育む中で、

大人も子供も思い出したいのが

周りと比べるんじゃなくて、自分の過去と比べること

 

40代の私が20代の方と走る速さを競っても、心臓が大変なことになります。

子供だって、「手持ちのカード」がまったく違う周りの子と比べられても、

「能力鍛えるぞー」という「やる気」になんて繋がらないですよね。

 

昨日の自分より前へ進んでいるか。

その子の成長を祝い喜びたいです。

 

 

そうして、こつこつマイペースで進んでいく子はどんな状況でも伸び続けていくでしょうし、

大人になっても、そういう人って、いくつになっても生き生きしてるんじゃないかな、

そう思います。

 

昨日は、アラスカ時代の友人と久しぶりにメールのやりとりをし、

活発に社会活動をされている女性Rさんの話になりました。

Rさんは99歳。

昨日は友人の誕生日だったんですが、

カフェでの待ち合わせに、いつものように自ら車を運転して現れたそうです。

いくつになっても、好奇心に溢れ、社会的な問題への関心みなぎるRさん。

能力を常に使い続け、「衰え知らず」どころか、今も成長を続けてらっしゃる。

友人と、感銘を受けてました。

 

 

話はつきませんが、

それでは、興味ある方、是非どうぞ!

挑戦する子に育てる!知っておくべき3つのこと【21世紀型子育て】#6

 

 

「成長型マインドセット」、親子で育んでいきたいですね。

みなさん、今日も良い日を!

 

 

参考資料: Carol S. Dweck(2006)『The New Psychology of Success』