7月17日、京都・祇園祭のハイライト、山鉾巡行が行われました。これに合わせたかのように、梅雨が一気に明けました。
京都の梅雨明けはだいたい祇園祭の巡行のころが相場です。しかし、昨年は8月になっても明けずにいらいらしました。
近江路で早朝、EF66-27号機の6170列車を撮影後、すぐに引き返し、巡行を見に行きました。午前9時、長刀鉾が四条烏丸を出発し、31の鉾や山がこれに続きます。地下鉄で四条に着くと、ちょうど函谷鉾(かんこぼこ)が「えんやらやー」の掛け声とともに動き始めるところでした。鉾の辻である四条室町を中心に、鉾や山が出発の順番を待つためどんどん集まって来ます。月鉾、放下鉾、太子山に蟷螂山……。それに連れて人もいっぱい集まり、動くに動けません。私の撮り鉄仲間であるeexpressさんが、曳き山の「北観音山」の車方を務めておられ、その姿を見たくて来たのですが、なかなかたどり着けそうにありません。
そこで、室町通りを南下して綾小路を西進、西洞院を今度は北上して再び四条を今度は西から東に向かい、ようやく新町通に出ると上がります。ちょうど南観音山が四条に出るため動きだしたところで、次は北観音山の番だと足も自然に速くなります。着くと、北観音山も動き始めたところで、早速レンズを向けてeexpressさんを捜しました。いました、右前輪の前に。車方はいわば操縦士です。北観音山は、山といいながら鉾です。大きな木の車輪は自動車の車輪のように左右には動きません。そこで、進行方向を常に調整しなくてはならず、そのため木のてこのようなものを車輪の下に差しこんで整えます。その仕事は地味ですけれど、非常に重要な役割で、夏の日射しを受け、eexpressさんの顔は早くも紅潮し、汗が光っています。しばらく一緒に歩いてその姿をカメラに収めました。eexpressさんの背中がふだんよりもさらに大きく感じました。これが漢(おとこ)の背だと。
夏空とペルシャ織物などの懸想品に彩られた山や鉾。そして、それを動かす町衆。
京都に今年も夏がやって来ました。
≪写真上≫
四条通りを東に向けて動き出す函谷鉾
≪写真中≫
北観音山の車方を務めるeexpressさんの大きな背(新町通で)
≪写真下≫
東山にわき出た夏雲と鉾や山
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