3月12日のダイヤ改正が終わり、JR西日本の車両たちが引退して行く。そのうちの一つ、JR西日本金沢総合車両所のボンネット型交直両用特急電車489系の事実上のさよなら運転が26日、大阪-金沢間で行われた。私はこの「ありがとう489系」号をJR京都線の島本-山崎で撮影した。
カモーレさんのお誘いを受け、当初はeexpressさん、カモーレさんのご友人とともに北陸方面へ出かける予定だった。しかし、天候が悪そうだとの判断で急きょ4人とも山崎界隈で撮影することに変更した。早朝、私はカモーレさんとご友人のY氏に定番位置で合流。eexpressさんは山崎駅での撮影となる。その後、トヤキです。さんが駆けつけられ、一緒に並んで撮影することに。「京都れいる倶楽部」のメンバー、原型大窓ヒサシ付さんはeexpressさんと同じ場所に行かれ、仕事で本番運用は撮影できないものの送り込みを撮られたシンキトさんも我々のところにやって来られるなど、久しぶりに大勢の仲間たちと現場で顔を合わすことができた。
朝5時30分から本番通過までの4時間半、天候が目まぐるしく変り、すっきり晴れていたかと思うと天王山から見る見る雲がわき出し雪が降って来る。晴れているのに時雨もした。EF210-101が引くワム貨や急行「きたぐに」の回送、福知山線の特急「こうのとり」運用に入っている国鉄色381系の回送などを撮りながら、その時を待つ。金沢からの送り込み回送の489系や甲子園臨と見られるJR東日本の485系R編成も記録した。
そして、定刻よりほんの少し遅れて「ありがとう489系」号がやって来た。このところ「北越」や「はくたか」の代走時にはヘッドマークを掲出するのに、サンダーバードの代走などで京都、大阪へやって来るときはヘッドマークなし、蛍光灯むき出しといういささか無愛想な姿ばかり見ていただけに、往年の大阪-青森間昼行特急「白鳥」号をイメージしたデザインのマークを着けた姿は、これこそが本来の形と思わせるものだった。
直前に雲が太陽を隠してひやりとしたが、幸いすぐに回復して明るい日差しの中で雄姿を見ることができた。正面はこの時間帯どうしてもかげってしまうが、マークのおかげでそれほど気にすることもなく、撮影することができて正直ほっとしている。
私が学生のころ、L特急「雷鳥」号の大半は481形ボンネット車だった。L特急全盛のころ、京都駅などにいると頻繁にこのボンネットが来て、うんざりしたこともある。また、国鉄色に見飽きていたこともあって地域特性を活かした色彩やJR色が登場すると、非常に斬新に思えた。けれど、そんな思いを持ったことさえある車がいざ引退と聞くと、やはり寂しく残念だ。特に大学生のころ、何度も北海道への旅路に利用したのがボンネットの「白鳥」号だっただけに、この日のヘッドマークは感慨深いものがある。
ただ珍しいから撮るのではない。先日、廃車回送されていったキハ181系といい、この489系といい、「雷鳥」から退いた485系といい、やはり自分と同世代の国鉄車両たちにエールを送りたい。そして最後の姿を留めておきたいと考え、シャッターを切った。
27日は「ありがとう489系」号の復路がある。485系も琵琶湖一周「お江列車」として走る。けれども27日は所用があってこれらの列車を撮影できない。私にとっての489系とのお別れは、この写真の撮影となった。
2011-3-26 JR西日本東海道本線 島本―山崎 9041M「ありがとう489系」 金沢総合車両所489系H01編成
Nikon D300,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,×2テレコンバーター、270mm,ISO 400
1/800秒,f8,-0.3段,WB:晴天
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