ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその114-大衆音楽の真実

2013年10月13日 | 
ポピュラー音楽の歴史を紐解く傑作本。

私は1980年代の後半様々な音楽を聴いてきた結果それに飽きてしまった。
1980年代初頭に始まった「パンク・ニューウエイヴ」も一段落してアメリカの音楽が次第に世界のポピュラー音楽に影響を及ぼしていった。
邦楽についても「歌謡曲」が徐々に減り始め「J-POP」なる新しい分野が台頭、中心は若いバンドの楽曲となっていった。
私はその頃自分のバンドの楽曲作りで忙しく、あまり他のミュージシャンの作品を聴いていなかった。
更に古典楽曲が好きだった私は古いキューバーのLPなどを買いそれを聴いていた。
ある意味私の音楽を聴く空白を埋めてくれたのはそれらの古典ポピュラー音楽だった。
ちょうどその頃一冊の本が出版された。
今回紹介する「」である。
作家は音楽評論家でもある「中村とうよう」
私は早速その本を読んでみた。
まさに目から鱗、私の音楽の世界観が広がった。
世界で最初に確立された音楽はインドネシアのクロンチョンと言うもので16世紀あたりの出来事だとこの本にはある。
そしてポピュラー音楽とは国同士の混血音楽であると明言している。
この本には実際に文中で紹介した楽曲が聴けるようにLP2枚組みのレコードが2種類発売された。
私は逸る気持ちをおさえながらこのLPを2種類とも購入し、聴いてみた。
私は思った「これぞ求めていた音楽これからは必ずこれが流行る」
まだ「ワールドミュージック」と言う音楽ジャンルが生まれる前である。
それから私は輸入レコード店に足しげく通い様々な古典ポピュラー音楽のLPを買っては聴いていた。
今でこそ市民権を得た「ワールドミュージック」であるが当時は流行盤などレコード店には置いておらず前述のように古典盤を買うしかなかったのである。
この500ページを越える大書、その中身は濃くて深い。
この本を読み世界のポピュラー音楽に興味を持ってから一年程度経た時初めて「ワールドミュージック」と言うジャンルが確立され様々な世界のポピュラー音楽の新譜が入手できるようになった。
前述したLP2枚組み2種類のレコードは後に曲を追加しCDで3種類発売された。
私はこれを買いそこねていたので先日オークションで3種類まとめて買った。
買って驚いたのだがCDは単にLPの曲に他の曲を追加したものではなく、殆どの曲はLPに収録されていたものだがLPに収録されている曲でもCDに収録されていない曲や曲は収録されているが歌手が違うものなどあり、結局LP、CDともに買わないとこの本の著者が提示してくれたサンプルは聴けないことになる。
できれば本と音源を購入しワールドミュージック流行前夜を味わっていただきたい。
1986年初版、著者:中村とうよう。


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