ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその264-影裏

2017年10月09日 | 
人間、人と過去との関係を断ち切るのは難しい。
自分以外の個人と接するとき、自分の琴線が触れたとしても、相手も同様か分からない。
今回紹介するのは、最新の芥川賞「影裏(エイリ)」である。
あらすじを少し紹介しよう。

主人公は、バイシェクシャルである設定の男子。
それと係わるのは、世渡りの上手い男子である。
その成人している二人は、微妙な関係を築きながら付き合いを続けている。
二人とも釣りが好きなのだが、主人公の友達の気まぐれで、非常にまずい関係になってしまう。
二人は会社の同僚だったのだが、友人が会社を辞め、別の会社で働くようになる。
二人の関係が希薄になるなか、東日本大震災がおきる。
その犠牲になったと噂を聞いた主人公は、友人の親と合い、状況を聞くことになるのだが.....

まずこの作品、描写力が素晴らしいとのことで、審査会で評価された。
しかし、私にとっては、どこがどう良いのか分からない。
表現力は、稚拙である。
そして、難しい漢字をやたら使い過ぎる。
まるで、大正~昭和初期の文学を読むがごとくである。
そして、小説の主題を考えると、それは何もない。
芥川賞なので、ストーリーテラーを期待することはない。
しかし、文章で読ませるほどがないのだ。これは以前紹介した「しんせかい」とは差異がありすぎる。
稚拙な文章でも、読者を取り込んだ「しんせかい」に比べ、何が良いのか分からないこの作品は、過去にもあった「芥川賞」の大いなる失敗と言えるのではないだろうか。

私の感想は以上のとおりであるとともに、皆様にもお勧めできる作品ではない。
もし、お読みになる方がいたら、国語辞典を片手に読むことをお勧めする。
感動とは、遙かに遠い作品と私は思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿