ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその437-ジョーカー

2020年02月05日 | アメリカ映画
圧巻の演技が見どころ。

世間には、富裕層と貧困層が存在する。
高見から、社会を見下ろす富裕層と、底辺のプライドで何事にも挑む貧困層。
この両者の違いは、言葉では言い尽くせないものがあるだろう。
今回紹介する映画は「ジョーカー」
バットマンの宿敵として知られる、彼のことを、彼の視線から描いた作品だ。
ストーリーを紹介しておこう。

ゴッサムシティの貧困層に生まれ育ったアーサー。
彼はコメディアンを目指し、ピエロとして働いていた。
しかし、世間の目は冷たく、彼には災いばかり降りかかってくる。
ある日彼は、富裕層のエリートサラリーマンと、電車の中でトラブルを起こす。
そして彼は、彼らに袋叩きにあう。
アーサーは、職場の仲間から、自分の身を守るようにと借りていたピストルで、彼らを殺してしまう。
必死に逃げるアーサーだったが.........

まずこの映画で、観客の目を釘付けにするのは、アーサーを演じた「ホアキン・フェニックス」だろう。
彼の演技の迫真さは、観る者を圧倒的な力でねじ伏せる。
最近観た映画の中では、ピカイチの出来である。
アーサーは、母親と二人暮らし、しかし実は、昔母親から虐待を受けたため、精神に欠陥が残り、極度の緊張をすると、笑ってしまうと言う病癖がある。
そのため、コメディの舞台に立っても、話しがなかなか進まない。
一方世間では、アーサーが起こした「富裕層サラリーマン殺人事件」が貧困層の大衆の支持を受け、街ではピエロの化粧やお面をした群衆が、激しいデモを行っていた。
そして、やがてアーサーに自我が芽生え始める。
そう、バットマンの宿敵「ジョーカー」としての自覚だ。
自分を受け入れてくれなかった世間への実力行使として、映画後半にジョーカーは颯爽と誕生する。
バットマンとの絡みも、しっかり描かれていて、幼い頃のブルース・ウエイン(のちのバットマンと出会うシーンも、しっかり作ってあり、映画の作りの丁寧さにも満足できた。
ただ唯一、重箱の隅を言うならば、ラストシーン近くで、クリームの演奏する「ホワイトルーム)と言う曲がかかるが、そこだけはシーンと音楽の間に剥離間が有ったように思う。
しかし、主演俳優の演技の素晴らしさと言い、映画作りの丁寧さと言い、近年では傑作の部類に入る作品である。
まだ観ていない方がいらっしゃったら、是非観ることをお勧めする。

2019年、アメリカ製作、カラー、121分、監督:トッド・フィリップス

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