ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその476-リチャード・ジュエル

2020年08月05日 | アメリカ映画
完璧な作りの傑作。

映画監督の巨匠と呼ばれる人物は、映画の歴史が100年を超えた今、あまた居ると言っても過言ではない。
最近確信したのだが、その中に更に1人、或る人物を加えなくてはいけない。
それは誰あろう「クリントイーストウッド」だ。
このブログでも、何回か彼の映画を取り上げた。そのたびに、彼の映画作りの素晴らしさに舌を巻いた。
今回紹介する映画は、彼の最新作「リチャード・ジュエル」。
純真無垢な男性を描いたものである。
ストーリーを紹介しておこう。

1996年、アメリカ、アトランティックオリンピックが開かれているとき、リチャード・ジュエルは、そのアトラクションを警備する仕事に就いていた。
人一倍正義感が強く、法の執行人としてのプライドを持っている彼は、たとえ警備員でも、責任をもって職を全うする覚悟でいた。
ある日、彼が警備を担当しているアトラクション会場で、ひょんなことから彼は時限爆弾を見つける。
早速警察に連絡し、危険を察知した彼は、独断で、会場に集まっている人たちを避難させる。
やがて警察が到着し、彼が発見した時限爆弾が本物だと分かった直後、爆弾は爆発する。
しかし彼の機転で、多くの人は現場から避難しており、負傷者等は最小限に抑えられる。
翌日、彼の功績を称え、メディア等は彼を絶賛し、周りの人々も彼の功績を称える。
しかし、あることから、彼は一気に転落し人生の危機を迎えるのだが........

ファーストシーンから、既に画面から堂々とした雰囲気が伝わってきて、一流映画の臭いを醸し出している。
このような作りができる監督は、そうは居ない。
なんというか、画面が安定して、安心して観ていられる感じが沸々と伝わってくる。
それと出演者の演技の見事さ。特にリチャード・ジュエルの母親役を演じたキャシー・ベイツは、その抑えた演技で見事に役を演じのけた。これだけでもこの映画を観る価値はある。
リチャード・ジュエルは、過去の行動履歴をリークされたことにより、英雄転じて爆破犯の容疑者として捜査の対象になってしまう。
なんと人の世の不条理なことか、ここからイーストウッド逆襲がはじまる。
正義あるもの、必ず救われる。この映画はそれをよく物語っている。
そして、ジュエルの弁護を頼まれた弁護士のワトソン。彼とともにジュエル達の戦いが始まる。
この弁護士ワトソンを演じたサム・ロックウエルの演技も見事。個性ある演技で観客を魅了する。

クリントイーストウッドはいつも弱者の味方であり、正義感の象徴である。
この映画もそんな彼の主張、主題がはっきりした素晴らしい傑作である、
もしまだ観られていない方が居たら、是非観ることをお勧めする。

2019年、アメリカ製作、カラー、131分、監督:クリントイーストウッド

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