ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその454-ジュディ 虹の彼方に

2020年05月17日 | アメリカ映画
ジュディ・ガーランドの悲しき生涯。

洋・邦問わず、名子役は数多存在した。
しかし、その殆どは、成長するに従い、その存在価値がなくなり、表舞台から姿を消した。
今存在している、子役から成長した役者は、ほんの一握りしかいないと言っても過言ではない。
今回紹介する映画は「ジュディ 虹の彼方に」。
オズの魔法使いで、一世を風靡した、ジュディ・ガーランドの人生を描いた映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

ジュディ・ガーランドは、既に中年の域にかかり、幼い子供二人と、住むところもなく、安舞台をまわっていた。
そんな折、彼女にロンドン公演の話がまいこむ。
彼女は二人の子供を全夫に預け、単身イギリスに渡ることになる。
幼い頃からの心身不安定に悩まされていて、アルコール依存症の癖もある彼女だが、ロンドン公演に賭ける意気込みは凄いものがあった。
その彼女のロンドンでの公演が始まろとするが.......

まずこの映画、驚いたのが、主演のレネー・ゼルウィガーの歌唱だった。
自分で歌うことに拘った彼女の歌は、素晴らしい出来で、聴く者の耳を奪うだろう。
演技もとても悲哀があり、ジュディ・ガーランドの内面の悲しさを良く表現している。
彼女はこの映画で、今年のアカデミー賞の主演女優賞を獲得している。

映画は、ジュディ・ガーランドの一生を決め付けたともいえる「オズの魔法使い」の頃の彼女の生活を、若干フラッシュバックさせながら進行していく。
その結果彼女は常にむき身で、些細な事でも傷つきやすい精神状態になってしまう。
寝られない夜、深くなる酒への依存。彼女は日を追うにつれ、人間的に壊れていってしまう。
ロンドン公演も、最初は上手く乗り切るのだが、徐々に精神的に不安定になり、ステージ開園に遅れたり、ステージ上で客を罵倒したりして、彼女の評価は悪くなっていく。
全夫に預けた子供たちは、全夫と暮らす事を選び、いよいよジュディは窮地に追い込まれる。
その結果、ステージで失敗をしてしまい、ステージ契約を解除されてしまう。

ロンドン最後の日、ジュディはステージの外にいた、そして代役で歌うロニー・ドネガンに「一曲でいいから歌わせて」と懇願する。
ドネガンは快くステージを彼女に譲り、ジュディは最後のステージに臨む。
一曲見事に歌いこなした彼女は、最後の曲に「虹の彼方に」を選び歌いだす。
このころには、観ている私の涙腺が崩壊し、恥ずかしながら、涙で頬を濡らしてしまった。
ジュディはこの公演の半年後に47歳と言う若さで逝去してしまう。

この映画の作りとしては、フラッシュバックのところで、もう少し内容を掘り下げてもらいたいところもあったが、総じて丁寧で良い作りとなっている。
是非皆様にも観ていただきたい一本である。

2019年、アメリカ・イギリス製作、カラー、118分、監督:ルパート・グールド。

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