メリル・ストリープが、かつて、レコードデビューしたこともあったけれど、
成功することはなく、しかし、それでも歌はあきらめきれず、
場末のバーで、自らのバンドを率いて、カバーソングなどを歌っているシンガーに扮した映画、
想像していたより、ずっと「音楽映画」で、楽しかったです。
考えたら、演出のジョナサン・デミ監督は、
Talking Headsのドキュメンタリー『ストップ・メイキング・センス』を撮った人であり、
音楽に対してのこだわりがあるのも、不思議ではないんですよね。
メリルには、あの、ニール・ヤングにギターを習わせ、
バンドのメンバーに扮しているのも、そのニールの実際のバンドのベーシストで、
この映画を撮り終えたあと、亡くなってしまったという、リック・ローサス。
キーボードには、Pファンクの、バーニー・ウォーレル。
ドラムには、Crosby,Stills & Nashのバンドでドラムを叩いていた、ジョー・ヴィターレ。
そして、ギターには、メリル演じるリッキーとのロマンスも描かれる、
リック・スプリングフィールドという、こだわりっぷりに脱帽。(笑)
ストーリー展開は、80年代から90年代前半くらいに多く見られた、
良き時代の、典型的なアメリカ娯楽映画的な流れではありますが、
人種の問題や、LGBTの問題なども、さらっと織り込みながら、
考え方や人物背景も違う、他者を受け入れることの大切さも描いていて、
なかなかどうして、巧みな映画なのではないかと思いました。
トム・ペティーで始まって、ブルース・スプリングスティーンで〆となる選曲でしたが、
↓この曲を歌うシーンが、いちばん、自分はグッときましたです。
http://www.shiawase-uta.jp/
『幸せをつかむ歌』日本公式サイト
http://sites.sonypictures.com/rickiandtheflash/discanddigital/
"Ricki and The Flash"US Official Site