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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (7)

2022-05-26 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

2.売上高利益率 (続き)

(コロナ禍の影響少なく2年連続で利益率が向上したENEOS/出光!)

(2)2018年(度)~21年(度)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-13.pdf 参照)

 2018年(度)から2021年(度)までの4年間の売上高利益率の推移を見ると、メジャーズと邦系2社の動きは大きく異なる。即ち、メジャーズ5社は2020年にいずれも利益率が大幅なマイナスに落ち込んだのに対し、ENEOS及び出光は2020年度、21年度ともプラスであり、しかも2年連続で利益率が向上していることである。

 

 具体的に年(度)の推移を見ると、2018年(度)はChevronが9.3%で最も高い利益率を示し、以下ExxonMobil(7.2%)、Shell(6.0%)、TotalEnergies(5.5%)、bp(3.1%)、ENEOS(2.9%)、出光(1.8%)であった。2019年(度)はChevronの利益率が急下降(2.1%)したが、その他メジャーズ4社はほぼ横ばいであった。これに対してENEOS/出光両社は共にマイナスとなっている。これは先に「利益」の項でも触れたが、2020年初にコロナ禍が始まり、同年1-3月に大きな損失が発生しており、4-3月決算の邦系2社に影響したためである。

 

 2020年(度)はコロナ禍が企業業績を大きく圧迫しメジャーズ5社を直撃している。利益率もbp(▲18.6%)を筆頭にExxonMobil、Shellは▲12%台、Chevron、TotalEnergiesも▲5%台の損失率となった。しかし邦系2社は原油価格の製品価格への転嫁を認める政府のエネルギー政策のおかげで損失を出さずプラスの利益率となっている。

 

2021年(度)は原油価格が回復、メジャーズ各社の利益率はいずれも2018年を上回っている。ENEOS/出光の2社は原油価格の転嫁に加え円安により在庫評価が高くなったことにより、前年度を上回る利益率を達成している。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(5月26日)

2022-05-26 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

 

(中東関連ニュース)

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