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http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf
2.売上高 (続き)
(原油価格とほぼ連動するメジャーズ、影響の薄いENEOS/出光!)
(2)2018年(度)~21年(度)年間売上高の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)
2018年(度)から2021年(度)までの4年間の年間売上高の推移を見ると、まず目につくのは原油価格との連動性である。メジャーズ5社は原油価格の変動との相関性が極めて高いのに比べ、邦系2社の売上高は相関性が低いことである。ENEOSと出光の変動が少ない理由は本稿の冒頭でも触れた通り原油価格の変動をほぼ自動的に製品価格に転嫁できる制度に助けられていることが主因である。と同時に国内の石油市場が成熟しており需要が好不況に左右されにくいためであると考えられる。
具体的に年(度)の推移を見ると、2018年(度)はShellが3,884億ドルと最も多く、次いでbp2,988億ドル、ExxonMobil2,902億ドル、TotalEnergies2,094億ドルでChevronがメジャーズでは最も少ない1,589億ドルであった。これに対してENEOSは1,021億ドルと1千億ドルの大台を超えたが出光は399億ドルにとどまり、Shelの10分の1である。
2018年のBrent原油年間平均価格は71ドル/バレルであったが、2019年は64ドル/バレルに下落、各社の売上も減少した(但し出光のみは売り上げがアップ)。7社の売上順位は変わらなかった。しかし2020年(度)には新型コロナ禍で世界の景気が一気に冷え込み、Brent原油価格も前年比で30%以上下落した結果、Shellの売上高は対前年比でほぼ半減1,805億ドルとなった。特にbpの落ち込みは激しく前年の2,784億ドルから1,091億ドルに激減している。一方、ENEOSは前年比21%の下落にとどまり、売上高(722億ドル)メジャーズで最も少ないChevron(945億ドル)の8割弱であった。
2021年(度)にはBrent年間平均価格は前年の1.7倍に急上昇し、メジャーズトップのExxonMobilの売上高は2,856億ドルに急伸、他のメジャー各社も1.5倍或いはそれ以上の売り上げ増加となっている。これに対してENEOS、出光の売上は1.3倍弱にとどまり、メジャーズとの格差は再び大きくなっている。なおこの年(度)は各社とも前年比では売り上げが伸びたものの、出光以外は4年前の水準に戻っていない。
(続く)
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