(ロシアと日本がそれぞれ輸出入世界一!)
(5) 2017年の天然ガス貿易(パイプライン + LNG合計)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G06.pdf 参照)
2017年のパイプライン(以下P/L)とLNGを合わせた天然ガスの輸出(入)量は世界全体で1兆1,341億㎥であった。輸出量トップはロシアの2,121億㎥であり、内訳はP/Lによるものが1,966億㎥、LNGが155億㎥であった。世界の輸出全体に占める同国の割合は19%である。これに次ぐのがカタールの1,218億㎥であり、内訳はLNG輸出が1,034億㎥、P/L(ドルフィンP/L)はUAE向けの184億㎥である。第3位はノルウェーの1,149億㎥で、同国の場合は殆どがP/Lによる欧州各国向けの輸出である。上記3カ国が天然ガスの三大輸出国であり、3カ国の合計シェアは世界の4割に達する。その他の主な輸出国はオーストラリア、カナダ、アルジェリア、トルクメニスタンなどである。
一方輸入国としては日本が1,139億㎥と最も多く、次いでドイツの948億㎥が世界第2位である。日本は全量がLNG、ドイツは全量P/Lと両国の特色が分かれている。世界第3位の輸入国は中国(920億㎥)であり、第4位以下にイタリア(622億㎥)、トルコ(536億㎥)、韓国(513億㎥)、メキシコ(487億㎥)と続いている。なお米国は名目上の輸入量は829億㎥であるが、一方834億㎥を輸出している。これを差し引くと同国の天然ガス貿易は5億㎥の輸出超過となる。米国は近年シェールガスの開発生産が急増、国内での自給率が高まっている(第3項消費量(5)「主要国の需給ギャップ」参照)。2016年は差し引き202億㎥の輸入超過であったことと比較すると米国は天然ガスの純輸出国になったことになる。
輸入上位2カ国(日本、ドイツ)の世界全体に占める合計シェアは18%であり、輸出上位2カ国(ロシア及びカタール)のシェア29%に比べてかなり低い。輸出は少数の国に握られ、輸入は多くの国が群がっていることが読み取れる。
(続く)
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