Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(73)

2014-04-22 03:30:46 | コラム
いんぐりっどばーぐ「まん」→「まん」がのじっしゃか(漫画の実写化)

ないわけじゃあ、ない。
あるには、ある。

というか、「けっこう」ある。

外国産では、ダントツで『ゴーストワールド』(2001…トップ画像)。
次いで『オールド・ボーイ』(2003)。

漫画の実写映画化、その「成功」についてのお話。

上の2作品については原作を読んでいるので、はっきり成功作と評価出来る。
原作を読んでいないのでなんともいえないけれど、サム・ライミが手がけた『スパイダーマン』(2002)と、一部を除いた『バットマン』のシリーズ(89~)も、単純に面白かったので成功作といえるんじゃないか。

外国産も含めて語ると際限がないので、ここからは日本に限定して。

本年も、本年以降も漫画の実写映画化「予定」の作品が目白押し。
『ルパン三世』(2014)の映像も公開されたし、『進撃の巨人』の制作も本格的にスタートした。

キャストや監督に対する賛否両論は、もはや「あるある」。
そういうことが起こらない作品のほうが「むしろ不安」だろうし、
観る前であったとしたら、そういうことを仲間とワイワイいい合うのが面白かったりする。
思い入れがあるひとほど「ワイワイが、ギャーギャー」しがちだが、そのうち7割が失敗だったとしても、3割は成功するんだ。「映画監督びいき」の傾向が強い自分は、やっぱりそっちに賭けてみたい。


個人的な「漫画の実写映画化」ベストテンは、以下のとおり。


(1)『ヒミズ』(2012)

原作・古谷実、監督・園子温

しかし「園子温の映画」というより、「若手俳優ふたりの映画」(=染谷将太×二階堂ふみ)という感じ。

それでいいし、それがいい。

(2)『空気人形』(2009)

原作・業田良家、監督・是枝裕和

ヒロインのペ・ドゥナをキャスティングした時点で、成功は約束されたようなもの。

ただ監督曰く「ほんとうは日本の女優でやりたかった。でも脱いでくれるひとが見つからないから…」。

ちょっと悔しいよね。

(3)『殺し屋1』(2001)

原作・山本英夫、監督・三池崇史

俳優たちがみんな楽しそうに熱演。とくに浅野忠信。

(4)『青い春』(2002)

原作・松本大洋、監督・豊田利晃

映像の質感が、とてもいい。
20世紀では登場し得なかった、新しい青春映画だと思う。

(5)『月光の囁き』(99)

原作・喜国雅彦、監督・塩田明彦

原作よりいいと思った。エロを大真面目に語る映画、好きだ。

(6)『天然コケッコー』(2007)

原作・くらもちふさこ、監督・山下敦弘

夏帆を発見出来ただけでも「買い」。

(7)『プーサン』(53)

原作・横山泰三、監督・市川崑

毎日新聞夕刊に載っていた4コマ漫画の映画化。
主演の伊藤雄之助の顔面が人間離れ? していて、漫画の世界にピタリとはまった。

(8)『櫻の園』(90)

原作・吉田秋生、監督・中原俊

少女たちの仲間に入りたかった。

セルフリメイク版はあきらかに失敗だったが、なぜ失敗したのか、2作品を比較しても理由が分からない。

(9)『モテキ』(2011)

原作・久保ミツロウ、監督・大根仁

映像の躍動感。

漫画には漫画の、映画には映画の見せかた・魅せかたがある―当たり前といえば当たり前のことを、きっちり捉えたことが成功につながった。

(10)『キューティーハニー』(2004)

原作・永井豪、監督・庵野秀明

監督が女優を輝かせたというより、サトエリがアンノを救ったように見える。

(次点)『バタアシ金魚』(90)


「いま観ると笑える」という点では、『ビーパップ・ハイスクール』(85)も合格! なのかもしれないし、
時間が経てば評価が変わる作品も多い。

ただ改めて思うのは、
演出以上に、やっぱりキャスティングなのかもしれないな―ということ。

以下はワーストの3作品だが、空気を創り出す演出はもちろんペケだったけれども、その前に、俳優とキャラクターがイコールになっていないのが致命的だったなぁ、、、なんて思うわけで。

(1)『漂流教室』(87)

原作の楳図かずおも怒ったとか。

(2)『あずみ』(2003)

週刊誌には「みどころは、上戸彩のふとももだけ」と書かれたが、いやいや、そこにも興味を抱けなかったし。

(3)『最終兵器彼女』(2006)

前田亜季は好きだが、似合わない。


※『オールド・ボーイ』日本版予告編…まもなく、米国リメイク版も上陸





あすのしりとりは・・・
まんがのじっしゃ「か」→「か」いるくーぱー。

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明日のコラムは・・・

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2 コメント

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思い出した・笑 (夢見)
2014-04-22 07:28:21
「ベルサイユのバラ」の外国人俳優の実写版
原作者の池田理代子さんがキャスト選びに関わったのにー出演俳優がイメージじゃなかった

そう思い入れのある作品だとー
こだわってしまう

先に映画を観てから読むぶんにはいいのだけど
返信する
オールド・ボーイ (oyajisann)
2014-04-22 08:20:02
私が観た数少ない韓国映画の一つです。
ただ原作を知りませんでした。
舌切るシーンが苦手、目をそむけました(笑)
観る人の原作の思い入れで評価大分違い
ますよね。
しかしベストに入った作品の原作ほとんど知
らない・・・汗
ワーストはもちろん皆知ってます(笑)
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