Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(55)和田夏十

2022-03-18 00:10:00 | コラム
~和田夏十のキャリア10傑~

英国の俳優ロバート・ドーナットのファンだったことから、夏十と書いて「なっと」。

62歳没、市川崑の相棒として脚本の「ほとんど」を担当、
つまり和田夏十のキャリア10傑を展開することは、「市川崑のキャリア10傑」を展開することと同意。

唯一入ってこないのは、傑作『おとうと』(60)くらいなものかな。
あれは、水木洋子が脚本を担当していたからね~。


(1)『炎上』(58)

三島由紀夫の大傑作『金閣寺』の映画化。


雷蔵も仲代も、宮川一夫による映像美もすばらしいんだが、まずはこれを脚本化したことを褒めるべき。


(2)『黒い十人の女』(61)

90年代、「唐突に」再評価の流れが来て驚いた。

時代にあっていたのかな^^



(3)『破戒』(62)

島崎藤村の名作を映画化。

自分は映画から入って原作を読んだクチ。
もう、「丑松思想」といっても通じない若いひとも増えたのかな…。


(4)『野火』(59)

大岡昇平の戦争文学、最初の映画化。


2度目の映画化(2015)は塚本晋也によるもので、これを機に市川版を観たひとも多かったもよう。


(5)『ビルマの竪琴』(56)

80年代に市川本人によりセルフリメイクされたが、やっぱり最初のバージョンこそ見るべきところが多くて。


(6)『プーサン』(53)

横山泰三による風刺漫画を、怪優・伊藤雄之助の主演で映画化。

つまり夏十×市川のコンビは「原作あり」に強いのですね。


(7)『病院坂の首縊りの家』(79)

横溝正史モノとしては、個人的にいちばん好き。



(8)『鍵』(59)

谷崎文学を映画化、成人指定されていたことに驚き。

京マチ子がひたすら色っぽいんだよなぁ!!



(9)『足にさわった女』(60)

池部良・越路吹雪の主演で撮られたコメディで、テレビドラマ化(生放送)もされており、このバージョンも観てみたい!!


(10)『悪魔の手毬唄』(77)

なにを残し、なにを削るのか。
当たり前のことのように思うけれど、脚色において最も大切なこと。

ここの才能って、オリジナル脚本を書く才能とは「ちょっとばかり」ちがう気がするんだよね。

さて、まもなく開催される米オスカーは、『ドライブ・マイ・カー』の脚色力をどう評価するでしょうか―?

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『横浜と調布なら、そりゃチャリで^^』
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 所詮は派遣、、、なので。 | トップ | 横浜と調布なら、そりゃチャ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そういえば (夢見)
2022-03-18 09:06:26
「破戒」が間宮祥太朗さん主演で映画化されるという記事を夕刊で読みました

ここんとこTVドラマもCMも好調の間宮祥太朗さん
市川雷蔵さんの「破戒」とはまた異なる映画になるのでしょうね


「黑い十人の女」出ておられる女優さんが魅力的ですもの^^
返信する
おはようございます (oyajisann)
2022-03-18 10:36:58
おはようございます。
再評価。
映画でも音楽でも何かのきっかけで突然。
亡くなってからは何だか不憫に何時も感じてしまいます。
蛇足ながら
野火のポスターのミッキーカーチスにびっくりです。
内田裕也とともにロックの親玉でした。
返信する
夢見さん、 (まっき~)
2022-03-18 13:40:30
破戒、いまやるというのは、なかなかの冒険ですよね。
話はだいぶ変えて現代を設定するのか、あるいは、あの時代でやるのか。

それこそ、黒い十人の女こそリメイクしてほしいですけどね^^
返信する
oyajisannさん、 (まっき~)
2022-03-18 13:44:24
すぐにミッキー亭カーチスという別名義が浮かんできてしまいますが^^
世代的に、芳村真理さんと結婚していたこともだいぶあとになって知りました。

再評価ってほんとうに不思議ですよね。リメイクやカヴァーがあったのなら分かり易いんですけど、そうでないケースもあったりして、
人気のタレントさんが好きといっただけで大きな波が来る場合もありますし…。
返信する

コメントを投稿

コラム」カテゴリの最新記事