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にっぽん女優列伝(296)宮下順子

2021-12-17 00:10:00 | コラム
本年最後の女優列伝は5日連続で展開、強引に300回到達させるぜっ!!

1人目は、宮下順子(みやした・じゅんこ)さんの登場。

殿山泰司とのツーショット、これいいねぇ!!



49年1月29日生まれ・72歳
東京出身。

公式プロフィール

宮下さんは、いわゆるピンク映画・日活ロマンポルノで活躍していたひと。

AVの世界と一緒にしてはいろいろまずいとは思いますが・・・
ポルノやAVに出ていたひとの大半が、ほんの数年のあいだに多数の作品に顔を出し、ササっと引退、そのあとは神隠しに遭ったかのように消息不明になるものです。

『愛のコリーダ』(76)の松田英子もそうでしたし。

けれども宮下さんはピンクでデビューした数年後には一般映画に出演、その後もピンク/一般映画の双方をこなしつづけ、未だ(後者の)現役でありつづけています。

美保純の章でも言及しましたが、こういうこと、出来そうでいて、なかなか…のはずなんですよね。


※最高傑作は、やはりこれだと思います



<経歴>

映画俳優デビュー作は、71年のピンク『私はこうして失った』。

以下、ピンク・ロマンポルノの代表作を挙げていきますが、自分が観ているもの限定にしておきます。

『団地妻 女ざかり』(72)、名作の誉れ高い『四畳半襖の裏張り』(73)、『実録白川和子 裸の履歴書』(73)、『(秘)色情めす市場』(74)、

『実録阿部定』(75)、


『肉体の門』(77)、
そして79年、『赫い髪の女』に主演する。

中上健次の原作小説を荒井晴彦が脚本化し、神代辰巳が演出。
宮下さんを石橋蓮司や阿藤海が支え、彼ら彼女らを憂歌団の音楽が包み込む。



なんていうことのない物語なのに、ものすごく胸をしめつけられるものがあります。
未見のひとのためにこれ以上は語りませんが、ぜひ若いひとに観てほしいです。

76年より、一般映画にも進出。

『嗚呼!!花の応援団』(76…96年版にも出演)、
『不連続殺人事件』(77)、『高校大パニック』(78)、『ダイナマイトどんどん』(78)、『博多っ子純情』(78)、
『わるいやつら』(80)、『悪霊島』(81)、『十階のモスキート』(83)、『泪橋』(83)、『人魚伝説』(84)、『薄化粧』(85)、『火まつり』(85)、『早春物語』(85)、『友よ、静かに瞑れ』(85)、『親鸞 白い道』(87)、『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(86)、『夢の祭り』(89)。

『愛について、東京』(93)、『美しい夏キリシマ』(2003)、『アントキノイノチ』(2011)、最新作は『罪の声』(2020)。

けっして目立つ役ではありませんが、出ているとちょっと安心する―そんな安定した演技を披露してくれています。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(297)宮本信子』
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2 コメント

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Unknown (あさ)
2021-12-17 16:19:54
宮下順子さん、「夜がまた来る」で、名美のお母さんを演じていらっしゃいました。
彼女が映ると、どこか湿り気を感じます。

殿山さんとの写真、素敵ですね!!
この写真の殿山泰司さん、カッコいいなぁ。

「赫い髪の女」は、すごく昔に1度観ましたが、まだちゃんと向き合えてなかったと思います。
今観たらどう感じるか。
神代監督の作品を今ちゃんと観たいです。

「実録阿部定」も観たいです!

ずっと演じ続けていらっしゃるの、凄いですね。写真はトークショーですかね。映画館で実際にお話を聞ける機会がもしあったら、嬉しいですね。
 
女優も男優も、作品の中でハダカを引き受ける俳優さん、好きです。
心からリスペクトします。
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あささん、 (まっき~)
2021-12-18 06:44:02
そう、写真はトークショーです^^

そういえばそうでした、お母さん役。
出演作カットしちゃった(^^;)

赫い髪の女は、にっかつロマンポルノの到達点かなぁと。
なにがあるってわけでもないのに、その実、すべてがそこにはある、、、ような気さえしていますね。
なんかちょっと哲学的なことをいってますけど笑、極端にいえば愛のコリーダと同じような世界観のはずなのに、結果はまるでちがうと。
ここに、各々の作家性みたいなものを見て、受け手は感動したり泣いたり怒ったりするんだよなって、そんな風に思うのです。
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