Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

イキるひと

2020-04-15 00:10:00 | コラム
ここ1~2週間の出来事を、つらつらと。


某日深夜―。

大林宣彦の訃報に触れる。

トンチンカンな映画を撮るひとだったが、映像の力を信じているという点で一貫していた。

歳を取るごとに鋭敏になった演出スタイル、しかし本人はいつだって穏やかで、訴えたいことは自作に託していたのだろうね。

そういう意味で、正しく映画監督だった。

享年82歳、合掌―。




某日深夜―。

勤めているホテルでフロントをやっていたらば、単身男性がやってきた。

「―いちばん安い部屋を」
「〇〇円のお部屋をすぐご案内出来ます」

10分後、男はドアを力強く開けフロントに駆け込んできた。

「ネット、見れないんだけど」
「あぁAmazonprimeですね、高めのお部屋だけが利用可能となっているのです」
「なんで最初にいわねーーーーんだよ!!」

ウチはワンフロアのホテル。
その先頭にフロントがあるのだが、奥まで響き渡るような罵声を浴びせかけてきやがった。

出た、やっぱりな。

たぶん3度目の利用で、自分のなかでは要注意人物扱いしていた男なのだった。

前回もチェックインしたあとに「テレビのサイズが小さい」といい出してきて「高くなるに比例して、画面のサイズも大きくなる」と説明した途端に「知るかよ、バカヤロー!!」と、声質だけで頭が悪いと判断出来るような怒鳴り声をあげてきたのね。


そういうときの、自分の対応。

部屋替えはせずに、返金対応をしてお引き取り願う。

たとえ、「お望みの部屋」が空いていようと、ソイツを通さない。通したくない。

だから、

「申し訳ありません、埋まってますね。いま、そちらの部屋しかないのですよ。返金しましょうか」と、キャンセルを促す。


なんでそんなに、イキるのかなって。
じつは損しかないことに、気づいていないのだろうか。

「ごめんねおにいさん、Amazonprimeが観たいんだよ。ほかに部屋ない?」とか、そういうふつうの態度が取れないのかね。

単に客というだけでイキッたり怒鳴ったりしてくる客は、こっちは要らない。
だから、じつは2度とも通すべき部屋は空いていたのだが、売る気はないので「帰ってください」アピールすると。

なにがいいたいかっていうと。

大林さんの映画を観て、その人柄にも触れて、自分の短気が損気であることを知りましょう―っていう。

なんのためにAmazonprime観るのさ?

暇つぶし?

なのだろうが、せっかく、なんらかの作品に触れるのであれば、自分をも高めようとしないと!!




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(327)』
コメント
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