Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(114)

2015-03-19 05:47:24 | コラム
るー「きー」→「きー」すへりんぐ(キース・へリング)

いちばん好きな画家は、映画との関連性も深いことで知られる「光と影のひと」レンブラント。



ずっと眺めていられるなぁ。

どんな光と影の使いかたをしていたのかは、彼の作品を観て知るのもいいし、

『ゴッドファーザー』(72)や『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)を観るのもいいと思う。

次いで、ロートレック。

モデルたちが嫌がる表情を敢えて捉えて絵にするという、その性格の悪さが好き。

3位あたりにつけるのが、アンディ・ウォーホール。

レンブラントやロートレックに比べると「軽い」ことは確かで、なにがいいかと問われても、明確に返せなかったりする厄介なひとでもある。

でも部屋には彼が手がけたバナナの絵が沢山あるし、



シルクスクリーンを用いた彼の作品の数々は、いまでも充分に洒落ているなぁと思う。

芸術運動「ポップアート」とは、ウォーホールのキャリアそのものを指して使われることばだが、彼ひとりのおこないだったとしたら、これほどのムーブメントにはならなかったのだろう。
ゴダールひとりでは、ヌーヴェルヴァーグが起こらなかったのと同じ話。

ロイ・リキテンスタイン、コンラッド・リーチ、ジャン=ミシェル・バスキア、そしてキース・へリング。

みんなポップアートのひとだが、とくにバスキアとヘリングの作風は「落書き」と評されることも多く、好きは大好き、嫌いは大嫌い―と評価は二分する。

自分?

はっきりいって、バスキアは分からない。

ヘリングも分からないが、人気が出るのは分かる。



単に、かわいいし。


バスキアのキャリアは、彼と親交が深かったジュリアン・シュナーベルによって映画化された。

綻びが散見される出来ではあるものの、自分は好き。
色調も、音楽も素敵だし。

※ウォーホールを演じるのはデヴィッド・ボウイだ!!





ヘリングの作品はユニクロのTシャツなどになり、若いひとにも受け入れられている、、、ものの、彼のキャリアに焦点を当てた映画はない。(ドキュメンタリーを除く)

HIVを患っていた。
31歳で亡くなった。

地下鉄構内をキャンバスと捉えたアートは、日本のクソガキが高架下などに「でかでか」とスプレー落書きする行為に間違いなく影響を与えている。

などなどなど、映画化に適した要素を沢山備えているにも関わらず!!

もったいない、じつにもったいない。
ただ、ここ数日の速報で、マイク・タイソンやスティーブ・マックィーンの伝記映画が制作されるというニュースを聞いたので、米国はちょっとした伝記映画ブームなのかもしれない。

この波に乗れば、ヘリングもひょっとして・・・と期待している。


さて問題は、日本のクソガキたちによるスプレー落書きだ。

あれ見て感心したことが、いちどもない。

なぜなら、既視感120%だから。

どうせ落書きするならば、オリジナリティ溢れるものにしようよ。
賛否はあったものの、オリジナリティに溢れていたからこそ、バスキアもヘリングも「ときのひと」になったのでしょう。

誰かのマネゴトは、消したくなる落書きの「一歩先」には進めない。

これ、消さずにそのままにしておこうか―行政のひとが、そんな風に感心するような落書きを描いてみせてくれよ。


次回のしりとりは・・・
きーすへりん「ぐ」→「ぐ」っどふぇろーず。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『れんちん』

コメント (1)
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