About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

積立についてはさらなる検証が必要かも

2011-01-07 20:31:54 | リンク
ちょっと前ですが、日本のFP向けに毎月送付される『FPジャーナル』の整理をしていたら、その中に米国版『Journal of Financial planning』(2010年8月号)の記事の一部が掲載されていました。

テーマは「収益評価基準とドルコスト平均法」。
一括投資とドルコスト平均法(一定額を買い付けていく方法)の違いについて解説されていて興味深い内容でした。
(興味のある方は「FPジャーナル」の2010年11月号をご覧ください)

こちらの記事では「一括投資を行う場合の評価基準には幾何平均収益率が適しているが、ドルコスト平均法(一定額を買い付けていく方法)の投資では収益率の順序も重視した別の評価基準を用いるべき」と指摘しています。

・用語:幾何平均
過去のデータから将来を予測するのに、なぜ幾何平均を基にするのか?については、ファンドの海のイーノさんが詳しく書いているのでそちらをご参照ください。

●一括投資の場合には、年間収益率の順序は最終的な資産の価値には影響せず、収益率のばらつきや順序にかかわらず、幾何平均収益率は同じになる。

●一方、ドルコスト平均法の場合には、最終資産の価値は収益率の順序によって大きく異なる

●定期的な投資には、対象期間における資金の出入りによる影響を加味しない幾何平均よりも、資金の流れを考慮した金額加重(ここではドル加重)のほうが収益評価基準として適切と考えられる

●100%株式投資が多大な収益を挙げられる確率は低い

●積立投資による最終的な目標資産額の大半は対象期間の終わりの比較的短期間に形成されることから、若い頃から比較的バランスの取れたアロケーションを維持するメリットは大きい

といった見方はなかなか新鮮でした。一部ではなく、全体を読みたいです。

*積立については『半値になっても儲かる「つみたて投資」』(星野泰平著)が積立について検証していて参考になります。

若い方が現実的に資産形成をしようと考えたとき、一括投資より積立を活用(もしくは併用)するのが現実的です(401kの導入も進みましたし)。
そういう意味では、どう積み立てたらいいのか、そして、資産をどう取り崩していったらいいのか--については、今度さらなる検証が必要だと感じています。