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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと

2011-05-25 09:07:32 | リンク
この本は投信評価会社モーニングスター代表取締役COO、朝倉智也氏から献本頂きました。

今後の運用のキーワードとして「新興国」と「金」をあげています。
その上で、20年後を見据えた資産配分も提案されていますが、20年後の世界の姿に合わせてポートフォリオを組むというかなり大胆なもの。
具体的には「6割を外国株式に、3割を外国債券に、1割を金に振り向け、株式と債券のうち半分を新興国に投資する」となっています。

国内資産を一切組み入れない理由としては、
・公的年金や企業年金、預貯金や保険なども含めると、かなりの部分を国内に投資していること、
・今後受け取る給料は日本円がほとんど(金融資本より人的資本のほうがずっと大きい)
ことなどをあげています。

個人的には、金融資産をトータルで考えるという点は同意しますが、資産配分は個人でリスクをコントロールできる範囲(個人の金融資産+401k)」について考えればよいと思っているので、この辺は考え方がやや異なります。また、運用利回りにについて触れられていますが、「リスク」についても触れてほしかったです。

後半はモーニングスターのサイトを活用した投信選びになっています。いいファンド、悪いファンドを商品名を出して説明していて、「投資信託にだまされるな!」の著者である私がいうのもなんですが、勇気あるなぁと思ってしまいました(苦笑)。全体的にモーニングスターのウエブサイトの機能を活用して商品を選ぶためのポイントがよくまとまっているので、実践的に使える本だと感じます。

モーニングスターのサイトはリニューアルされ、使いやすさが向上しています。例えば、投信の「月次資金流出入額」がみられるようになったり、金関連商品では「現物の裏付け」欄ができたり-(イボットソンの「投信まとまび」サイトもできて、いい意味でそれぞれが向上している気がします)。

以前、決算説明会のときに朝倉社長が「受益者維新」を掲げていましたが、自分自身で判断して商品を選択する個人が増えるためにも、こうしたツールが充実していくことはいいことですね。会社で確定拠出年金が導入されたものの、商品情報が充実していないという方はこうしたサイトを活用してもいいでしょう(DC用の投信の情報も掲載されているので)。