Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「きもの」展@東京国立博物館

2020-07-03 13:00:28 | 機内食・映画・美術展

6月からようやく再開した東京国立博物館。
購入してあるメンバーズパスはお休みしていた期間分延長してくれるそうだが、すでに2つ見たかった特別展が飛んでしまったことだし、まだ残っている観覧券を使うべく、久しぶりの上野へ。

するとホームから公園口へ上がったところでなんだか今までと様子が違う。
 改札口がずれているし、出ると今まで横断歩道を渡らなければならなかったところがまっすぐ公園の中まで歩道になり、道路は工事中。駅舎の上部もなにやらおしゃれな外観になっていて驚いた。
動線の悪い上野駅はまだまだ改善の余地大だが、とりあえず公園へ楽に入れるようになったのはめでたい。

会期をずらしてようやく開幕にこぎつけた西洋美術館の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」を横目に国立博物館の門までたどり着くと、ロープがいっぱい張られてスタッフがいっぱい。
入場に日時指定の予約が必要になったためだが、暑いのにご苦労様なことだ。

今回は午後の3時に行ってみると、予想通り人出は少なくて楽々。
ヨーロッパの美術館ではもう常識になっている事前予約、いつが混んでいるか申し込む前に分かるし、一定以上は混まないと保証されているのでとてもいい。
今後はコロナがあろうとなかろうとずっと続けていただきたいもの。
  
というわけでやってきた平成館。
「きもの展」は当初4月から6月に予定されていたものが6月30日から8月23日にずれたもの。

展示は鎌倉時代の小袖から始まってほぼ年代順に並んでいるが、下着が上着になり始めた戦国時代から江戸初期が一番魅力的。
 
着物の写真はHPより

今見ても大胆なデザインで華やかなものが多く、日本人って元々は派手好みだったんじゃないの、と思う。
ついこの間読んだばかりの谷崎潤一郎先生の「陰翳礼讃」に言わせれば薄暗い燭台の元で暮らしていたから派手な金糸の縫い取りが必要だったということになるけれど、安土桃山時代の明るさはお日様の下が似合うような気がする。

 
尾形光琳の手書きの着物にはうっとりするし、豪商の娘の婚礼衣装も友禅で豪華。
300年以上も昔の衣装が残っているのはもちろん庶民のものではないけれど、町方のためのスタイルブックのようなものを見ても粋なデザインがいっぱいで、現代の目で見ても本当におしゃれ。
逆に大奥で着られていた衣装などはびっしりと刺繍が施されてどれだけ贅沢だったんだと思うが、デザインとしてはもっさりとして堅苦しい。


中で天璋院篤姫が着ていたという着物には好きだったという雀がいっぱい飛んでいてかわいく、もしかしたら本人がデザインしたかもしれない信長の山鳥の羽毛をびっしり付けた陣羽織は奇抜で、秀吉の陣羽織の方は当時とんでもなく高価だった布が使われているとか、なんとなくこの人たちの性格が出ているようで面白い。

 男物は江戸の火消半纏の、これは火を消した後に裏返して着た裏地だそうで、他にもびっしりと刺繍した豪華な下着とか、どこで見せるためのものだったのかと思わず想像してしまう。

最後には大正期から現代まで、久保田一竹の豪華な辻が花や岡本太郎、呉服屋の長男というYoshikiの着物まで展示されているが
 現在の三越の包み紙は人間国宝によるこの着物の柄を採用したもので、包み紙が着物になったわけではないそうな。

と最後の方はかなりはしょったものの、博物館推奨の90分ではとても見られなくて2時間たっぷりかかった。
お着物の女性も多く、皆さんじっくり見ているが空いているのがうれしく、期待以上に楽しめた。
午後の遅い時間ならおしゃべりおばさんも少ないので、これからは午後に来ることにしよう。

ミュージアムショップでは着物柄のグッズに心ひかれつつ
 またこんなものを買ってしまった。

帰りは千駄木に出て
 
「おにぎりカフェ 利さく」で早い夕食。
夜外食するのもずいぶん久しぶりだ。

 谷中の延命地蔵に手を合わせて、西日暮里から帰った。


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ブータンのコロナ事情

2020-07-01 10:36:53 | ブータン

あるご縁から日本ブータン友好協会会報の6月号をいただいた。

トップ記事の一つは王様に第二王子が誕生、というものだが、中に首都ティンプー在住の方の近況報告があって、これがすこぶる興味深い。

ブータンはインドと接していることもあって3月の頭には国境を閉鎖、それでも中東などからの帰国者から6月中旬までに67人の新型コロナ感染者が出たとのこと。
幸いにして死者は0だそうだが、学校も早々に閉鎖になったそう。

驚くのはその先で、学校に通えない生徒たちのために国営ラジオやテレビを通じてオンライン授業が実施され、SNSを通じて毎日宿題が送られてくるとか。
しかもデータ受信の経済負担を軽減する為に、生徒対象のデータ通信割引サービスまであるのだそうだ。

さらに4月中旬からは追跡アプリが導入されて、市場にもQRコードをスキャンして入場するとか。

思えば初めてブータンに行ったのは1996年。その時にはまだテレビ放送さえ始まっていなかった。
最後に行ったのは2008年で、その時でも携帯電話を持っている人はほとんどいなかったと思う。

首都と田舎ではだいぶ事情も違うだろうが、それでも奥地の村でスマホを持っている人に出会っても今やもう驚くにはあたらないのだろう。

周回遅れとか言われながら、ブータンはある意味もう日本を追い抜いてしまったよう。
自由に動けるようになったら、久しぶりにブータンに行ってみようか。


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