Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

東京国立博物館 創立150周年

2022-10-29 15:18:08 | 機内食・映画・美術展

愛する東京国立博物館が今年は創立150周年。
特別展に力が入っているようなので早速行ってみた。

 やってきたのは日も傾く午後4時前。

まずは東洋館に入って、大好きな大谷探検隊の展示室へ。
 
もう何度も見ている収蔵品だけれど、お目当ての特別出展品がない、と近くにいた学芸員に聞くともっと上の階にある、と丁寧に案内してくれた。東洋館って階段式の造りでいささかわかりにくいんだよね。

と文句を言いながらやってきた第5室。
 見たかったのは1910~14年の第3次探検隊が敦煌やトルファンから持ち帰ったという染織品。
  まさに布の切れ端ではあるのだが
 
よく見ると菩薩の姿が細かいチェーンステッチで表されている。色も良く残るこれらが7~8世紀のものとは。

 
パッチワークのような布とか垂飾とか、正倉院や法隆寺にもこんなものがあったよね、とシルクロードから日本にまで伝わる文化に思いを馳せる。

それにしても大谷探検隊、説明を読んでいたら第3次隊を率いた吉川小一郎は出発時25歳、橘瑞超に至っては20歳だったというのだから驚いた。明治ってすごい。

この同じ部屋ではイスラーム陶器の特集展示もあって、これも見たかったものの一つ。
  
   
中国唐代の白磁からイランやイラクの三彩、ラスター彩。
 
特にラスター彩にコバルトの青色が入ったものがきれいで、数は少ないが素敵なコレクションだ。

これだけで東洋館は切り上げて本館へ。
1階すぐ右手の彫刻室は毎回必ず入るけれど、今回は150周年ということで特にいいものが展示されているよう。
 
この鎌倉時代の菩薩には前にもお目にかかっていると思うが、ポーズもお召し物もなんとも優雅。
 
こちらの小さな文殊菩薩は腰布の截金細工が美しく
 獅子に乗った文殊菩薩と侍者たちも素晴らしい。

2階もちょっと覗いているうちに本館は閉館の5時になったので、連絡通路を通って平成館へ。
 実はここからがメインイベント、週末は夜8時まで開いている特別展の「国宝 東京国立博物館のすべて」へ。
予約は4時半~5時半のスロットで取ってあったが、5時も過ぎてから行くと行列もなくてすぐに入れた。
この時間指定の予約制、コロナがおさまってももうずっとこの方式にすべきだ。

さて、この特別展、第一部はタイトルの通り、東京国立博物館所蔵の国宝一挙出しということで、展示品がすべて国宝という豪華さ。
途中展示替えが2回あるのでトーハク所蔵の89点を一度に見られるわけではないが、この日も長谷川等伯の松林図を始め、平治物語絵巻や雪舟の2枚、渡辺崋山などが見られて眼福。

しかし国宝には書跡や刀剣が多くて、これらにはまったく興味がないので刀にへばりつく女の子たちを横目に素通りするとあっけなく第一部を見終わってしまった。
そして第二部に入るとこちらは東京国立博物館の150年の歴史を振り返る展示なのだが、昔の写真などのパネルが多くて地味。展示品も天皇の鳳輦から和宮の十二単、生き人形からキリンの剥製までばらばらで、こちらはもっとデジタルを使うとか、見せ方に工夫が必要だったのではないだろうか。
こちらでの発見は有名な光琳の風神雷神図屏風や遮光器土器が国宝ではなかったということぐらい。

最後には写真撮影可の展示が2つだけあって、こちらはもちろんスマホの嵐。
 
新収蔵という金剛力士像と
  あまりに有名な見返り美人。
しかし考えてみると本館で通常展示されている時には国宝も大体写真が撮れるんだよね。

ということで、期待した割にはこの特別展には感動がなくて、すべて国宝といえどもちゃんとテーマに沿って見せなければ散漫な印象になる、とおこがましくも実感した次第。
好きな仏像がないのももう一つ面白くなかった理由だが、考えてみれば国宝の仏像はお寺にしかいらっしゃらないのだ。

 
特設ショップにはラーメンとか遮光器土器人形なんてものもあったけれど
 レジの大行列に恐れをなして手ぶらで会場を出た。

 6時20分に平成館の外に出ると6時30分の入場を待つ人たちの大行列。7時過ぎに来れば並ばなくて済むのに。
 
いつもは見ないライトアップされた本館と表慶館がきれいだった。


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コメント (2)
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