人間万事塞翁が馬

長い人生では、人の周囲に何がどのように展開されるか分からない。だから人生は生きている価値がある。

為替

2024-05-15 11:49:00 | Weblog
今でも忘れませんが、かつて日本企業が円高で苦しむ中、巨大市場を目指して中国へ進出した某中小企業がありました。当時は行政側も成功例として称え、某中小企業の経営者を異業種交流会の講演者として行政側が招いたことがありました。当時、私も大勢の視聴者とともに講演会に参加していたので鮮明に記憶しているのですが、その中国へ進出した某企業は後に中国企業となってしまったようです。つまり大企業ならば兎も角も、中小企業で経営ノウハウが無ければ企業ごとノウハウまで奪われてしまうのです。

中国に進出している大企業は過去の事例も研究し尽くしているので、中国でも事業で失敗することは少なくなったと思われます。しかし、他国で事業を広げることは大企業も含め容易な事ではありません。現地の信頼ある専門家を通して、現地の法律に精通して則った上で初めて事業は可能ですが小規模の企業には難しいと言えます。かつてIT業界でも、中国は人件費が安いということでオフショア(海外へ仕事を発注すること)が流行りましたが、成功例は極僅かです。

日本の製造業が円高により採算が取れないために、当時は人件費の安い中国をはじめ東南アジアへ進出しました。しかし反動で、国内の製造業は空洞化現象が起き、製造業では多くの失業者も発生しました。今、日本は円安で輸出企業には有利ですが、高価格の原材料を輸入しても輸出で採算をとるのは難しいのが現状です。円安で儲けている企業はドル決済をしているところで、為替差益で国内的に儲けているように見えるだけです。為替を長期視点で考えることが重要です。
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