子どもの頃に祖父より「僧侶にならないか」と問われたことがあります。私は幼いころから仏様によく拝んでいたので、その話をされるのが一番嫌いでした。農家なのでまさかとは思うのですが、誰でも修業を積めば僧侶としての道も開けるのかもしれません。
実は週末に楽しみにしている「やまと尼寺 精進日記」というTV番組があります。住職と副住職、それに修業している女性の3人の生活風景のドキュメンタリー番組ですが、3人の女性の日常会話がいつも微笑ましいのです。
食事は確かに精進料理なので肉や魚は出てきませんが、結構美味しそうな料理を皆で手分けして作るのです。私は年季の入った住職のファンですが、お寺の大黒柱なのに意外と茶目っ気もあり、周囲からも親しまれている人なのです。
時々、ご近所でご主人が無くなり一人住まいの女性も加わり、4人でも会話も食事も和やかで楽しそうです。あの幸せそうな3人の光景を見ていると僧侶の仕事もまんざらではない印象を受けます。
奈良県の山中にある1300年くらいの歴史で由緒ある観音寺のようですが、長年地域に溶け込みながら日々を檀家とともに存在する日本の数々のお寺は人々にとって大切な場所だと感じた次第です。