人間万事塞翁が馬

長い人生では、人の周囲に何がどのように展開されるか分からない。だから人生は生きている価値がある。

ヘンリー・キッシンジャー

2023-11-30 14:18:36 | Weblog
 元米国務長官、ヘンリー・キッシンジャー博士が亡くなられました。と言いましても最近はご存じない方が多いと思います。かつて生前のご健在時に年末に開催されていた日高義樹さんによる「キッシンジャーの予見インタビュー」を毎年楽しみにしていたことが懐かしいです。

世界情勢は益々混沌として複雑さが増していますが、キッシンジャー博士のような政治家と関わりつつ、長年の歴史観とともに、世界を俯瞰しながら年末に未来を予見してきた学者は少ないのではないかと思います。

日本の政界との付き合いは比較的に薄かったと感じますが、中国政府からは70年代の日中国交正常化以来今日に至るまで絶大な信頼を得てきた方でした。隠密外交で紛争当事国の歴史的な和解を実現してノーベル平和賞を受賞した方でもあります。

近年、キッシンジャー博士のような世界で知られる外交的な存在が、各国ともに人物的に求められているのではないでしょうか。在りし日のご活躍が今でも記憶に残っています。
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関西万博

2023-11-29 11:12:05 | Weblog
1970年(昭和45年)の大阪万国博覧会は、1964年(昭和39年)の東京オリンピックの開催に続き、更なる日本の成長と新しい時代を切り拓こうとする外国を招致し、日本と平和の糸で繋ぐような大イベントだったように記憶しています。我々もこの目で各国の特色を知る良い機会でした。翻って関西万博の評価は今一つ盛り上がらないように映ります。関西万博にロシアが不参加を表明しましたので、今回はこの話題に触れてみたいと思います。

50数年前は日本経済も高度成長が続いており、政府を挙げて行け行けドンドンの状況でした。しかし政府もあまり注目していないような印象を受けます。つまり開催の意義や目的が国民へ明確に伝わっていないのではないでしょうか。開催ありきでスタートしたので、予算も為替の変動などで1千億円近く増えるようですから、経済効果的にどうか、投資をどのようにして回収するかも公には触れられていないようです。

国家財政がひっ迫する中、地方自治体も税収に限りがあるのが現状だと思われます。工事も着工されて、今更中止というわけにもいかない事情もあるのでしょう。問題はオリンピックのように施設を継続的に使えないので、万博が終わったら解体して跡地は別の用途に使わざるを得ないのです。しかし、その先の計画もあまり国民の目には見えてきません。関西だけの話ではないことを国も認識しているはずですからもっと注目すべきだと考えます。
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殻を破る

2023-11-28 15:38:32 | Weblog
需要と供給で価格は決まるのは経済の基本ですが、これまでの全国一律の価格の設定を地域ごとに変動させる動きが外食産業にも見られ、収益にも寄与しているようです。地域ごとの顧客のニーズが把握できれば、製品の値上げを市場に浸透させることも可能だということです。ネットサービスやDX、GXが活発化する中でIT技術者の確保が課題となっているソフトウェア業界ですが、稼げるプログラミング言語にも需要と供給の関係で月額単価の違いも浮き彫りになっているようです。

今後、技術者不足に対応するにはIT技術者の報酬を改善する必要があり、言語の市場価値を経営上において意識することも需要です。未だSESが中心でSIerの下請けが中心のIT企業が多い中で、下請け仕事の脱皮を図ることは、言語の市場価値も含め、付加価値を上げて技術者の報酬に還元する上でも必要なことです。IT市場の動きに敏感になると同時に、技術者向けの教育に企業として積極的でなければならないと考えます。

小中学校のプログラミング教育をはじめ、高等教育においてもIT人材の育成が急務となっています。日本が競争力をつけるにはDXやGXを強力に推し進める必要があります。国内の人材不足を補うためにもDX,GXをフルに活用しなければなりません。我々も「紺屋の白袴」にならないよう、自分たちが率先して社内のDXを推進し、お客様のサービスにも応えていきたいと考えます。現状の殻を破らなければ新しい価値は生まれないという事です。
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育て方

2023-11-27 13:52:11 | Weblog
最近の若い人たちの傾向を見ていますと、かつての金太郎飴のような育て方では満足できない人と、多少の不満を持ちながらでも敢えて自ら行動しない人がいます。満足できない人は更に能力を伸ばそうとチャレンジします。スポーツの分野でも、日本の若者が世界でも戦えるようになったのは、現状に満足できない人たちが自分の可能性を見出すために海外でチャレンジするようになったからだと考えます。ビジネスの観点からも参考にすべきです。

ビジネスの世界でも、チャレンジ精神を内に秘めて更なる能力を活かしたい人と、現状に満足してチャンスがあってもあまり努力をしない人がいます。かつての高度成長時代における大量生産時代は年功序列の賃金体系で、個々の能力は今日ほど評価されませんでした。それが当たり前の日本社会だったのです。残念ながらバブル崩壊するまで気が付かなかったため「失われた30年」という低空飛行を日本経済は歩んできました。

スポーツの世界でもビジネスの世界でも、個々の能力に合わせた育て方をしないと企業も成長しない、競争に勝てない時代となってきています。企業内教育から経営戦略まで変えていかないと、向上心の強い優秀な人材は活かされないと折角の人材も企業に残らないでしょう。これからの企業は採用力と人材を活かす力の勝負です。収益向上には付加価値を上げるため人材の能力を最大限に生かし、併せて賃金を上げる仕掛けしかないと思われます。
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立て直し

2023-11-24 12:10:56 | Weblog
日本経済を何とか立て直してほしい。この事は、高度経済成長時代に小中高時代を過ごした私たちとしていつも抱いている願望です。失われた30年と言われて漸く、何とかしなければと多くの政治家や財界人が考えを巡らしているのが現実です。国家主導で半導体業界へ行う巨額の投資も、過去の産業政策において失策したことへの反省によるものです。「日はまた昇る」かどうかは誰にも予想できませんが、良い方向へ向かうことを密かに期待します。

懸念されるのは巨額の投資をして量産化が可能となった時に実際のマーケットを確保できるかということです。量産化しても価格競争に勝てなければ需要の確保は厳しくなりかねません。もう一つは巨額の投資を継続的に続けられるかどうかです。国力が年々強くなっているならば問題ないのですが、一人当たりのGDPが伸び悩むことになれば継続的な投資も難しくなります。つまり国の財政が持たなくなるからです。

生成AIなど第2のインターネット時代が到来すると言われていますが、GFAMに世界市場や半導体の需要も抑えられてしまうことも懸念されます。これから色んな事業の新しい展開も現れる時代ですが、日本も世界に向けて新たな需要を創り出すことを考えなければなりません。円安はチャンスでもあるので、儲けを次世代の投資に向けて産業界は動き出さなければなりません。日本語の壁を取っ払い、自ら世界へ進出していく勇気を持つことが重要です。
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仲人の存在

2023-11-22 12:38:53 | Weblog
 このところ、日本の少子化対策をどうにかしなければならない、と自分なりに考えているのですが残念ながら社会が変わってしまって、かつてのような仲人という存在も聞かれなくなりました。社内で結ばれる環境があればいいのですが、男性中心の職場や女性の働き手が多い職場では異性が出会う機会も少ないので、かつては仲人という存在があり社会的に機能していました。

現代社会は男女雇用均等法のもと、男女ともに働き続けることが当たり前の世の中です。家庭の在り方も時代とともに変わって当たり前で、家事育児も男女共同作業となるわけです。家庭を持とうという男女がいなければ子どもを持とうという発想も生まれません。しかし、現実は男女が知り合う機会がないために家庭もできず子どももできない、という環境なのです。

折角、高齢化社会の日本になっているので、シニア世代を行政が巻き込んで仲人のような仕組みを、地域社会の中につくっていく活動が必要ではないのだろうかと考える次第です。出会いの場を地域社会がつくることで日本の活力はもっと強くなるはずです。日本経済を伸ばす秘訣は難しい事ではなく、子どもを増やすために家庭をつくる後押しを社会がすべきです。
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若かりし頃

2023-11-21 18:52:35 | Weblog
先日、創価学会の池田大作名誉会長が95歳でお亡くなりになられました。ニュースを見て早速、知人の創価学会の方に電話を入れて故人の在りし日を偲びました。私自身は創価学会員ではありませんが、長年熱心に信仰を続けている友人や知人は存在します。聖教新聞も時々お付き合いで購入したり、選挙の際には公明党への支援を頼まれることも度々あります。

70年代には創価学会の会員による大学内で折伏という入信への勧誘も多かったことを記憶しています。当時の学内では学会員による会員拡大が強力で、私の大学時代の友人もいつのまにか学会員になっていました。私はどちらかというと自立心が強かったので、友人とは夜中まで議論して彼らに異議を唱えて、寧ろ彼らの考え方に反発していました。

池田大作氏は当時の創価学会の会長で、当時から友人たちも知人も崇高な先生として尊敬していました。学生時代に、創価学会と公明党の繋がりは憲法の政教分離に反する、と私は異議を唱えていましたが、彼らは別だと主張していました。当時は微妙な時期でした。でも創価学会という組織が、日本国内はもとより海外まで広く思想的に認められてきたことは大変な功績だと考えます。
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余談

2023-11-20 15:19:12 | Weblog
本日は業界で未だにご活躍の方と久しぶりに歓談しました。業界で若い頃から活躍されて前職の会社を上場まで導かれましたが、決して偉ぶらないご性格と幅広い人脈をお持ちの方でもあります。 実は女性の方なのですが、日本企業もこの方のような人望のある女性を役員などにもっと登用する世の中になってほしいものです。さもなければ柔軟性のある働き方は難しいし、働く社員のモチベーションの高まりや業界の成長にも繋がらない気がいたします。

残念ながら上場企業の副社長で終わられましたが、私は社長に押すべき人物だったと考えています。しかし、日本企業も未だに男性優位な社会構造が続いています。漸く少しずつ日本の社会も変わりつつあり女性のリーダーが誕生してきていますが、欧州などと比較すると時代遅れの感覚は否定できません。少子高齢化も半世紀前から予想されていましたが、女性が働けない世の中を今日に至るまで続けてきたので少子化にならざるをを得なかったのです。

夫婦別姓が許されないのも古き時代の慣習を引きずっているからではないでしょうか。欧州では未婚の出産でも社会が同等に受け入れていますが、日本は非嫡出子という訳も分からない表現で差別が続いているのが現状です。残念なのは、生まれた子どもを認知したにも関わらず法律の定め通りに養育費を払うことも強制されていないことです。つまり、男性の至らなさで貧しいシングルマザーにならざるを得ない社会も放置されているような気がします。

話が外れてしまいましたが、後半は私自身が感じている社会の現状です。兎に角、女性が働きやすい環境をつくらなければ少子化の問題は解決できないと考えます。欧州などに比べると社会の在り方が何周回も遅れていますので、もっと女性議員を増やして安心して出産できる(子どもは社会が育てる)社会環境を整備することが必要です。世界のリーダーが男性ばかりなので紛争も絶えないのですが、民主国家から少しずつ変わり、積極的な女性を応援する国をつくるべきでしょう。



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日本経済

2023-11-17 13:44:06 | Weblog
日本経済の7-9月GDP年率2.1%減というニュースには少なからずショックです。先の貿易収支では14兆円の黒字が発表されて安心していたのですが、輸出入額だけの差し引き計算で日本経済の強さを図ることは不可能です。日本企業の業績も最高の利益を上げていますが、グローバル企業による円安差益によるところが大です。本来はもっと円高で利益を稼げるようにならなければ日本経済が強いとは言えないのです。

残念ながら日本は今後とも少子高齢化が止まらないので国内消費が増える可能性は少ないと考えます。やはり経済成長の中心地となる地域は若年層の人口が増える地域です。中国は今後高齢化時代を迎え、いずれ日本同様に社会保障費が膨大になりますので、経済成長は長期的に鈍化する方向でしょう。その点、今後期待されるのはインドであることは異論の無いところです。日本はインフレに耐えうる経済力を付けなければ消費は萎む一方です。

これから南半球の国々が経済成長すると言われています。つまり、グローバルサウスという新興国や途上国が人口も増えるし経済も成長することは間違いありません。日本も国内市場ばかり頼らないで、これから発展する可能性がある国々の需要を取り込めるかだと考えます。もっと日本人はスピードアップした行動を取る必要があります。日本のEV化も遅すぎますし、先進的な技術で欧米に立ち遅れて後追いになるのは避けなければなりません。
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帰路に際して

2023-11-16 19:06:20 | Weblog
最近、20代の若い方を見ますと羨ましい限りです。これから長い人生が待っているので、若い人には人生の可能性が無限にあるからです。一方では自分自身の残り少ない人生と比較しがちになります。しかし、若い時には可能性など意識しないで毎日を過ごすのが普通です。中には大切な命を粗末にしてしまう人がいますが、若い人たちにはどうか長い人生を紆余曲折はありますが前向きに歩んでほしいものです。

こんな話をしますのも、旅先の車中で見かける10代や20代の若い人たちがこれから先どのように成長していくのだろう、という思いにふと至ったからです。人生は一度限りですから、この世に生を受けたからには、長い人生を日々大切に生きてほしいのです。私自身も50代半ばまでは必死に仕事を優先して生きてきました。古希を過ぎた今、周りを見渡してみると現役で働いている人の数はごく僅かとなりました。

つまり、仕事人生には始まりがあって、繁忙期があり、終わりが必ず到来します。残りの人生も多少なり仕事に関わることができれば、自分の若さも少しは保てるのではないでしょうか。やはり、若い人たちと接する機会を長く維持することが大切だと考えます。今回、10年振りに伊勢神宮へ参拝に訪れましたが、これまで無事に会社も自分自身も生きてこれたことに感謝し、お礼参りができたことが今年最大の満足でもありました。
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