深夜に今年の集大成として、弊社にはどんな言葉が相応しいだろうと考えてみましたところ、「天地人」という中国の思想家「孟子」の言葉がフッと思い浮かびました。「天地人」という有名な一節の意味は「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」ということです。つまり、天の与えるチャンスも土地の有利には及ばず、土地の有利な条件も民心の和には及ばないと言っているのです。結果的には周りの人との信頼関係や協力があって始めて大きな成果が得られる、この一節はビジネスの成功につながる方程式だと言われています。
2008年にリーマンショック、2011年に東日本大震災が起きて、産業界は危機的な状況とも言われていました。私はこのピンチをチャンスに変えたいと、翌年にはオフィスを新横浜から横浜へ引っ越して現在のビルに入居しました。このビルは、過去にトヨタと競っていた日産の所有する芙蓉グループしか入居できなかった長年憧れていた横浜駅東口で唯一の利便性の高い高層ビルだったのです。当時、ルノーから日産の社長となったカルロスゴーン氏がリストラの一環で民間に売却されたために我々もオフィスとして入居できたのです。
産業界の危機はいわばどん底から上昇するチャンスでもあり、このビルに引っ越すことで会社経営において再び心機一転を図ろうと考えていました。幸運にも従業員も増えて、お客様との信頼関係も増し、さらにビジネスパートナーの会社様も増えて、この10年間は破竹の勢いで業績も右肩上がりに向上したのです。おそらくライバルの同業他社様も不思議な目で注目をされていたのではないかと想像します。当然、帝国データバンクからの情報でM&A仲介会社のターゲットとなったのではないかと考えます。まさに「天地人」の言葉通りです。