さあ、ティンマシーンですよ。
ボウイ逝去後も特に再評価される訳でもなく、かと言って酷評するほどの内容でもなく、まあリアルタイムで聴いてた人以外はあえて聴かないでしょう。
皆さんご存知だと思いますので、その必要も無いかと思いますが(笑)、念のために説明しますと、ティンマシーンはデヴィッド・ボウイが80年代の終わりに結成した「バンド」です。大規模なスタジアムツアーに疲れたのか、ボウイは当時「バンドのいちボーカリストになって、過去のソロ曲は今後一切演奏しない!」と宣言したのです。いたいけで純真な少年だったぼくは、ボウイ様のその言葉を真に受けて残念に思ったことです。後年なら「また気まぐれなこと言ってんなあ」ぐらいなもんですけどね(笑)
それはともかく、ボウイはティンマシーンという、アバンギャルド性もありながら、至極真っ当なロックバンドで数年間活動し、スタジオアルバムも2枚作りました。ぼくがリアルタイムで最初に買ったボウイのアルバムが1st”Tin Machine”だったと思います。あれ?2ndかな?まあ、どっちかです。
1stの方を20年ぶりくらいに聴きましたが(笑)、そんな悪くないんですよね。リーブス・ゲイブレルスのギターは個性的で、シンプルなセイルス兄弟のリズム隊がそれを引き立てる感じですかね。あくまで歌物で、バカテクなミュージシャンを集めてどうこう、って感じじゃないので聴きやすいです。
リーブスもトリッキーなプレイはしますが、フレーズは意外とオーソドックスですね。ボウイがリーブスを評して「過去に共演したギタリストを統合したようなタイプ」と言っていた気がしますが、テクニカルでアバンギャルド性がありつつ、ジャズやフュージョンやメタルでなく、あくまで(ブルースから発展した)ロック的なアプローチを取っていくところが、そう言わしめる所以なのでしょう。とはいえ、ミック・ロンソン、アール・スリック、ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリューといったギタリストに比べると、圧倒的に華が無いですけどね(笑)。現在はThe Cureのギタリストに収まってるようですね。
で、バンドとして悪くないのですが、バンドという器に入れられたことで、ボウイ個人としてのフレキシビリティは若干阻害されてるのかな?という気もしなくもないです。ま、当時のボウイはそれが楽しかったのでしょうけど。
最後に、やってみた。
1stの1曲め、”Heaven’s In Here”です。
ギターは3本重ねましたが、音作りは適当です。当時はボウイもリーブスもスタインバーガーでしたが、当然持ってないのでストラト2本とシルエットを使いました。
意外とペンタトニック主体なんだなあと思いました。そういえば2ndアルバムではドラマーに歌わせてどブルースやってたし、その辺の方向性は決めてたのかも知れませんね。