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気が向いたら書く

The Magpie Salute

2017-11-28 21:37:26 | 音楽
ぼくのフェイヴァリットバンドのひとつにThe Black Crowesがありまして、Bowieと同じように、何年も聴いていなくても身体に染み付いてると言いますか。

ブラッククロウズはクリス、リッチのロビンソン兄弟を中心としたバンドですが、世の兄弟バンドの例に漏れずケンカばかりしていました。その度に(?)何度も活動休止しては再開して、を繰り返しています。今は解散したことになってます。

で、たまたま今頃知ったのですが、リッチが去年新バンドを結成したと。それがThe Magpie Saluteってなんか冴えない名前なんですが、元クロウズのメンバーが集結してるんですよ。しかも、歴代ギタリストで最も人気の高いマーク・フォード(G)とエディ・ハーシュ(Key)、それからスヴェン・パイピーン(B)。
(エド・ハーシュは去年亡くなっていました。残念)

マーク・フォード、エディ・ハーシュと言えば、大好きな2ndアルバム"Southern Harmony and The Musical Companion"、3rd"Amorica"のメンバーで、まあクロウズが好き、と言う人は大体この辺が好きだと思いますし、ギタリストはマーク・フォードが好きだと思います。「いや、やはりオードリー・フリードが最高だよ」とか言う人はあまり聞いたことがないです。「ルーサー・ディッキンソンは最高だ」とかいう人はたまに居ますが、熱心なクロウズのファンではないです。

そんな偏見に満ちたぼくの意見はともかくとして、そんなメンバーですから出てくるサウンドはなかなかのもんですよ。やっぱりリッチとマーク・フォードのツインギターはカッコいいです。

The Magpie Salute/"Omission"

オリジナルはこの一曲だけみたいですが、ライブ音源を漁るとブラック・クロウズのナンバーをかなりやってます。サザンハーモニー〜アモリカの頃のような、女性コーラスやパーカッションを分厚く配した編成ですので、当時のナンバーをやってるのもファンには嬉しい限り。昔はやや冗長に感じたジャムも、経験を積んだメンバーだけに聴かせます。

それにしても、まあなんと言うか、リッチもえげつない真似しますなあ、といった感じですな(笑)。最後にリッチがクロウズの解散宣言した時は、確かバンドの管理権をクリスが独占しようとしたとか言ってましたから、「兄貴以外でクロウズのナンバーやっちゃうからな!お前は仲間に入れてやんないからな!」みたいな感じなんでしょうかね。



このロゴもクロウズ意識してるとしか思えないですし。

しかしですね。やっぱり聴けば聴くほどクリスのヴォーカルを求めてしまうのですよね。多分、みんなそう思ってると思います。The Magpie Saluteのヴォーカルが悪いわけじゃないんですけどね。名前も知りませんが、彼にとっても酷ですよね。クロウズのヴォーカルとして加入した訳でもないのに、そんなの求められて。

そんななんで、アルバム買うまでの気持ちには至っていないのですが、ゆるりと見守っていこうと思ってます。クリスとスティーブ・ゴーマンが戻らないかなあ。

David Bowie / "Fame"

2017-11-26 13:38:10 | About Bowie
ボウイシリーズです。もう飽きましたかね。
まあそろそろネタ切れなんで、お付き合いください。
今回は"Young Americans"から"Fame"です。



アルバムとしては、フィリーソウルをバックにボウイが(当時としては)異質なヴォーカルを乗せる、「プラスティック・ソウル」とボウイ自らが謳ったサウンドです。当然、ストリングスやホーン、バックコーラスなどが配されたサウンドメイクなのですが、ジョン・レノンが参加した"Fame"は意外なほどギター・オリエンテッドなサウンドでした。

なんでも、"Fame"と"Across the Universe"は後から録音して、他の曲と差し替えたそうで、質感が違うのはそのため。とは言っても、"Fame"もロックではなく、どちらかと言えばファンクナンバーです。
ギタリストは言わずと知れたカルロス・アロマー。この後、80年代前半までボウイのバッキングを務めます。

"Fame"の重層的なギターサウンドは、アロマーのアイデアをボウイが採用したようです。一本のギターに詰め込むこともできるけど、あえて重ねていくとボウイは喜んだ、というようなインタビューを読んだことがあります。確かに3本か4本のギターが重ねられていますね。

ジョン・レノンは曲作りに参加したというより、ボウイにインスピレーションを与えた、という感じだったようです。ジョン自身は「クスリでぶっ飛んでたからあまり覚えてない」と言ってたらしいですしね。

余談ですけど、ボウイの没後、彼に関して本当に多くのインタビューが公開されていますね。ステイシー・ヘイドンがボウイに最初に呼ばれた時の話とか、昔なら絶対に出てこなかったような話を知ることができます。翻訳されてるものでも、ローリングストーン誌のゲイル・アン・ドーシーのインタビューなんかは読み応えがありました。

閑話休題。

例によってやってみました。

Fame カバー

ギターは3本。クリーントーンのストラトで、イントロを弾いてるパートはフェイザーをかけています。ワウっぽい音色変化が聴き取れますが、まあフェイザーでも雰囲気は出るということで。
歪んだパートはホーンにファズをかけてる可能性もありますが、普通にファズフェイスのモデリングです。

David Bowie / "Slow Burn"

2017-11-21 22:22:31 | About Bowie
まだ続いてます、ボウイシリーズ。
思いつくままやってますけど、自分で弾けそうかとか、リズムマシンで違和感なく出来るかとか、それなりに苦労してます(笑)。

今回は2002年のアルバム"Heathen"から。
ザ・フーのピート・タウンジェントがギターで参加した"Slow Burn"です。



"Heathen"は久しぶりにトニー・ヴィスコンティをプロデューサーに迎え、古くからのリスナーにとっては「ボウイが帰ってきた!」という印象を受けたアルバムではないかと思います。アウトサイド('95)、アースリング('97)とヘヴィな方向に振り切っていたボウイですが、99年に揺り戻しのように地味な(笑)アルバム"hours..."を発表。その3年後に本領発揮と言える今作を発表という流れです。

前作アワーズでシングルカットされた"Thursday Child"のPVは過去の自分と文字通り向かい合うような作品でしたし、ボウイも「ここらで昔を思い出すのも悪くないな」と思ったのかもしれません。元々は"Toy"と呼ばれるセルフカバーアルバムを作っていたのが、この"Heathen"に発展したらしいですし。この後、ヴィスコンティとは晩年まで活動を共にします。

"Heathen"はアルバム通して良い曲が多く、"Slip Away"は屈指のロマンティックなナンバーだと思います。今回取り上げた"Slow Burn"は"Heroes"〜"Teenage Wildlife"の流れを汲むような曲です。そして、前2曲のギタリストがロバート・フリップだったのに対し、今作は少しイメージと異なるピート・タウンジェント。しかしこれが素晴らしいギタープレイです。なぜタウンジェントにオファーしたのか、経緯は知りませんが、ボウイのギタリストを選ぶセンスはさすがの一言。

さて、例によってやってみました。

Slow Burnカバー

タウンジェントの印象的なイントロのギターはほとんど省略してます。まあ、あんなの弾けませんし(笑)。ホーンは再現できないので、ライブ音源を参考にしてリズムギターを入れました。やってみると割とシンプルなロックサウンドですね。
リードギターはシルエットですが、やっぱりこれ暴れすぎかも。ボリュームポットは500kのが良さそうです。


David Bowie / "Rosalyn"

2017-11-17 18:13:21 | About Bowie
なんで続けているのか自分でもよく分からないボウイシリーズです(笑)。今回はボウイ唯一のカバーアルバム、"Pinups"のオープニングを飾る"Rosalyn"。オリジナルはプリティシングスですね。



ジギーでブレイク、アラジンセインを経て、スパイダーズフロムマーズとの活動はこのアルバムで終焉を迎えます。アルバム全体もリラックスした雰囲気と言っていい雰囲気です。レコーディングに際し、あえて原曲を聴かずに譜面だけを見てプレイしたと、ものの本で読んだことがあります。

このアルバム、高校生くらいの時に本当によく聴きました。ジギー、アラジンセインとピンナップスくらいしか持ってない時期があったはずなので。普通なら後回しにされるアルバムですけど、そんな個人的事情もあり、結構好きなんですよね。まあ、久しぶりに聴きなおしましたが、そんないいアルバムだとも思いませんけど(笑)

で、"Rosalyn"は一曲目とあって最も勢いのあるナンバーです。プリティシングスの音源も持ってたはずですが、あまり覚えてないです。ぼくにとってはボウイのバージョンが全てですね。

ギターはミック・ロンソンが重ねてるんだと思いますが、トレモロだかヴィブラートを効かせたリズムギターと、ブリティッシュらしい大味なスライドギターが絡みます。
この頃、こういう揺らし系ペダルってあったのかな?フェンダーアンプでも使ってるのでしょうか。当時のロンソンにそのイメージは無いですが。カッティングパターンはボ・ディドリーっぽい感じです。スライドは特筆すべきこともないかな…。

例によってやってみました。

Rosalynのカバーのカバー

今回も同じ音は目指してないので、音作りは適当です。ギター2本のイコライジングが難しいですね。分離が良くないです。まあ、原曲もそんな感じですけどね。

David Bowie /"Scary Monsters"

2017-11-12 19:17:13 | About Bowie
ボウイ連発で。
久しぶりにこのアルバムを聴き直しました。デヴィッド・ボウイ80年発表の「スケアリーモンスターズ」です。



今の若い人からしたら信じられないかもしれませんが、90年代初頭にはボウイは既に「終わったミュージシャン」扱いでした。「レッツ・ダンス」に始まる売れ線狙いがセールス的にもジリ貧になり、ティン・マシーンを結成して「何やりたいの?」みたいに見られていました。当時、このアルバムは「天才ボウイの最後の輝き」と雑誌で紹介されてました(笑)。

さて、そうなるとボウイにハマり始めた若き日のぼくは是が非でも聴きたいわけです。しかし、これまた信じられないと思いますが、この頃、まだ国内盤のスケアリーモンスターズのCDはありませんでした。ロジャーまでしかCD化されていなかったのです。
だから、秋葉原の石丸レコード館だかで輸入盤を発見して、超興奮して買って帰ったのを今でも覚えています。

さて、帰宅して愛用のデカいCDラジカセ(おっさんには分かる)にセットして、プレイボタンを押して"It's No Game(pt1)"が始まった時の衝撃と言ったら!「シルエットや影が〜」ですよ!誰だよ!?って感じですよ!いったん、CDを止めて、中身が間違ってないか取り出して確認しましたからね(笑)

前も書いたなこの話w。でも当時はそれくらい、予備知識とか無くCD買ってたんですよね。すぐ視聴できる今の子たちがうらやましくもありますが、少し可哀想でもあります。

今聴いても、イッツノーゲームはなにか異様なテンションを感じますね。ロバート・フリップのギターも凄まじいです。

しかし、今回やってみたのはタイトル曲"Scary Monsters"です。参考にしたのは90年代後半のライブで、ギターはティンマシーンのリーヴス・ゲイブレルス。ベースはゲイル・アン・ドーシーですね。

Scary Monsters live'97

ゲイブレルスはスタインバーガーのイメージでしたが、この頃はパーカーフライを使ってます。アースリングの頃なので、インダストリアルやドラムンベースを通過したヘヴィなサウンドで、ゲイブレルスのギタープレイもハマっています。
それにしてもナニかぶってんだコレw

弾いてみた音源。

Scary Monsters

ギターはシルエットで、セッティングは前回のStayと同じ。バークレイもリアハムを使いましたから、そんな変わらん感じですね。ブルース基調でないプレイが出来なくて困ります。しかし一番困ってるのはirigが調子悪くて片耳でしかモニタリングできないことです(笑)。モノラル録音なんでどうにかなりますけど。

David Bowie / "Stay"

2017-11-10 20:55:49 | About Bowie
地味に展開するボウイシリーズ。
今回はボウイの楽曲でも屈指のファンクナンバー、"Stay"です。アルバム"Station to Station"収録。



絶え間ない変化を続けるボウイの作品の中では、やや地味な印象かもしれませんが、グラムロックを卒業し、ソウルミュージックに傾倒したボウイが、来たるベルリン三部作時代を控えて、ロックもソウルもプログレもファンクも取り入れた意欲作だと思います。ただ、まとまりに欠ける感じがあるのと、分かりやすいキラーチューンが無いかもしれません。

その中でも、表題曲"Station to Station"とこの"Stay"はパワーのある曲だと思いますが、重要な役割を果たしているのがギタリストのアール・スリックです。もう一人のギタリスト、カルロス・アロマーがファンク寄りのリズムギタリストであるのに対し、スリックは完全なロックギタリスト。"Station to Station"のイントロ、機関車のSE的なサウンドからもう独壇場です。

"Stay"でも、イントロの印象的なリフはスリックによるものです。このイントロをロックギタリストのスリックが弾いていることで、楽曲のドライブ感が増していると思います。

76年のナッソーコロシアムでのライブでは、スリックの代わりにステイシー・ヘイドンがリードギターを務めていますが、ヘイドンはスリックより更にフリーキーで素晴らしいグルーヴです。

しかし、80年代のエイドリアン・ブリュー、カルロス・アロマー体制の際には、イントロからアロマーにカッティングを任せ、ブリューはアヴァンギャルドなギターを弾き倒しています。個人的には、この分業体制だとドライブ感は物足りないと思います。ちょっと温いというかね。まあ、音的にもブリューは歪みが足りないですしね。

00年代にアール・スリックが戻ってきたリアリティツアーのバンドでは、グルーヴを取り戻しています。(もう一人のギタリストはジェリー・レナード)

それはともかくやってみました。スタジオ盤では3本のギターですが、ライブよろしく2本にまとめています。

Bowie /"Stay"

途中、変拍子が入るのはリズムマシンを足で操作してムリやりやってるので苦しいです。ギターはカッティングがフェルナンデスのストラト、歪んでる方がバークレイストラトです。スリックのプレイは全然雰囲気のみコピーです(笑)

The Wallflowers/"Bringing Down The Horse"

2017-11-06 22:30:24 | 音楽
先日、ラジオで二世ミュージシャン特集みたいのがやってまして、ジュリアン・レノンやスティングの娘のエリオット・サムナーやらに混じって、このバンドの曲"One Headlight"がかかりました。ボブ・ディランの息子、ジェイコブ・ディラン率いるウォールフラワーズの2ndアルバムの一曲目です。



96年発表の今作は、その後売れっ子になっていくTボーン・バーネットがプロデューサーです。彼はボブ・ディランのローリングサンダーレビューでギターを弾いてましたから、やはり縁がある、ということなんでしょうね。(ちなみに、もうひとりのギタリストはミック・ロンソンでした。)

その後、ウォールフラワーズは数枚アルバムを出すも活動停止。結局のところ、本作を超える作品は残せなかったと言っていいでしょう。冒頭の「二世特集」でも取り上げられたのは"One Headlight"というあたり、世間的にもそんな評価なのかと思います。ぼくもリアルタイムで追っかけていましたが、印象に残るアルバムは"Rebel,Sweetheart"くらいです。

ジェイコブはその後、ソロ名義でアコースティックなアルバムを2枚発表しています。それらの作品はバンド時代の「その他の作品」よりずっと良いと思います(Bスプリングスティーンが普段聴いてるアルバム、にジェイコブの"Woman+Country"が挙げられていました)が、どこか物足りなさも感じます。ぼくはジェイコブのヴォーカルは、バンドサウンドのほうが合うと思うのです。ヴォーカリゼーションに父親ほどのフレキシビリティを感じないからなのかもしれません。

翻って、今作です。
Wallflowers のアルバムは総じて、キラーチューン的な曲が無く、何度も聴いてるうちに染み込んでくるタイプなんですが、"Bringing Down The Horse"には"One Headlight"や"6th Avenue Heartache"(Counting Crowsのアダム・デュリッツが参加)といった比較的即効性のある楽曲が並びます。それに加え、Tボーン・バーネットの抑制の効いたプロデュースで、発表から20年経っても色褪せません。この頃は70sリバイバルな時代で、この作品もそれらしい手触りですが、90年代らしくリズムは重めです。

The Wallflowers/"One Headlight"

もう一丁、Bスプリングスティーンとの共演映像です。

One Headlight 97

テレキャスター(すげえ良い音!)で1stソロまで弾き倒しちゃって、ボスが超マジに取り組んでるのが観て取れます(笑)。
言ってみればボスもディランズチルドレンですから、なんというか、ウルトラセブンの息子、ウルトラマンゼロの師匠がウルトラマンレオ、的な胸熱感がありますね(分かりにくい)w

さて、それはともかく。今回もやってみました。

One Headlight カバー

キーボードは弾けないので省略、いつものZoom G3のリズムマシンにギター2本とベースです。イントロが長いので、残念ながら大部分省略です。

PVではジェイコブがテレキャスター、リードギターのマイケル・ワードはよく分からないセミホロウっぽいギターを弾いてますね。ちなみに、ワードはその後脱退しています。

今回使ったギターはバッキングがフェルナンデスのストラト、リードギターはバークレイの2ハムストラトです。アホギターなんですけど、やっぱり音は悪くないんですよね。ちょっと見た目にも気を遣おうかしら(笑)
アンプのセッティングは二本とも同じで、トレモロのオンオフ、ブースターの有無が違うくらいです。イントロだけ、バッキングを弾いてるストラトでリードのようなものを弾いてます。実はこっちのトレモロはボスのTR-2で、バークレイの方はマルチのトレモロです。どうでもいいか。