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気が向いたら書く

Yamaha Pacifica 611HFMを試奏する

2017-03-25 12:21:00 | ギター
試奏シリーズです笑。



楽器店に行ったら、以前から少々気になっていた現行パシフィカがぶら下がっていたので試奏させてもらいました。

3年くらい前にモデルチェンジしたかと思いますが、その時に「随分思い切ったな」と驚いたものです。従来はSSHレイアウトの現代的なストラト進化系万能型、みたいなコンセプトだったかと思います。しかし、この機種はフロントにP90、リアにタップ可能なハムバッカー、そしてハードテイルブリッジと、あえて万能性を排除する方向に進んだかのようです。

まあ、モデルによってはSSHもあるし、ウィルキンソンのトレモロブリッジ積んだモデルもあるんですが、この611HFMは割とメディアにも露出してましたし、ヤマハとしても新しいパシフィカのイメージとして打ち出したのでしょう。開発スタッフのインタビューを読むと、イギリスのスタッフからの提案だったみたいですね、このレイアウトは。従来のヤマハらしくないわけだ。

試奏してみると、思ったよりネックは厚みがあります。薄く平たいのかと勝手に思っていたのですが、結構、握り具合がしっかりしたネックです。ピックアップは前後ともセイモアダンカン。

フロントのSP90-1は良いです。しっかりしたネックと、ハードテイルなのが功を奏している気がします。クリーントーンはなかなか色気があります。トレモロブリッジだとまた印象が違ってくるかもしれません。
リアのハムはカスタム5というやつで、タップもできるのですが、タップすると音量が下がりすぎて、演奏中に切り替えるのは無理そう。音は普通のモダンなハムバッカーって感じで、そんなに癖はありません。

このふたつのピックアップは割と音質の違いがはっきりしていて、ぼくはP90の方が好きですが、深い歪みを求めるならばリアを使うでしょう。タップもバリエーションとしては有りです。色々な曲に対応できると思います。

ストラトライクでハードテイル、ということで、ミュージックマンのシルエットのようなイメージを持っていたのですが、性格の違う前後のピックアップは、むしろテレキャスターを思い出しました(こんなこと言うとバカ?とか、分かってない、と思われそう)。振り幅は広くて、ある意味万能だけど、それがシームレスに使えるわけではない、というか。とはいえ、かなり使いでがある、いいギターだと思います。

さらに言えば、これをハイエンドモデルとしてではなく、実売6万円くらいの中級機として設定してるのも好感が持てます。最近、このレンジの製品て少ない気がするんですが、さすが最大手、塗装など他社の10万クラスと見比べても遜色ない質感です。ネックの剛性も高そうだし、写真のワインレッドっぽい色のを弾きましたが、実機も結構カッコいいです。ピックアップレイアウトもあまり無いタイプなので、2本目以降にオススメかな。

とはいえ、ピックアップはオリジナルにしても良かったんじゃないの?とは思います。そこダンカンにしちゃったら、メーカーとしてのアイデンディティ薄くならない?って気がするんですけどね。開発費かけなくていいとか、販売において安全パイ的なメリットはあるのでしょうが、そこは自信持って自社製品を提示してよとも思います。

まあ、ヤマハさんは昔から上級グレードだけネックがワーモス製、とかありましたしね。なんか自信ないんですかね。その割にSGはクソ高いし、一貫してない。あんな値段で売れてんのかな?

でも、ユーザーとしては汎用パーツ使ってくれた方がいいか。サイズが合わなくてピックアップ交換できない、とか普通にありますからね、ヤマハさんは。

Eagles /"One Of These Nights"

2017-03-13 21:24:41 | ギター
前にイーグルスのホテルカリフォルニアの記事を書きましたが、その頃コピーしようと思っていたのは実はこの曲でした。



邦題は「呪われた夜」。それまでのイーグルスの、センチメンタルだけど、どちらかと言えば陽性なカントリー路線から、ロックでややダークなイメージに転換したことから名付けられたんでしょうか。イントロから印象的なベースラインが不穏な空気を感じさせます。

そして、新しいイーグルスの原動力となったのは当時新加入のギタリスト、ドン・フェルダーです。フェルダーは「ホテルカリフォルニア」の実質的な作曲者で、あのギターオーケストレーションもフェルダーによるものとか。「呪われた夜」でも非常に印象的なギターソロを披露しています。

フェルダーはホテルカリフォルニアからも伺えるように、アドリブの瞬発力で押すというより、あらかじめ構成したソロを取るタイプのようです。このソロもほぼペンタトニックで弾き切れるのですが、手癖という感じではなく、起承転結のあるドラマティックなものです。しかも、チョーキングやグリッサンド、ピッキングといった手元のニュアンス、表現力も優れています。流れるように展開しつつも、その中で様々な表情を見せるギターソロです。

例によって弾いてみました。

呪われた夜 ギターソロ

伴奏は前回のベースに重ねて作ってます。イントロから鳴っている、グリッサンドとカッティングがテレキャスター。ヴァースから入るカッティングのパートはバークレイの2ハムストラト。オブリを入れてるのもバークレイです。このパートだけコンプとコーラスを掛け、ゲインもクランチ程度にあげています。

ソロもバークレイです。LPスタジオのピックアップでは、パワーがありすぎてフェルダーのあの感じが出ないのは目に見えていますし、ど頭のハイフレットでのチョーキングをすると音切れするのが発覚したので却下。
ダンカンを積んだアリアは近くになかったので却下w。消去法的に選択されてますが、割とハマりました。

フェルダーはツイードデラックスを使用していたと思うので、ツイードベースマンのモデリングを使いました。ソロの後半にはややブーミーに音が潰れているのはアンプの歪みでしょうか。今回は手っ取り早く、ブースターにいつものBoss OS-2を使ってます。なんだかんだ愛用中。これもっと低ゲイン低ノイズにならんかな。

それにしてもリズムがすこし走り気味です。チョーキングも行ききらなかったり、スタッカートする部分もキレがなかったり。難しい。

G&L L-2000 をちょっとメンテ

2017-03-12 10:12:30 | ベース
先日ケースから出てきたL-2000です。啓蟄か。

こいつのペグがザラザラしていて、非常に嫌な感じでしたのでコンパウンドで磨きました。



古い楽器なのにパーツがピカピカというのはちょっと嫌なので、ザラザラが取れる程度で磨きました。動きの悪いギアにはグリスを少し塗布。

弦が死んでるのは音的に構わないのですが、このベースは太めの弦が張ってあり、ちょっとモッサリすぎるし、ネックが弱い個体でもあるのでレギュラーゲージに張り替えました。ベース弦を買うのも張り替えるのも何年振りか分からないくらいですw。
弦を張り替えついでに指板にオイルも入れました。それほど乾燥はしていませんでした。フレットもコンパウンドで磨いた方が良いのですが、マスキングが面倒なので省略。

あとはノイズが多いような気がしたので電池も交換。電池蓋は裏側にあり、ドライバーが必要です。

弦を張らない状態でネックの状態を見ると、ほぼ真っ直ぐのようです。トラスロッドは触らず。
しかし、弦を張るとハイフレットの弦高がちょっと高めです。あまり使わないから、まあいいっちゃいいんですがね。サドルの高さを調整しても追い込めないので、ネックの仕込み角を変えるのが良さそうです。そして、このオールドG&Lにはレオ・フェンダーの画期的ながら不評な発明、マイクロティルトが採用されています。



3点どめの下のネジの、そのまた下の小さな穴がマイクロティルトの調整口です。しかし、なぜかレンチが入っていかない。インチとミリ、両方試したのですが。結局、ハイフレットあまり使わないからいいか、と放置です。

いつ頃の楽器なのか、シリアルナンバーを調べたら、どうやら83年製のようです。ブリッジやコントロールプレートは樹脂ではなく、金属に塗装かメッキがしてあるようでした。なんの効果を期待してなのかは分かりませんが、後年のモデルでは普通のクロームになってるので、深い意味はないのかな?

最後に音源です。

ベース 呪われた夜

パッシブ使用でリアピックアップ、ピック弾きですが、水牛の角で作られた柔らかい音のピックを使ってるので、指に近いサウンドです。
環境は、Zoom G3のZ cleanというエフェクトとコンプのみです。
個人的にはアクティブにするとハイパワーになって、ちょっと制御するのに神経使う感じなので、録音時はパッシブのが良さそうです。

Fender American Professional Stratocaster を試奏する

2017-03-10 18:08:13 | ギター
ソニックグレイが気になっていた、フェンダープロフェッショナルシリーズを見てきました。



色味としては想像通りという感じで、古いシトロエン2CVとかホーローのポットのような色合いです。店頭にあったのはテレキャスターとジャズベースでしたが、なかなかカッコ良かったです。ただ、これが古びてくるとどうなのかな?という気はします。あまり劣化しなさそうな塗装ではありますが。

せっかくなんで試奏してみました。
弾いたのはストラト。サンバーストにローズウッド指板の、まあなんの変哲もないやつです。それしかなかったから。そういえば、アンティークグリーンは一本もありませんでしたね。

新品を試奏するなんて何年振りかな。
と弾いてみたんですけど…。

ややワイドで薄めに感じるネックにフラットな指板、ミディアムタイプのフレット、適度にパワーのあるピックアップ、リアにも効くトーン。アームバーは付いてなかったのですが、アーミングも滑らかなんでしょう、きっと。

アンプはフェンダーの、レリック加工されたツイードのモデルだったのでヴィンテージ志向のだと思います。型式は見忘れました。

クランチで弾いたのですが、なんというか、無難な音?まとまってるんですよね。どこかストラト弾いてる感が薄い。んー、なんか偉そうですが。

そうか、フェンダーじゃなくてもいいじゃん、て音なんですよ。なんかコンポものみたいな感じ。まあ、そういうコンセプトなんで当たり前ですけど。

指板のローズウッドの色合いもなんだか安っぽくて、ちょっと持った瞬間に気持ちが踊りませんでした。メイプル指板ならまた雰囲気が違うかもしれないですけど。

ぼくはやっぱりヴィンテージスタイルのストラトの方が好きみたいです。

ベースのはなし

2017-03-08 20:34:07 | ベース
レスポールを貸していた友人が、今度は遠回しにベースを貸せ、と言ってきましたw。

トーカイのジャズベなら貸してやらんこともない、と言うと、音が出りゃなんでもいいよ、とのこと。ぼくの手持ちのベースは、

1) 1966年 Fender プレべ。正真正銘のヴィンテージだけど、素人によるリフィニッシュもの。音は最高。

2) 1960年代 Gibson EB-0。正真正銘のヴィンテージだけど、ブリッジがバダスに交換されてる。汎用性ゼロ。

3) 1980年代 G&L L-2000。コントロールパネルとブリッジが樹脂製の初期ものだけど、ネックがヤワヤワ。音は良い。



久しぶりにケースから出したのはコイツ。見た目も好きなんだなあ。

それから、
4) 1980年代 東海楽器 ジャズベのコピー。60年代のフェンダーを忠実に再現、らしい。型番不明。

の4本。元々ベーシストなので、ベースに関してはそれなりのものを音で選んできたつもりです。信頼性が低いので、自分ではベースはほとんどいじったことがないくらいです。

こんなラインナップなんで、人に貸せるようなものはジャズベしかないわけです。

、、待てよ?

そういえば、もう一本隠し球がありました。サミックのボルトオンサンダーバード。こいつは音を出す間も無く分解されています。

そして、久しぶりにL-2000を出したらコントロールが全く分からないという。クリーニングでもしようかな。

Barclayストラトでジャズトーン

2017-03-05 17:55:32 | Barclayストラト
スタンダードなジャズギターの音といえば、一般的にはトーンを絞った丸い音じゃないかと思います。だいたいがフルアコのフロントピックアップで〜みたいな。ステレオタイプな思い込みかもしれませんが。

久しぶりにバークレイのストラトを弾いてて、やっぱりこのギターは箱物の雰囲気があるな、などと思い、それならいわゆるジャズトーンを作ってみようと。

そもそも、このギターが箱物っぽいと感じるのは、

1) 普通のストラトよりサステインが少ない。ニコイチだからか、セッティングの問題か、トレモロ部に木片を挟んでるから共鳴が少ないのか?

2) 生音が柔らかい。軽く柔らかい桐ボディをラッカーで自家塗装してるせいかと。厚いポリ塗装だと、もう少し音が硬くなると思う。

3) 非力なハムバッカーピックアップ。正体不明だけど見た目に薄いので、巻き数も少ないのでは。

といったところでしょうか。
生音では、レスポールなんかよりもアコースティックな感じがあるんですよね。ただ、それが必ずしも良いとは思えません。エレキギターのバランスとしては、厚いポリ塗装の方が良いのではないかという気がします。

それはともかくとして。
ジャズトーンにするので、フロントピックアップをウーマントーンにしてみました(その後、調整で1と2の間くらい)。アンプは、よく分からなかったのでツインリバーブのモデリング。前段に、なんだかんだと使っているBoss OS-2を挟みました。オーバードライブ側に全開にして、Drive0のブースター設定です。

枯葉

よく考えたらジャズギターなんて弾けないので(^^;)、定番の枯葉のメロディをなぞってみました。

それなりに雰囲気は出てるかと思うのですが。
でも分かる人にはバレると思いますが、この音、シングルノート専門です。撫でるように弾いてこの感じなので、強くコード弾くと潰れちゃいます。バッキングもするなら、ほどよいバランスを見つけないといけないです。

というか、このバカっぽいギターでジャズやってたら場違いな感じですよね笑。



なにげにノブも金色に(バカ方向に)グレードアップ?してるし。

Kathleen Edwards / NPR Tiny Desk Concert

2017-03-04 18:53:28 | 音楽
以前、記事にしたことがあるカナダのSSW、Kathleen Edwardsの素晴らしいライブ映像を見つけました。



Kathleen Edwards Tiny Desk Concert

アメリカの公営ラジオ局NPRのオフィスで収録されたものだそうです。このTiny Desk Concertはシリーズ化されていて、Adeleら多数の有名ミュージシャンが参加しています。

Edwardsはその中でも、目立つ存在ではありません。しかし非常にパーソナルで自然体な雰囲気の、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。その歌声と佇まいから、あたたかい人柄が伝わってくるようです。自然光あふれるセンスの良いオフィスというシチュエーションにも似合っています。
彼女が最後に見せる、笑顔とサムズアップも素敵です。晴れた日曜日の午後に、コーヒーでも飲みながらこんなライブが観たいですね。

このライブで演奏される曲は、アルバム"Voyageur"に収録されています。思わず買ってしまいましたw



以前紹介した"Back To Me"は、アメリカーナなバンドサウンドのアルバムでしたが、これはもっとフォーク寄り、ポップ寄りですかね。まだあまり聴いてませんが、ちょっと統一感に欠けるところがあるような。曲によっては楽器が多すぎる印象のもあって、NPRのライブで演奏された曲はライブバージョンの方が好きです。とはいえ、じゅうぶん良いアルバム。


Led Zeppelin /"Ramble on"

2017-03-01 17:23:03 | ギター
ふと思い立って、ツェッペリンの"Ramble on"を演ってみようと思い、動画を見ていたのですが。

映画「ゲット・ラウド」の中でペイジがレスポール一本で弾いている動画がありました。

Ramble on(It Might Get Loud)

アルバムではアコギとエレキを被せてるのですが、ライブではこんな感じでやってますね。でも、この「ゲット・ラウド」での音は正にアンプ直の音で、カッコいいです。ペイジのレスポールの素の音、という感じです。

ペイジはフロントピックアップの音量を下げてクリーントーンを出し、アンプの設定はそのままに、ボリューム最大のリアピックアップに切り替えてオーバードライブサウンドを得ています。ピックアップごとにボリュームが設定されているギターならではの使い方です。

エフェクターで歪みを得るならば、あまり関係ないですが、アンプで歪みを得ながらクリーントーンも出したいとなると、ピックアップの切り替えでプリセットボリューム的に使えるギブソン系は使いやすいと思います。80年代以降、エフェクターが進化していったのと、操作自体がシンプルになるワンボリュームのギターが増えていったのは無関係じゃないのでは。

それはともかく、例によってやってみました。

Ramble on

今回は三本のギターを重ねていますが、アンプの設定は変えず、ギターのコントロールだけ変更しています。アンプはマーシャル1959にリバーブのみ。ギターはテレキャスターです。
アコギのストロークパートはセンターポジションにして、ボリュームはクリーントーンになる程度に絞ります。
ベースパートはフロントでボリュームは最大、トーンゼロ。弾き方でベースっぽさを出します。
エレキパートはリアPUでトーン全開、ボリューム操作で歪み具合を調節してます。
やはりテレの守備範囲の広さはピカイチですね。

おまけ

先述のゲット・ラウドでペイジが"Whole lotta love"を弾くシーンがあるのですが、ジ・エッジとジャック・ホワイトが「ホンモノだ〜」って感じで、ギターキッズの顔になるのがすごく微笑ましいです。



Jimmy Page "Whole lotta love" Clinic

目の前で弾かれたら、そりゃこうなるよなあw