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気が向いたら書く

夢十夜

2022-08-13 08:19:00 | 日記
ぼくは息子と、よく知らない路線の電車に乗っている。銀色の車体に緑色のライン。地下鉄?
ぼくは立っていたが、座席の座った息子は、隣に座り合わせた女子高生と何か話をしている。

乗り継ぎのために、とある駅で降りる。確か駅名は「上の坂」。だが、そこからはぼく一人で、息子はいなかった。

乗り継ぎのために降りたはずだが、何か目的が変わって駅舎の外に出た。一面に霧がかかっている。大きな川があり、芝生に覆われた堤防沿いを歩く。

堤防の内側、川沿いに等間隔に大きな樹木が植えられ、堤防越しにその天辺の部分だけが見える。
丸く綺麗に刈りそろえられたその枝には、何故か小さな鈴が括り付けられていた。風が吹くと、チャリン、チャリンと儚い音を立てた。

堤防の濃い緑の芝生と、そこから頭を出した、鈴が括り付けられた樹木、その向こうの霧の空をスマートフォンで写真に収めた。霧が濃くて、川は見えない。

すると、遠く前方で列車の音がした。霧の向こうに橋があったらしく、うっすらと列車が見えた。昭和五十年代、国鉄時代の特急「とき」の車体だ。今時なぜ?ぼくは息を飲んで、スマートフォンで写真を撮ろうとしたが、間に合わない。






残念に思っていると、次にやってきたのは蒸気機関車だった。型番は分からない。こちらは結構うまく写真に撮ることができた。霧の中を走るSLは格好良かった。

その後、ぼくは川沿いの知らない家に入っていく。三階建ての大きな家で、挨拶もせず、勝手知ったように、三階の部屋まで階段を登っていく。すると、さして親しくない職場の同僚のOさんがいた。同僚といっても定年再雇用組で、60代後半の男性だ。俺はOさんに、今見た列車の話をした。

その後、Oさんと再び外に出た。Oさんの家の前には、割と大きな石造りの寺院があった。かなり古そうで興味を持ったが、何か他に目的があるらしく、そこには行けなかった。

いつの間にかOさんは消えて、ぼくは一人で歩いている。川沿いの草原を歩いていくが、何故かところどころで猿が倒れている。だが時々、動く奴もいる。今、立ち上がった奴は胸に穴があいていたようだが…。

霧はますます濃くなり、視界はほぼ真っ白だ。その向こうで、何か黒い建物のようなものが薄っすら見えた。建物というより、骨組み? でも知ってる建物だ。ああ、分かった、広島の原爆ドーム…。


そんな夢を見た、と、俺は知人に話している。

知人といっても、全然親しくない、一度顔を合わせたことがあるような関係だ。その男を、仮にMとしておこう。Mの風貌は、俺が一度見た彼とは似ても似つかないのだが、Mと認識しているのだから仕方がない。

Mは俺に「そんな夢を見るなんて、あっちの世界に魅入られているんじゃないの?」と言った。そうなのか。全く思いも寄らなかったな、と俺は思った。

という夢を見た。
お盆だからかな。

当然ながらスマートフォンにSLの写真は残っていなかった。





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