紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

ホドリズム!?

2014年10月08日 | 美術館・博物館
荒々しいタッチで描かれた雄大なアルプスの風景。初めてその名を知ったスイス人の画家、フェルディナント・ホドラー。展覧会のフライヤーには風景画の枠にとどまらない絵がいくつもあります。その趣を異にする画風に興味を覚えて、ホドラーの大回顧展が開催されている国立西洋美術館へ行ってきました。
きのう開幕したばかりということで、会場内はゆったりとした雰囲気に包まれています。これはじっくりと作品に向き合える良い機会かと思います。バアさんのおしゃべりも聞こえない静寂の中で、ひとつひとつの作品に見入る観覧客。
風景画家として歩み始めた初期の作品から、生涯追い求めた表現「光」の反射や反映などを描いたもの、若きホドラーにつきまとっていた「死」のイメージを描いたもの、その後のホドラーの絵画に出てきた躍動感あふれる「生」のイメージといった様々な画風の作品を鑑賞。
床や壁面がアイボリー系で統一された明るい部屋に、後期に描かれたアルプスの風景画が展示されています。白い壁に映える青い空と特徴のある雲、そこに描かれた山岳世界は素晴らしいの一言。壁画装飾も依頼されたホドラーですが、ドイツのハノーファー市庁舎に据えられた壁画《「全員一致」のための習作》はカッコ良すぎです。
この展覧会は滋養のある粥を食したような満足感がありました。
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