紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

血糊マシマシ

2024年05月21日 | 写真・映画・音楽
毎週月曜日はau割で東宝系の映画料金がお得ということで、昨日は『鬼平犯科帳 血闘』と『ボブ・マーリー ONE LOVE』を見に行きました。

鬼の平蔵といえば中村吉右衛門さんが思い浮かびますが、残念ながら鬼籍に入られたため、松本幸四郎さん演じる新たな鬼平が生み出されました。『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』が先日テレビで放送され(知らなんだ)、今回の作品はこのシリーズの劇場版だそうです。少しだけメイキング映像を見てみましたが、長谷川平蔵が持っている煙管や刀の鍔(つば)は、中村吉右衛門さんの鬼平時代に実際に使われていたものを、小道具として使用しているとのこと。松本幸四郎さんは平蔵を演じるにあたって、非常に感慨深いものがあったかと思います。そして鬼平犯科帳の原作者である池波正太郎先生が、特に気を遣っていたこと...それは料理。この作品にも五鉄の軍鶏鍋を皆でつつく場面がありますが、ちゃんと料理監修の先生もいらっしゃるようで、新しい鬼平になっても昔から続く流儀が守られているのがいいなと感じました。でもまあ食べるシーンはほんの少しですが。映画の製作スタッフも若い世代が入り込んでいるようで、これからの時代劇を大いに盛り立ててくれるのではないでしょうか。
鬼平犯科帳になくてはならないもの...それは悪。今回の首領には網切の甚五郎に北村有起哉...これが見事にハマり役です。あんなのが江戸の町にいたら枕を高くして眠れません。そして斬り合いのシーンにストリングスが奏でるBGMが何だか妙にマッチ。これが令和の時代劇か血煙あげて斬り殺される盗賊たち。血糊もマシマシで個人的には好感が持てます(冷笑)。出演者もなかなか素晴らしいキャスティングです。くだくだ書きませんが、これからの鬼平犯科帳が楽しみであります。

鬼平の上映が終了してから5分後に『ボブ・マーリー ONE LOVE』が始まります(忙しすぎ)。映画の予告編を見た時に面白そうだと思いました。これはボブ・マーリーの伝記映画なんでしょうな。
70年代のジャマイカがこれほど政情不安になっているとは知りませんでした。慈善コンサートの練習中に銃撃を受けたボブ・マーリー。まだ癒えぬ傷を観衆に見せつけて、コンサートは無事に終了。その後家族をアメリカに移住させ、単身イギリスに渡ります。彼の地で20世紀最高と言わしめるアルバムを発表。ボブ・マーリーはスーパースターへの道を歩み出しました。
エチオピア帝国最後の皇帝を神の化身と崇め、スパスパとタバコらしきものを吸い…あれはもしや草ですか!?

ギターを爪弾きながら、愛するひとに語りかけるように歌うレゲエ界の神。
「ドレッドヘアは銃弾よりも強し」
映画を見終わってからSpotifyでEXODUSを追加したことは言うまでもありません。

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オッペンハイマー

2024年04月02日 | 写真・映画・音楽
原爆の父と言われた『オッペンハイマー』が、ようやく日本で公開されました。唯一の被爆国である日本で上映するのは、難しいのではないかと思われていた作品です。海外で公開されたのちに、アカデミー賞最多7部門受賞という快挙を成し遂げた『オッペンハイマー』。いよいよ我が国で見られる日が来るとは。
クリストファー・ノーラン監督といえば、『テネット』のような時間枠がぐにゃぐにゃして難解というイメージが付きまといます。おまけに上映時間が180分などとお漏らし寸前を前提としている今作品。監督お得意の「時間概念」は時間枠というか、カラー映像とモノクロ映像で描く人物の視点を変えているようです。
孤独で繊細な神経の持ち主、まばたきを忘れたかのように遥か遠くを見つめる若きオッペンハイマー。その青い瞳の奥に浮かぶのは、広大な宇宙のような空間で、原子核のまわりをせわしなく回る電子の姿...。その後「マンハッタン計画」に参加したオッペンハイマーは、世界初の原子爆弾の開発に成功します。
この原爆が広島と長崎に投下されてから、世界は大きく変わりました。より強力な水爆など大量破壊兵器が作られ、あっちがやるならこちらもと核兵器開発合戦が始まり、やがて指先ひとつで地球滅亡をいつでも迎えられる世界になってしまいました。日本に原爆が投下された後の状況を見ている様子はありますが、実際の映像では映っていません。唯一の被爆国である日本の観客が、この『オッペンハイマー』を見て何を感じるか...不協和音が絡み付くような音楽と圧倒する映像美と共に、天才科学者の生きた時代を追体験できるIMAXシアターで、ぜひご覧ください。
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君たちはどう生きるか

2024年03月15日 | 写真・映画・音楽
先日アカデミー賞を受賞した『君たちはどう生きるか』を、ようやく見に行きました。この映画が公開されてからの評判に、「何が言いたいのか意味わからん」とか「?!」とか「ぽかーん」とか、散々なことばかり書かれていたこの作品。見ようかどうしようかグズグズしているうちに、今回のアカデミー賞受賞ということで、やっと重い腰を上げて映画館に足を運んだ次第であります。
宮崎監督の最後の作品と称した『君たちはどう生きるか』でありますが、事前情報は一切入れずに見た感想は…インコかわいいに決定しました。ワラワラもいいんですがね(居酒屋の名前?!)。ちなみに集合体が苦手な方はちょっと注意が必要かもしれません。
スタジオジブリの作品をすべて見たわけではありませんが、いろんな宮崎映画のエッセンスがうまく融合した作品かと思います。そんなに堅苦しく考えずに、スクリーンに映し出される世界を楽しめばいいんじゃないでしょうか。
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DUNE デューン 砂の惑星 PART2

2024年03月08日 | 写真・映画・音楽
『デューン 砂の惑星 PART2』がいよいよ日本で公開されますが、3月8日〜10日の3日間限定で先行上映されることを、きのう知りました(行動が遅い!!)。これはIMAXとドルビーシネマ限定ですのでお間違いなきようお願いします。ちなみに入場特典としてポスターが配られました。砂で形取られたIMAXの文字が、風に吹かれてサラサラと崩れゆくさまは、何かの暗示なのでしょうか。
ティモシー・シャラメ演じるポール・アトレイデス、その端整な顔立ちとスラリとした姿は健在。PART1で毒を吹きかけられたハルコンネン男爵は、タールの沼みたいな浴槽で未だデトックス中でしょうか。ハルコンネンの陰謀により滅んだとされるアトレイデス家。ポールはアラキスの公爵としてハルコンネン家に聖戦を仕掛けます。
惑星アラキスは、どこまでも続く砂漠の世界。その砂地を叩くと鼓のような音がする場所もあります。興味本位でドンドン叩いたら要注意。それは砂漠に潜むバカでかい砂虫(サンドワーム)を呼び寄せているんですよ。IMAXの大画面でこちらに押し寄せるサンドワームの迫力ときたら...ビリビリと体が震えるほどの重低音で、あなたをどこまでも追いかけ回します。

この迫力は映画館でしか体験できません。ぜひIMAXシアターでご覧ください。
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コヴェナント

2024年02月26日 | 写真・映画・音楽
サバゲー好きにはタマらない映画と紹介されていた『コヴェナント 約束の救出』。サバイバルゲームはやってませんが、ミリタリー系は嫌いではありませんので。「サバゲー好きにはタマらない」一体何が堪らんのでしょうか。エイムの正確性!? そんな事ではなくて、装填された弾薬の残数を気にして戦闘しているのが、とてもリアルに描かれているのだそうです。
2018年のアフガニスタンが舞台のこの映画。タリバンの爆発物兵器工場を発見する任務に就く米軍曹長は、アフガン人の通訳を雇います。それらの通訳にはアメリカへの移住ビザが約束されるのです。米軍基地からかなり離れた地で爆発物工場を発見し、曹長率いるチームは探索を開始しますが、多数のタリバン勢に狙撃され、曹長とアフガン人通訳の他は犠牲となってしまいました。荒涼なアフガニスタンの地で迫り来るタリバン。ついに曹長はタリバンに捕らえられ半殺しの目に合いますが、身を潜めていたアフガン人通訳に命を救われます。さあここからどう逃げ果せばいいのやら。
ふらっふら状態の曹長がぼんやり眺める情景は、まるでMVを見ているかのような新しい映像体験。どこから敵が出てくるかわからない逃げ惑うシーンにこちらも緊張。神経も張り詰めますが膀胱も張り詰めてくるゾクゾク感。アメリカ人の曹長とアフガン人通訳の運命や如何に...。
[covenant] 約束、絆の意。

3日前に公開されたマ・ドンソク主演の『犯罪都市 NO WAY OUT』も見ております。2017年に公開された『犯罪都市』から好きな作品ですが、今回は青木崇高がジャパニーズヤクザの殺し屋として韓国映画初出演。そしてヤクザの一条組親分として國村隼も出演しています。ちょい役にも関わらず、まわりを震え上がらせるような存在感ある組長を演じています。
マ・ドンソク演じるマ・ソクトは刃物も気にせず犯人に間合いを詰め太い腕から繰り出される重〜いパンチで相手を吹っ飛ばし瞬時に悪を制する凄腕刑事。ある日飛び降り自殺に見せかけた事件が発生。そこには日本のヤクザとクスリが絡んでいるんだとか。そのクスリを横取りした奴を「処理」するためソウルに送り込まれたリキ(青木崇高)は、ギラつく日本刀をぶらり片手に忍び寄り...。
「真実の部屋」は初めの『犯罪都市』が面白かったですねえ。不安レベルは前作の『犯罪都市 THE ROUNDUP』がヤバかったような気がします。でも今回のマ・ソクトもぶん殴るシーンは炸裂絶好調。前作の空港トイレを壊滅させるシーンにはちょい及ばないかもしれませんが。
『犯罪都市4』に繋がるシーン。あれだけで楽しみになってきました。それカツラ!?
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PERFECT DAYS

2023年12月25日 | 写真・映画・音楽
朝、ほうきで掃く音で目が覚める。
薄っぺらい布団を畳んで、もみじに葉水をやる。
台所で顔を洗い、作業着に着替えてアパートの扉を開ける。
空を見上げて...今朝の天気はまあまあか。

自動販売機で缶コーヒーBOSSを一本。道具満載の軽自動車で向かう先は公衆便所。
時折スカイツリーをチラ見しながら運転する主人公。車内から響くのはカセットテープの古い音源。
今日も普段通りの一日が始まる。

カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所広司さん主演作『PERFECT DAYS』です。公共トイレの掃除人役という、何とも想像できない役回りを務められた役所さんですが、これが見事にどハマりの映画になっていました。最近の都内にあるトイレは面白いデザインのものが増えているようで、劇中にもいろんな公共トイレが出てきます。透明ガラスで一見丸見えなトイレが、鍵をかけるとスモークガラスになるものとか。そういったトイレを隅から隅まで徹底的に綺麗にしていく役所さん。見えないところは小さなミラーを駆使して確認する念の入れよう。仕事が終われば銭湯で汗を流し、行きつけの飲み屋でちょいと一杯。夜空に輝くスカイツリーを眺めながらおんぼろアパートに帰り、古本を読みながら眠りへと就く...。言うなればある男の「ルーティン」を克明に記録したような映画かと思います。そんな代わり映えのない毎日にも、時には不協和音のように「乱す」事柄が出没し、主人公の日常を揺さぶることも。それでも軌道修正してまたいつもの生活を続ける主人公。代わり映えのない毎日に見えますが、空の表情や雲のかたちはひとつとして同じものはなく、その一瞬一瞬は儚く過ぎ去っていくんだと、何だか禅のようなお話の映画だと思いました。
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映画のはしご

2023年12月19日 | 写真・映画・音楽
毎週月曜日はau割で東宝系の映画料金がお得ということで、本日は『屋根裏のラジャー』と『ゴジラ-1.0』を見に行こうと思います。

多くのスタッフがジブリ出身というスタジオポノック。『屋根裏のラジャー』もジブリの意思を継いで作品を生み出していることでしょう。この物語の舞台はイギリス。少女アマンダには空想上の友達「ラジャー」がいます。アマンダが想像した素晴らしい世界を冒険するラジャーとアマンダ。現実世界に戻ってきてもラジャーの姿は誰にも見えることはありません。ある時思いがけず離れ離れになってしまうふたり。アマンダの心から忘れられると空想上のラジャーは消え去ってしまいます。果たしてラジャーの運命は如何に〜。
クリスマスシーズンに見るとほっこりとしていいんじゃないでしょうか。「屋根裏の誓い」の真実が明かされる時...ああもう映画館で見てちょうだい。
骨っこガリガリと小雪ちゃんがツボです。

『ゴジラ-1.0』が始まるまで20分くらい余裕があるので、売店でちょびっとチキンとチョコクリームチュリトスとジンジャエールのSサイズを買ってきました。ドリンクMなんて飲みきれませんし。
今回の『ゴジラ-1.0』はゴジラ生誕70周年記念作品ということで...実は初めてゴジラを見るんですが、今までかなりの数のゴジラ映画が制作されてきたんですねえ。初期に比べてさぞかし特撮技術が上がっていることでしょう。
戦争末期に小さな島で遭遇した恐竜のようなもの。恐怖ですくみ上がり何もできなかった主人公。戦後それが再び東京に迫り来る。復興途中の銀座が一瞬にして瓦礫の山になっていく光景を、近くのビル屋上から実況中継しているシーンが印象的でした。
「あの日劇が!!」
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東京スカイツリー

2023年11月21日 | 写真・映画・音楽
EOS R10を持って東京スカイツリーに行ってきました。新しいカメラに慣れなくてはいけませんので...ちなみに展望台には行きません。チケット高いので(冷笑)。工事中のスカイツリー以来、まだ一度も来たことがありませんが、麓!?から見上げると本当にでっかい建築物ですよねぇ。組み上げられた鉄骨の美しさ。天空からの眺めはまたの機会に。



白黒フィルターで激写。雲ひとつない青空より雲あった方が好み。



浅草寺にも参拝しました。仲見世通りは修学旅行の中坊以外すべて外国人観光客(に見える)くらい。大混雑の極み。人形焼買えばよかったなあ。
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Canon EOS R10

2023年11月17日 | 写真・映画・音楽
十何年前に買ったデジ一眼は、コロナ禍の時に二束三文で売っ払い、しばらくはコンデジでカメラ撮影をしていましたが、つい先日購入してしまいました。Canonのミラーレス一眼「EOS R10」です。OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)のOM-5とどちらにしようか迷いに迷い、比較検証サイトをあれこれ眺め、カメラ売り場で円安を享受する外国人に混じって実機を触りまくり...今回はCanonの「EOS R10」をゲットすることに決めました。武骨なボディデザインで所有する喜びが味わえるOM-5もいいんですよ、望遠レンズも安く組めますし。
E-620の時の記憶媒体はコンパクトフラッシュでした。いまSDカードなんですねぇ。ソフトを読み込むCD-ROMも付いてない(冷笑)。



片手で楽々持てる軽さ。お高いカメラは味噌パックかと思うぐらい重し。



E-620とは比べ物にならない高感度。雨の日に佇むタヌー。



このボケ感はコンデジにはできない芸当。
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映画のはしご

2023年06月13日 | 写真・映画・音楽
昔は映画二本立て上映が普通にありましたが、今やシネコンで鑑賞するのが一般的。東宝系の劇場ならば毎週月曜日はau割で映画料金がお得になるということで...本日は『怪物』と『M3GAN』を見に行こうと思います。

カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、音楽を担当した坂本龍一氏の遺作でもある『怪物』ですが、数ヶ月前に初めて予告編を見たときは、是枝監督がホラー映画を作るのかと思ってしまいました。「怪物だ〜れだ」の声、血がポタリとたれる描写...学校の怪談的なものかと。その後予告編が新しくなるにつれ、保護者、子供たち、教師と学校、それぞれのかたちが見えてきます。保護者役に安藤サクラさん...最近ではブラッシュアップライフずっと見てました。小学生の子役は玄人はだし級の演技です。教師には永山瑛太さんの表裏ある感じが良き。校長役の田中裕子さんは「死んだ魚のような目」が素晴らしい。不穏な空気で始まる映画『怪物』。不協和音の金管楽器にザワザワします。教授の透明感あるピアノが心を清めてくれそうです。

『怪物』が終わって同じスクリーンで『M3GAN』が上映されます。同じ席を予約して...トイレに行ってなんだかんだやっているうちに上映10分前。何かホットドッグとか買おうかと思ったら売店前にすごい行列。結局そのまま上映時間になりました。
アンドロイドが引き起こすスリラーだかの物語かと思いますが、もう続編製作が決まったようです。そんなに評判がいいなら見ないわけにはいきません。スキー旅行中の事故で両親を亡くした姪のために作ったお仕置き?(しつけ)人形型ロボットが、キレッキレの殺人マシーンになっていく『M3GAN』ですが...AIが溢れているこの現代社会で、もし制御できなくなったらと思うと、ちょっと怖いですよねぇ。この映画上映時間が102分ですが、もし136分とかの長編だったならば、5時間近く座り続けているお尻が制御不能に陥るかもしれません。
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